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プロがこっそり教える、マンションの査定方法の最重要ポイント

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プロがこっそり教える、マンションの査定方法の最重要ポイント

目次

マンション査定ってどんな方法で決まるの?

女性

不動産鑑定士が教えるマンションの査定方法

人間はブラックボックスなものには不安を感じます。自分の家の評価額も自分では査定方法が分からないため、不動産売却の際に査定額を見てがっかりする方も多いです。しかし不動産会社の出す見積もり価格はあくまでも予想価格です。予想のため、正確ではありません。

そこで今回はご自身でもある程度、予想価格を算出できるようにするため、マンションの査定方法と抑えるべき7つのコツと売却の簡単な流れをお伝えします。

初心者が押さえるべき7つのコツ

不動産

本家本元の不動産の鑑定評価方法

不動産価格はいくつか種類があります。本格的な不動産鑑定評価では、多方面から価値を調べマンションの査定価格を計算します。

  1. 原価法
    原価法とは、土地代と建築費のコストから算出する手法です。
  2. 取引事例比較法
    取引事例比較法は周辺の類似マンション住宅からの取引事例を元に算出する手法です。
  3. 収益還元法
    収益還元法は貸したら投資家はいくらで買うかという視点から算出する手法です。

の3つの手法を用いておこないます。不動産鑑定士などに数十万円払って依頼しどんな土地に建てられた物件なのかまで調べることもあります。

1)不動産鑑定評価とマンション査定の違い

十数万円を支払って行う不動産鑑定評価では3つの手法を用いますが、不動産会社が無料で行うマンションの査定方法は、②取引事例比較法にもっとも近い方法で価格を出します。実際、不動産鑑定評価においても、分譲マンションの価格を決定する際は、②取引事例比較法の価格を重視して評価額を決定するため、無料査定だから不動産鑑定評価よりも精度が劣るということはありません。

また、不動産査定はだいたいは費用や手数料がかかりません。理由はその後家を売るという売却につなげるための販売促進活動の一部だからです。そのため、欠陥工事がないかとか建造物としての評価まではしません。「近くで同じ間取り同じような物件が昨年2,000万円で売れているからこの家もそのぐらいの価格かな」と近隣マンション売却価格を元にした簡易的な予想額を出す簡易的な机上査定です。

ポイント

仲介契約が欲しいために相場とはかけ離れた高い見積価格を出す不動産会社もあります。こういう不動産会社との契約はおすすめできません。

2)最重要ポイントは事例収集

住宅

マンション査定では、まず過去の不動産売却の取引事例の収集から始めます。正確な査定をするためには、いかに規範性の高い取引事例を収集できるかが重要です。規範性の高い取引事例とは、売却物件の場所と取引時点が近い事例のことを指します。

単純に言えば、同じマンションの隣の部屋が昨日、売買されたのであれば、自分のマンションも隣のマンション価格とほぼ近いと考えられます。一般の方でも、もし家を売りたいと思ったらネットで情報収集することができます。スーモなどの不動産情報サイトで売却希望のマンションのエリアを検索すると、近隣の不動産がいくらで売りに出されているのか知れます。こういう事例は参考になりやすいです。

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3)最も良い事例は同じ物件の事例

不動産売却の際に集めるべき事例は、まずは同じマンションの事例です。少なくとも1年以内の期間の事例を集めます。同じマンションの事例であれば、駅距離や築年数、建物の仕様が全て同じ物件なので査定の参考になります。異なる部分としては、階数や、方位、角部屋かどうかなどです。不動産の場合、同じマンションでも階数や位置によって価格が異なります。

4)同じ物件でも価格が異なることも

同じマンションの売却事例が過去にあっても売却価格が異なることも。一般的には、階数が高い方が眺望や景観が良くなるため、売却価格も高くなる傾向があるからです。また同じ階数であれば、バルコニーの向きによって価格が異なります。一般的に南側が一番高く、次に東側、西側、北側の順番に価格が低くなります。また角部屋は価値が高いため、特に南東の角部屋が最も価格が高くなります。

そのほか評点になりえるのは、大規模マンションの場合、ゴミ置き場の近くやエントランスに近い物件はやや価格が下がる場合もあります。また当たり前なのですが、掃除が行き届いていない汚部屋ならば価格は下がります。掃除をして値段が上がるということはなくても、汚いがために価格が下がってしまう物件は見たことがありますので、不動産売却の際にはきちんと掃除をして生活感を払拭して欲しいところです。

5)実際に売却できる価格との差はどれくらい?

マンション

自分で不動産査定を行うのであれば、過去1年くらいの期間に同じマンションの売却事例を調べて、その事例を元に売却価格をシミュレーションするのが最も良い査定方法です。売出中の不動産情報事例から中古マンションの単価を出します。売り希望価格と成約価格は異なる場合が多いので、だいたい売り希望価格から5%程度値引きする計算……ここから基準となる単価を決定します。

そこから階数や方位などを鑑み、基準となる単価から、なんとなく±3~7%程度範囲で価格差をつけます。それで自分の部屋の面積をかけて出せば、それっぽい査定額が出るでしょう。

6)同じマンション販売事例がない場合の情報収集方法

建物全体での注意点

同じマンションの事例がない場合は、近隣のマンション物件の事例を探します。この際、駅距離や築年数、部屋の面積がなるべく近いものを選びます。建物の規模感、グレード感もできるだけ類似の事例を集めます。建物全体で価格に大きな差を付けるのは耐震性です。

耐震性能は、建物下にゴムダンパーが入っている免震構造のマンションが最も価格が高いです。また、昭和56年以前に建てられたマンションは旧耐震基準のマンションのため、売却価格が下がる傾向があります。昭和56年前後のマンションは事例集めに注意が必要です。

物件価格に差が出る共用部分

他のマンションの事例を用いる場合、土地の権利についても確認します。最近では借地権付きのマンションも増えていますが、借地権は所有権と比べて価格が安いです。

また、古いマンションで全体が5階以下のマンションは、エレベーターが無い物件もあります。エレベーターの有無は価格に大きな影響を与えますので、事例の選定には注意しましょう。ポイントはできるだけ色々なことが似たマンションの事例を集めることです。昔は駐車場がないと人気がなかったのですが、今は駐車場の有無はそんなに価格に影響がありません。

7)査定額で売買できるとは限らない

女性 引越し

本来であれば、対象マンションや事例マンションの専有部分内のキッチンやバス、洗面所などの室内の仕様や仕上げの劣化状態をみて価格を出すべきですが、無料査定においてはそこまでは行いません。マンション売却のために本格的に担当者に訪問してもらって見積もり査定を出し、売り出し価格を決める時には、専有部内の仕様や仕上げによって、査定額から価格が上下します。

新しい購入者が気に入るようなリフォームを行っていれば、価格が上がる可能性もあります。また、購入希望者から値下げ交渉をされることもよくあるため売出価格よりも数十万ぐらい安く売却成立すると思っておいた方がいいでしょう。不動産売却は入札形式のようなもので、まれに人気エリアの中古マンションが売りに出されれば購入希望者がたくさんいて、新築購入時より高く売れる場合もあります。(豊洲などが有名)

一括査定サービス

最近は、一度の申し込みで複数の不動産会社の査定を受けられる一括査定サービスも増えてきました。一括査定サービスもいろいろありますが、おすすめはすまいValueです。大手不動産6社からの査定を一括で申し込めます。もちろん査定は無料です。

“すまいバリュー"

マンション査定方法の重要ポイント:まとめ

住宅

マンションの査定方法は事例の収集がカギ

以上、マンションの査定方法について見てきました。最重要ポイントは規範性の高い事例の収集です。規範性の高い事例が集めることができれば、そこから価格が大きくぶれることはありません。同じマンションの売物件か、売却希望の不動産となるべく近い売物件、これらの情報を集めると良いでしょう。

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