住みかえ王子

ケース別!正しい不動産売却価格の決め方

大きな計算機を持つ女性

目次

マイホームや相続した実家を売却する際に、とても重要になるのは売却価格の設定です。物件の価格は売主が自由に設定できます。アップルがiphoneを1万円で売ろうが、80万円で売ろうが自由なのと同じです。しかし相場より高すぎれば売れませんし、安すぎては損をしてしまいます。iphoneが1万円だったらアップルは儲からないし、80万円だったら1個売るのにも苦労するのと同じです。この記事ではこれから不動産を売却する方に向けて、正しい売り出し価格の決め方や値下げのタイミングなどについて解説しています。

物件売却時に意識したい3つの価格

物件の価格は何の情報もなしに決めることは難しいです。また、最終的には買い手とのバランスで決まるので売り出し当初とは価格が変わることも珍しくありません。物件売却は「査定価格」「売り出し価格」「成約価格」の3つを意識することがポイントになります。

査定価格

査定価格は「この金額で売り出せば一般的な期間で買い手が見つかると考えられる価格」です。査定価格は不動産業者に依頼して算出してもらいます。不動産業者によって査定のポイントは異なりますので、複数の業者に一括で査定依頼ができるサイトを利用するとよいでしょう。査定価格を調べるのは、売り出し価格を設定するための参考にするためです。査定価格を確認することで、自分の物件の価格設定を高すぎたり安すぎたりすることが防げます。

査定価格は「これくらいで売れるでしょう」という、あくまで予想価格に過ぎません。そのため、査定価格自体には何の保証もありません。仮に査定価格が高いところに仲介を依頼した結果、大幅な値下げをしないと売れなかったとしても不動産業者が補填をしてくれることはありません。どの不動産業者の査定価格であっても、査定価格は1つの目安に過ぎないことは覚えておくとよいでしょう。

監修者から

監修者から:仲介会社の査定とは別に買取査定があります。こちらは不動産会社が購入金額を提示してくれるので変動のない売却価格を知ることが出来ます。エンドのお客様に売却するのが難しい、築古、室内の経年劣化がある物件はコチラがおすすめです。

買取を望むなら

買取を考えるのなら、買取専門の業者に一度相談してみましょう。おすすめは買取博士です。査定や手数料は無料ですし、買取してもらった後の物件への責任はなし。なるべく早く物件を現金化したい方にもおすすめです。

売り出し価格

売り出し価格は、実際に売り出す際の価格です。これは売主が設定します。自分が考える「いくらで売れたらよいな」という希望価格はあるでしょうが、相場とかけ離れていては買い手がつかなかったり売れなかったりします。先ほどのiphoneの例を考えてみてください。そのため売り出し価格は査定価格や、既に売りに出されている他物件の中で、自分のものと条件が近いものの価格を参考にして決めていきます。

成約価格

成約価格は最終的に買い手と売買が成立した際の金額です。成約価格は最終的な売却価格です。成約価格は買い手との交渉によって決まるものですので、売り出し価格とほぼ変わらないことがあれば、下がってしまうこともあります。

下がってしまうことの理由の多くは、売り出し価格を高く設定してしまい、買い手がなかなかつかず値下げせざるを得なくなったケースです。

自分の物件の売却相場を知る際に参考になるサイト

物件の売却相場には築年数や建物の設備、立地、景気などさまざまな要素が複雑に関わっています。そのためゼロから自分で相場を見定めることは簡単ではありません。そこでヒントとなるのが「自宅と条件が似ている物件がいくらで売れたか」です。この情報はネットで調べられます。ここでは、更新頻度や情報量の点から、2つおすすめのサイトを紹介します。

レインズマーケットインフォメーション:実際の売却事例が分かる

非常に更新頻度が高いので、常に最新の売却事例をチェックできます。レインズマーケットインフォメーションでは、地域、沿線、最寄り駅、駅からの距離、築年数、間取り、土地面積などの条件で絞り込んで、売却事例が検索できます。絞り込みで自宅の条件と近いものを表示させれば、大体の相場がつかめます。また、レインズの特徴は実際にいくらで買い手が見つかったかを表す「成約価格」が分かること。実際の売値が分かるので参考にしやすいです。

Home`s:売り出し価格の決定に便利

Home`sは、売却事例が分かるサイトではなく、実際に今売りに出されている物件を紹介するポータルサイトです。そのため、基本的には家の購入を考えている人向けのサイトにはなりますが、売り出し価格の相場を把握するのには有効です。物件には売り出し価格と売却価格があります。

売り出し価格とは、言い換えれば売主側の希望価格です。物件の購入には基本的に価格交渉がありますし、希望価格で買い手が見つからなければ価格を下げて再度売り出すといったことが必要になりますので、売り出し価格のまま売却に至るケースは多くありません。一方で売却価格は実際にいくらで売れたかを示す金額です。レインズマーケットインフォメーションは、売却価格を知るのに便利ですが、いくらで売り出せばよいのかの相場を知る際にはHome`sが便利です。

また、レインズマーケットインフォメーションにはないHome`sならではの特徴として物件の外観や内観が写真で表示されるというものがあります。同じ築年数であっても物件によって内観が大きく異なることがありますので、写真表示があることは自分の家と同じ状態の家を探す大きなヒントとなるでしょう。

売り出し価格を決める際のポイント

売り出し価格の設定する際には査定価格や他物件の売り出し価格など、参考にできるものがたくさんあります。売り出し価格を決める際に重要となるその他の要素についても確認してください。

住宅ローンの残債を確認する

ほとんどの家は金融機関と住宅ローンを組んで購入しています。住宅ローンを組んで購入した物件は、抵当権といって担保にかけられている状態です。そのため売却して第三者に譲渡する際は、住宅ローンの残債をすべて一括で清算しなくてはなりません。その費用は物件を売却して得たお金で行います。そのため、物件の最終的な売却価格が住宅ローンの残債よりも高くなるように調整するのが一般的です。

仮に売却価格が住宅ローンの残債に満たない場合は、自身の貯蓄や資産から充当したり、新たにローンを組んだりすることになります。査定価格や既に売り出されている似た条件の他物件価格が住宅ローン残債よりも高ければそれほど心配することはありませんが、住宅ローンの残債に満たない場合は、注意が必要になります。

最低売却価格を決めておく

物件の売買は買い手との交渉で決まります。その際には必ず値下げ交渉が行われます。売り出し価格とは別にいくらまでの値下げなら応じるかを決めておくと焦って安くしすぎて損をすることがなくなります。

ポイント

不動産会社にあらかじめ最低売却価格について伝えておけば、値下げの選択肢を持って買い手を探せるので営業活動がスムーズになります。

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最初は売り出し価格を高くして少しずつ値下げしようとしない

なるべく高く売りたいという気持ちから、最初は売り出し価格を高くしておいて、買い手が一定期間見つからなかったら少しずつ値下げしようと考える売主がいますが、これはおすすめできません。なぜなら、一度値下げした物件は、買主側にもチェックされて「一度下がったのならもう一度下がるだろう」と思われてしまうからです。

「もう少し待てば、また値下げされるかもしれない」という物件を急いで買おうとする人は少ないです。そのため、買い手がつきにくくなり、結果として相場よりも下げざるを得ないこともあります。

監修者から

じりじり値下げをすると販売が長期化します。長期化=売れ残りの印象ですから、数千万円の家を購入しようとするお客様には大きなマイナス要素です。「高値売却を狙っていたので長期化しました」という言い訳を丸々信じる方はほとんどいません。皆さん慎重ですので、「本当は別に何かあるのでは?」と考えて売れ残り物件は敬遠されてしまいます。したがって売れる値段の上限以上は欲張らない方が結果利益は大きいのです。

最初から適性価格で売りに出していればスムーズに買い手が見つかったのに、高値でスタートしてしまったことで結果として損をしてしまうパターンが多いのです。不動産売却の基本は得をしようとするのではなく、適性価格で売却して損をしないようにすることです。きちんと情報を集めて正しい価格で売り出すことを意識してください。

不動産売却価格の決め方:まとめ

この記事では以下の内容を紹介しました。

監修者:鈴木 良紀

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧

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