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中古マンション購入時の6つの注意点

マンション

目次

中古マンション購入時の注意点に関する6つのポイント

買ってから後悔しないためにプロが解説します

中古マンションは新築マンションより目利き次第でよい物件を購入できることもある分、場合によっては大失敗してしまうこともあります。 本記事では、中古マンション購入で失敗しないための注意点として以下の6つのポイントに分けてチェックしていきましょう。

住宅ローン

まずは住宅ローンに関する注意点です。住宅ローンを契約する時は対象の物件を担保に取ることもあり、築年数や物件の管理状況によって融資額が減額されることがあります。住宅ローンは主に契約する人の年収や属性が見られることが多いですが、中古マンションの場合は物件の担保価値についてもよく注意しておきましょう。

なお、担保価値についてはマンションの立地も重要となります。また、リフォームやリノベーションすることで固定資産税評価額が高くなることもあります。

住宅ローン控除の適用条件も確認 

中古マンション購入時に住宅ローンを契約すると、最初の10年間につき、借入額の1%(最大控除額40万円)を10年間、所得税と住民税から控除される住宅ローン控除の適用を受けることができます。 住宅ローン控除の適用にはいくつかの要件がありますが、特に中古マンションの場合は「耐震性能を有していること」という条件がある点に注意が必要です。 

具体的には、耐火建築物(RC造やSRC造)の場合は築年数25年以内である必要があり、そうでない場合には耐震性能を有していることを証する書類を提出しなければなりません。

固定資産税

中古マンションの売買契約では固定資産税の額についても注意しておきましょう。 固定資産税は、マンションの所有者に対して毎年課される税金で、土地・建物の固定資産税評価額に対して1.4%の税率が掛けられます。

土地については、年数が経つだけでは変化しませんが、建物については築年数が経つごとに安くなっていきます。つまり、築年数が古ければ古い程、固定資産税評価額は安くなります。築浅の物件だと、一般的には物件の状況などよいものですが、固定資産税の負担額は大きいことに注意が必要です。 

軽減措置の存在で新築マンションより負担額が大きくなることも

居住用不動産の建物部分の固定資産税については、RC造の場合で新築から5年間は固定資産税の負担額が半額になる特例があります。このため、築年数6年以上の中古築浅マンションについては、新築分譲マンションより負担額が大きくなってしまいます。新築マンションでも築6年を超えれば同様になりますし、築20年程度を超えれば、当初5年間の負担額より負担額が小さくなっていきますが、中古マンションの購入ではこの点に注意しておきましょう。

不動産取得税

不動産を契約して引き渡しを受けると、1回限り、取得した固定資産税評価額に応じて不動産取得税が課されます。居住用不動産の場合、税率は3%ですが、土地・建物共に軽減措置の適用を受けることができます。 ただし、建物部分の軽減措置については、築年数によって以下のように軽減額が変わります。

新築日 控除額
1997年(平成9年) 4月1日以降 1,200万円
1997年(平成9年) 3月31日以前 1,000万円
1989年(平成元年) 3月31日以前 450万円
1985年(昭和60年) 6月30日以前 420万円
1981年(昭和56年) 6月30日以前 350万円
1975年(昭和50年) 12月31日以前 230万円
1972年(昭和47年) 12月31日以前 150万円
1954年(昭和29年) 7月1日 100万円
〜1963年(昭和38年) 12月31日 100万円

基本的に、築年数の古いマンションは固定資産税評価額も小さくなりますが、購入前に評価額と軽減額、納税額をしっかり把握しておくようにしましょう。

登録免許税

中古マンション購入時には、その所有権を売主から買主に移す所有権移転登記や、マンション購入時の住宅ローンにおいて、抵当権設定登記する必要があります。 

これらの登記時には、マンションの固定資産税評価額に応じて登録免許税を納めなければなりません。 

所有権移転登記については、土地部分の税率が固定資産税評価額×1.5%、建物部分が2%。また、抵当権設定登記については債権価格の0.4%となっています。 

これら登録免許税は、自己居住用の物件を購入するにあたり、以下のように軽減措置の適用を受けることができます。

税率 軽減税率
所有権移転登記 (土地) 2%
所有権移転登記 (建物) 1.5% 0.3%
抵当権設定登記 0.4% 0.1%

ただし、上記特例の適用を受けるためには、マンション等、耐火建築物(RC造、SRC造)の場合で築25年以内か、もしくは耐震性を有していることを証する書類を提出する必要があります。

管理費と修繕積立金

マンションを購入すると、毎月管理費と修繕積立金を支払う必要があります。 管理費とは、物件の管理に必要な費用で、修繕積立金は定期的に発生する修繕のために、入居者全員で戸別に積み立てておく費用です。 

これらは、マンションの管理組合で決定されるもので、購入する中古マンションごとに方針が異なります。

例えば、管理費についてはどの管理会社にどのような作業を委託しているかによって異なります。また、修繕積立金は毎月の修繕積立金がマンションに異なることはもちろん、どのように計画を立てているかも違いがあります。

基本的には、築年数が経つごとに必要な修繕費用は大きくなることから、修繕積立金も高くなります。 

場合によっては、見た目の負担額を少なくするために低めの修繕積立金に設定されていることもありますが、管理組合にプールされている修繕積立金が少ないと、いざ大規模な修繕が発生した場合に、入居者に対して追加で費用請求なされることもあります。 

中古マンション購入時には、これら管理費や修繕積立金の取扱いについてしっかり確認しておきましょう。

マンションの瑕疵

中古マンション購入時にはマンションの瑕疵についても注意しておきましょう。不動産を売買すると、売主は買主に対して瑕疵担保責任を負います。

瑕疵とは簡単に言うと欠陥のことで、例えば物件購入前に知らなかった雨漏りが物件購入後に発生した場合、売主に対して損害賠償請求などすることができます。

瑕疵担保責任を請求できる要件として、瑕疵が隠れたものである必要があります。つまり、売買契約前に買主が知ることのできたものについては瑕疵担保責任に基づいて損害賠償請求などすることはできません。

もちろん、買主としても買ったマンションに瑕疵などないほうがよいので、売買契約前に売主から伝えられた故障などについては、必要に応じて補修してもらうなど対応してもらうとよいでしょう。

なお、これらの修繕状況や欠陥の具合については、後々のトラブルを避けるために重要事項説明書や付帯設備表、物件状況報告書など書面に残しておくようにしましょう。

瑕疵担保責任を追及できる期間について注意 瑕疵担保責任は、追及できる期間を買主と売主が話し合って決める必要があります。

例えば、瑕疵担保責任の期間を引渡し後1カ月と決めた場合、その期限日以降に瑕疵を見つけた場合は損害賠償請求などすることができなくなってしまいます。瑕疵はどこにあるか分かりません。 

できるだけ長く設定してもらえるよう、売主と交渉を進めるとよいでしょう。

中古マンション購入時の注意点に関するまとめ

長く住み続けるために管理状態はしっかり確認しよう

中古マンション購入時の注意点を6つのポイントに分けてお伝えしました。 特に築25年を超える物件は、税金の軽減措置などにおいて、何らかの方法で耐震性を有することを証明する必要がある点に注意が必要です。 

その他、瑕疵担保責任の期限については売主との交渉も必要になるため、事前にどのような注意点があるかを把握した上で、少しでも条件がよくなるよう進めるとよいでしょう。

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