不動産物件を売ろうと考えた時に、一番気になるのは査定金額ですよね。でも、査定金額は業者によって異なるもの……1つ1つの業者に査定を依頼するのも面倒でしょう。そんな時は、不動産の一括査定が便利です。

しかし、不動産の一括査定サービスにも複数ある……なんともややこしい話です。そこで、この記事では不動産売買に慣れていない人のために、おすすめの一括査定をまとめました。売りたい物件がある!そんな人は、是非お役立てください。

不動産一括査定はどこも同じと思っていませんか?

一括査定は重要!ここで間違えたら売れる家も売れなくなることも

「どの査定サービスもだいたい同じ会社が登録されているんじゃないの?」と思っておりませんか?いえ、それぞれのサイトごとに登録してある会社は全く異なります。

大手不動産業者が多い一括査定サイトもあれば、地元の小さな不動産会社中心というところ、マンションに特化しているところや、あるいは不動産会社と一切連携しておらずただ金額だけが分かるというサイトもあるのです。

一括査定サイトでのメリットは複数の査定額がでるので、相場がわかることです。ただし、価格はあくまでも机上の査定額であり、その価格で物件が売れるとは限りません。

とはいえ、不動産会社は過去のそのエリアの販売記録からその値段を出しているので本来は訪問査定に近い額になります。ただし、日当たりが悪いとか物件の管理状態、ご近所の条件などで、若干差が出ることは知っておいてください。その微妙な差は訪問査定で明らかとなるでしょう。

あなたの売りたい物件に合う売却サポートサービスを使って欲しいのですが、そこを誤ってしまう方は多いです。これから不動産を売りたいなと思った場合、不動産一括査定サイトはどこに注目して比較するといいのかお伝えします。

不動産業者選びのミスマッチが起こる原因

不動産の業者選びのミスマッチが起こりやすい原因。多いのはこの4つです。

(1)高い査定額で不動産会社を決めた

高い査定額が高い売却額を意味するわけではありません。何かしらの根拠があって高い査定額を出している不動産会社がほとんど。だから、査定額が高いところが売れないというわけではありません。

しかし、査定額が一番高いという理由で不動産会社を決めてしまう人は大勢います。人間の心理的にも、もっとも高値をつけてくれた不動産会社に任せたくなりますよね。ただし、売れない時は売れません。売れない状態が続くと、不動産業者は値下げを提案してくるでしょう。すると、いつの間にか他の不動産業者の査定額より安い金額になってしまい、結局安値で売却してしまう流れになってしまうことがあります。

不動産専門業後で「高査定」とか「両手取引」と言われる悪しきやり方です。また後で詳しく説明します。

だったら、初めから他の不動産業者に依頼したほうが高い値段で短期間で売れたかもしれませんが……それは、後になってみないとわからないことがほとんどです。

(2)手数料半額など割引で不動産業者を決めた

「手数料半額」に惹かれて契約した中堅不動産会社では売却できず、他の業者で売れたという方もいます。

手数料半額の業者が危ないわけではないのです。良心的な理由でサービス提供をしている業者もたくさんあるとおもいますが、契約をとりたいために手数料半額をうたう業者もあるようです。そこを節約しても、結局家が売れないのであれば本末転倒でしょう。

(3)大手だから大丈夫と思って知名度で不動産会社を決めた

例えば「有名な大手不動産会社だから大丈夫かな」と有名不動産会社に売却をお願いしたけれど売れなかったベッドタウンの家が、地元の不動産にお願いしたら「ここは〇〇小学校に近いからファミリー向けに売れる」と判断して、有名不動産会社の査定額より高い価格で売却成立することがあります。

地域の情報に詳しい地元の小さな不動産屋に任せたことで売却が成功する場合も多いのです。

多くのお客様が家を売るのは初めてです。そのため、「大手の不動産会社に任せたほうが安心」という印象をお持ちの方はとても多いでしょう。あまり人気のない物件だったりすれば差は出にくいのかもしれませんが、契約する不動産会社によって金額や売れるまでの期間が異なるケースは多いです。

(4)とにかくお金が必要で焦っている

諸事情でとにかくお金が必要で売れるものを売っているという状況だと平常心を失ってしまいがち。

株の投資で失敗した、事業の融資が下りず現金が足りない、離婚のため養育費の支払いがある、金利固定期間を過ぎ住宅ローンの金利が上がりローン返済が苦しく滞納しそう。

そういう事態はごく一般の方にもないわけではありません。リーマンショックの際には、数日前まで外資系勤務のエリートサラリーマンという方が急遽生活苦に陥ったのは記憶に新しいです。

「すぐお金が振り込まれる」というので売却ではなく不動産会社に相場よりかなり安く家を買取してもらったという方もおりました。

不動産会社の選び方と危険な業者の手口

中古マンションの売却

質の悪い業者は相場より高い価格査定をして「当社ならこの金額で売れますよ」と言って他社と契約できない『専任媒介契約』という契約を結び売却のための活動を引き受けます。しかし当然売れない。3か月後に「この値段では全く内覧もないし売れないから値下げしてこの値段で売りませんか?」と持ちかけて値下げして売却。

売却が成立すれば不動産会社は手数料が入ります。初めから手数料が欲しいため契約数を増やそうとして売れない高い査定額を出して契約をとろうとする詐欺まがいの不動産業者があるので不動産会社選びは注意が必要です。上記の(1)で不動産会社を選ぶのは危険なのです。

不動産を売る時は、何らかの事情があり売主も冷静ではないことも。そんな状態の人に付け込みお金をむしりとるのは悪質です。「もっと信頼できる不動産会社に依頼しておけばよかった」と後悔する方もいらっしゃいます。

不動産の一括査定サービス比較ランキング

今回ご紹介する不動産一括査定サイトは、売主が高い査定額を出すだけの悪徳業者に誘導されないような信頼できるサイトのみご紹介いたします。

なかなか一括査定サイトの口コミも少ないので、参考にしてみてください。

(1)すまいValue

1つ目の一括査定サイトは大手不動産6社が運営している「すまいvalue」です。集客力が高く、すでに獲得している購入希望者の「顧客名簿」が豊富にあります。保有する顧客の中からも候補者を探してくれるので、早期売却につながります。

対象はマンション、一戸建て、土地です。

他の一括査定サイトは、小さい不動産会社も一括査定に加わりますが、「すまいValue」では地場の中小不動産会社が一括査定に加わらないのが特徴です。

すまいvalue 公式ページ

(2)マンション.navi

mansion-navi

2番目はマンション.naviです。マンション.naviはマンション特化型の一括査定サイトです。中古マンションの売買は、戸建住宅の売却と異なり、修繕積立金の状況や、大規模修繕履歴の確認、共用部、管理規約など、マンション特有の価格決定要因があります。不動産会社が確認すべき事項も戸建と比較すると多岐にわたります。

そのため、不動産会社もマンションに慣れている不動産会社に依頼した方がトラブルは少なくなります。マンション.naviはマンションを得意とする不動産会社が提携しているため、適切な不動産会社に出会える確率は高いです。

<マンション.navi公式サイト>

(3)HOME’Sの一括査定

不動産情報サイトのライフルホームズが運営する不動産一括査定サイトです。一括査定できるのは土地、マンション、一戸建てです。

大手不動産会社や地元密着不動産会社が1300社以上登録しています。今回紹介する一括査定サービスの中では、登録不動産会社が一番多いです。上場企業が運営しており、個人情報の取扱いも安心。

地方の一軒家を相続した場合など、リモートで信頼できそうな不動産会社を探すときはオススメだと思います。

その理由は査定依頼をする不動産会社の情報、担当者も分かるようになっているので顔が見えて安心します。専門用語が少なく分かりやすい印象を受けました。信頼できる不動産サイトであるHOME’Sに査定依頼してみるのも良い方法です。

<HOME’S不動産一括査定>

 HOME’Sプライスマップ

同じライフルホームズが運営する「HOME’Sプライスマップ」もおすすめです。こちらは諸事情があり匿名で不動産査定を行いたい人向けのサイトです。不動産一括査定サイトでは、一度登録すると、その後営業マンからしつこい電話がかかってくるというデメリットもあります。このような匿名サイトであれば、その心配はありませんし、システムが自動で近隣物件の価格も表示してくれます。

「HOME’Sプライスマップ」は戸建もマンションも両方簡単に査定が出来ます。簡単な情報のみの入力で瞬時に○○万円~○○万円という幅の形で相場が出ます。

<HOME’Sプライスマップ>

(4)HowMA(ハウマ)

4番目の「HowMA(ハウマ)」はAIが物件査定価格を出してくれるサービスで、住所や面積とメールアドレスを入力すれば全国各地の不動産の見積価格が出てきます。所要時間2分。

不動産会社にデータが行くわけではなく、営業の電話がかかってくることもありません。どの程度の金額か知りたいだけなら、最も手軽かもしれません。

HowMaスマート不動産売却

HowMaスマート不動産売却は、過去に不動産売却でうまくいかなかった方や、ある程度不動産売却について詳しい方に選ばれているオンライン上で一般媒介契約を最大6社と締結できるサービスです。

査定を依頼すると、HowMaの担当者から連絡が行き、担当者が売りたい物件の査定に必要な条件を調べて提携不動産会社に共有します。その後、各社が見積もり価格や販売開始価格を提示し、その中から最大6社をお客様が選べるようになっています。

通常の一括査定サービスでは、複数の不動産会社の営業担当者と同じやり取りをしなければなりません。HowMaスマート不動産売却のメリットは査定から複数の会社と媒介契約を結ぶまでを代行してくれるため、非常に手間がかからず、余計な営業の電話がかかってくることもありません。

6社が競って販売活動をするため値下がりしにくく、早く高く損せずに売りたい方向けのサービスです。対象エリアは東京23区内です。

<HowMa公式ページ>

(5)おうちダイレクト

Yahooとソニーグループの運営するソニー不動産が提携して作った一括査定サービスです。ソニー不動産は両手取引撤廃を宣言している新しい不動産会社です。

大手、フランチャイズ、地元密着など様々な特徴を持った不動産会社へ無料で査定依頼することができます。さらに、売却を依頼した後も、Yahooとおうちダイレクトのネットワークなど独自の販売活動で売却をサポートします。

おうちダイレクト公式ページ

(6)イエイ

次におすすめしたいのはイエイです。イエイでは、「高い査定額を出す会社が優良企業ではない」と明言している一括査定サイトです。このような宣言は、不動産査定サイトの中では珍しいですが、そこを堂々と言っていることが、好感が持てます。10年の歴史があり、利用者300万人突破。売主の立場に立った運営姿勢が長い営業を支えていると言えます。

その他にも、イエイでは電話の相談員がいます。サポート体制が最も充実したサイトですので、初めての方でも安心して利用することができます。

イエイ 公式ページ

(7)イエウール

イエウール

イエウールの大きな特徴はチャット形式での入力。不動産売買初心者の方でも、親近感が持てて分かりやすい仕組みになっています。

利用者も登録している不動産会社も多い一括査定サイトです。イエウールを運営しているのは六本木にあるIT企業(株)Speeeです。

イエウール 公式ページ

(8)RE-Guide(リガイド)

続いて、リガイドです。普通のマンション売却以外に、アパート一棟売却したい場合の見積もり査定もでき、買い替え希望の一般人だけではなく不動産関係者も利用するサービスです。

リガイドも長い歴史がある不動産査定サイトです。体験談やQ&Aコーナーなどサイト内のコンテンツが充実しています。コラムの中でも不動産売却に関するコンテンツも多く、内容の信頼性は高いです。運営する会社は今は本社が虎ノ門にありますが元は札幌の会社です。

リガイドでは提携している不動産会社を公表しています。そのため自分の住んでいるエリアの近くの不動産会社の有無が分かります。どの会社が査定を出してくるか予想できますので、提携会社を確認してから利用するのが良いでしょう。

その他の一括査定比較サイト

他にも、イエウール、オウチーノなどのサービスもありますが、上記でご紹介したサイトと似ていますので、特に検討する必要はありません。

査定サイトを運営会社がしっかりしているところなのかも注意して確認しましょう。

一括査定の比較ポイントは自分の売りたい不動産物件との相性

大規模改修工事

代表的な不動産一括査定サイトをご紹介しました。どの査定サイトを選ぶかそのポイントは自分の売りたい不動産との相性です。住みたい人が多い都会の築10年以内のマンションならば、どの一括査定サイトでも得意な不動産会社は数社出てくるでしょう。

田舎の一戸建てであれば、一括査定サイトを使っても不動産会社が1社しか出てこないということもあり得ます。それならば、近所の不動産会社に行った方がいいかもしれません。

都市部の不動産だけれども築年数が古い場合、一括査定サイトで査定をしてくれた不動産会社が「リフォームしないと買い手が見つかりにくいよ」と言われることもあるかもしれません。

そういう立地はいいけれど古い場合ならば、リフォームプラン付きで売却提案をしてくれるパナソニックのリアリエのようなサービスの方が相性がいいかもしれません。

おすすめ物件一括査定サイトのまとめ

不動産の売却中も売却後も頼りになる信頼できる担当者を比較して見つけましょう

以上、不動産の売主にとって有益な不動産査定サイトのみ厳選して紹介しました。家を売るという経験は一生のうちに何度もあることではありません。購入希望者が現れてからも内覧の対応をしたり、家が売れてからも確定申告の相談をしたりと仲介をお願いした不動産担当者とは、わりとやり取りをすることが多いものです。

希望条件で売却することもそうなのですが、信頼できて頼りになる人を選びましょう。売れた後には税金が発生しますが、マイホームの場合、売値が3,000万円までならば税金が控除されるという特例もあります。そういった不動産売買に関しての税金もアドバイスしてもらえる不動産会社が安心ですね。

仲介契約を交わす会社選びが一番重要です。よく比較して決めましょう。

余談ですが、転売目的で不動産を購入される不動産投資家の方は、20~30社と可能な限り多くの不動産会社に見積もり価格を出してもらって、不動産会社を可能な限り比較して仲介契約を交わす会社を探します。一般の方はいくら高く早く売りたいとしてもそこまで計算高くやることはできないかと思いますが、情報収集はしっかりやるに越したことはありません。

他にも不動産一括査定サイトはたくさんありますが、「高い査定額出せます!」というトーンの一括査定サイトは外してあります。高い査定額にひっかかって後悔する売主が後を絶たないからです。家を売却するまで流れでは、「不動産会社選びが一番重要」ですよ。

今回ご紹介した不動産査定サイトを利用して、良きパートナーに出会っていただければ幸いです。

マンション売却を考えているものの、何から始めて良いのか分からない方へ
マンション売却の査定をする前に

マンションの売却は一生に一回あるかないかの事です。非常に大きな金額になりますので「なるべく高く早く売りたい」という方は多いと思います。

そのために一番大切な事は「査定」で売却を依頼する不動産会社を見極める事です。ここからはその査定をする前に必ず読んでおいて頂きたいマンション売却20ヶ条をお話します。

マンションを売却する前に必ず読みたい20ヶ条
竹内 英二
不動産鑑定士&中小企業診断士。1974生まれ。大阪大学卒業。日本土地建物㈱にてオフィスや賃貸住宅など多くの賃貸物件の開発に携わり、賃貸業を得意とする。2015年に㈱グロープロフィットを設立し代表取締役に就任。