目次
この記事では、賃貸物件の内見前に知っておきたいポイントを5つにまとめました。賃貸物件のどの部分をチェックすれば良いのか、またチェックのために必要なものを紹介します。これから賃貸物件を探す方は、是非参考にしてください。
外観しか確認できない賃貸物件もある
市場に流通している物件の中には、室内を内見できない物件も存在しています。居住用賃貸物件は賃貸人(物件のオーナー)と賃借人(物件を借りる人)の間で賃貸借契約を締結して成立します。契約内容によって多少の誤差はありますが、一般的に退去する前の解約予告(引越しますと宣言する)は賃貸借期限の1~2か月前に行われます。不動産オーナーは空室期間が短いほうが良いわけですから、解約予告がきた段階で新たな賃借人尾募集を開始します。
4月 | → | 5月 | → | 6月 | → |
現賃借人からの解約予告 | 賃貸借契約期限・賃借人の退去 | ||||
賃借人入居中 | 賃借人入居中 | 賃借人入居中 | 賃借人入居中 | 賃借人入居中 | |
新賃借人の募集 | → | → | → | → |
上図のように入居中から募集活動を行っている物件の場合、当然ながら現賃借人が住んでいるため、室内の内見は出来ません。嫌がらせで内見をさせないわけではないので、勘違いしないようにしてください。このような物件を見極める方法、物件概要の現況欄を確認すればすぐに確認出来ます。現況欄に『退去予定日』が記載されている物件は内見不可、空室の場合は内見可能です。不動産会社の対応も手間になるので、物件を問い合わせる前に確認しておくと良いでしょう。
賃貸物件の内見時に持参して欲しい物
エリア、広さ、駅距離などの希望条件が決まったら、部屋探しの開始です、と言いたいところですが、内見の際に持参してもらいたい3つの持ち物があるので、忘れずに準備して下さい。引越し時期にもよって異なりますが、賃貸物件の場合、繁忙期になると物件の動きが非常に活発になります。とくに物件の動きが活発になるのが1~3月です。この期間は『実際の室内を見ないで申し込みをする』という方もいるぐらいなので、内見した直後に申し込みが入ってしまうことも多々起こります。
上記以外にもGW前後の期間、転勤時期に当たる9月~10月の期間も繁忙期に該当しますので、注意をしなければいけません。賃貸物件を内見する時は、いつでも入居申し込みが出来るように必要書類持参しておくことをお勧めします。
- 運転免許証
- 源泉徴収票
- 三文判
この3つを準備しておけば入居申し込みだけでなく保証会社の審査も開始できるのでタイムラグ無く話を進めていけるでしょう。
1日に複数の賃貸物件を内見する
物件の内見で一番やってはいけないのは、1件だけ内見することです。引越しに慣れていて理想の物件が明確にイメージ出来ている方は別ですが、通常、複数の内見を繰り返しながらイメージを具体的にしていきます。
どんなに記憶力の良い方であっても一週間も経過してしまえば記憶は曖昧になっていき、正確な物件比較が出来なくなってしまうものです。内見し過ぎも良くありませんが、時間に余裕があれば4件程度の物件を同日に内見しておくと良いでしょう。
駅から物件まで実際の道のり、生活利便施設の有無
内見希望物件、3つの持参物の準備が完了したら、実際の内見に出かけましょう。内見は基本的に不動産会社の営業マンと行います。多くの会社では移動に車を用意してくれるので、移動方法を心配する必要はありません。ですが、ここで気を付けなければいけないことが2つあります。
- 駅距離を実際に歩いて確認できない
- 生活利便施設の有無、物件からの距離が確認できない
車で移動をしてしまうと当然ながら、上記2点の確認ができません。グーグルマップで確認する方もいますが、実際に自分の足で歩かなければ街の雰囲気も確認できませんし、実際の徒歩分数の確認もできません。気になる物件は、駅までの距離、周辺環境の確認は自分の足で必ず確認しましょう。この申し出を断る営業マンも少ないはずですから、遠慮なく相談してください。
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賃貸物件:内見チェックポイントは6つ
室内、外観の全ての確認は現実的でないので、今回はポイントを抑えて7つのチェックポイントをお伝えします。
賃貸物件の内見チェックポイント①:家具の寸法
引越しでは多くの方が家具の配置で頭を悩ませます。広さは有限なので家具の配置次第で住み心地が大きく変わってしまうので、具体的な生活イメージを想像しながら内見することが重要です。テレビ台、ダイニングテーブル、ソファー、レンジ台などの大型家具の寸法を事前に計測しておくと、新居での生活をより具体的にイメージできます。
賃貸物件の内見チェックポイント②:冷蔵庫スペース・洗濯機置場
生活スタイルの変化は冷蔵庫のサイズにでます。冷蔵庫はサイズによって必要なスペースが大きく異なるので、必ず確認しておきたい箇所です。引越し後に「ワンサイズ大きな冷蔵庫に変更したい」と考える可能性はゼロではありませんので、冷蔵庫置場の寸法は必ず図っておきましょう。
また、洗濯機置場の確認も重要。ドラム式が主流となっているので、家族構成にかかわらずドラム式洗濯機を持ち込む方も少なくないはずです。縦型の洗濯機と比較しドラム式はフォルムがラウンドしているので若干スペースをとります。
さらに、水栓の位置によっては取り付けられないケースもありますので、ドラム式洗濯機の持ち込みを予定している方は水栓の位置(高さ)を必ず確認しておきましょう。
賃貸物件の内見チェックポイント③:収納スペース
収納スペースは図面と実物で面積が大きく異なるケースが多々あります。階段下収納などをイメージして頂くと分かりやすいのですが、6畳の収納スペースがあったとしてもスペース内に突起物などが出ていると収納スペースとして十分に活用できません。クローゼットやロフトなど、室内に設置されている収納スペースは全て扉を開けて実際に収納スペースとして活用できるのか確認しておきましょう。
賃貸物件の内見チェックポイント④:備え付け設備の不具合など
ガスコンロや給湯器、エアコンなど、室内には多くの設備が付帯されておりこの内どの設備に不具合が生じたとしても日常生活に支障をきたす可能性があります。『エアコンをつけたら異臭が発生した』といったケースを耳にする機会もあるので、内見時に可能な物は確認しておきましょう。
賃貸物件の内見チェックポイント⑤:共用部分(マンションの場合)
マンションの共用設備、共用部分の利用方法は物件によって大きく異なります。24時間ゴミ出しの出来ないマンションもありますし、駐輪場がないマンションも数多くあります。
- 宅配ボックスの有無
- ゴミ出しの方法
- 駐輪場の有無
最低限上記3点は内見時に確認するようにしましょう。
賃貸物件の内見チェックポイント⑥:キズや汚れなど
賃貸物件は新規募集毎に室内リフォームをしているわけではありません。フローリングや壁紙、ガスコンロなどの室内設備の中には前入居者がつけてしまったキズや汚れなどが残されている可能性がゼロではありません。
このような物が残っていると退去の際の原状回復でトラブルになってしまう可能性が高くなるので、目立つキズや汚れなどがある場合は内見時に確認しておき賃貸借契約前に必ず指摘しておきましょう。上記以外にも確認したい箇所はいくつもあるでしょうが、営業マンも物件の全てを知り尽くしているわけではありません。
- 上下階に住んでいる人
- マンション内はどんな人が住んでいるのか
- 近隣エリアでのトラブルの有無
実際に生活を送る上で上記のこのような情報は大変重要ですが、これらは実際に住んでいる人でも知り得ることが難しい内容です。個人情報が含まれる内容なので、これらを営業マンに質問しても正確な返答をもらうことはできないでしょう。そのため、物件内見時には物件の間取りや設備などの物理的な部分の確認に専念すると良いです。
まとめ:賃貸物件の内見には事前準備も重要!
この記事では以下のポイントを紹介しました。
賃貸物件を選ぶ際に内見が重要なのは言うまでもありませんが、より効率良く内見をするためには下準備も大切です。是非、ここでの情報をお役立てください。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧