住みかえ王子

中古マンション購入時の諸費用を計算するときの注意点

中古マンション購入時の諸費用

目次

軽く考えない中古マンションの購入諸費用

節約できる費用と節約できない費用を分けて考える

中古マンションを購入する場合は、不動産業者への仲介手数料のほかにも、契約書作成、住宅ローンの融資、登記手続き、各種税金、購入後のリフォームや引越し費用など多くの諸費用がかかります。これらの諸費用の中でも、節約できる諸費用と節約できない諸費用があることを理解して、中古マンション購入の検討を行うことが重要です。

諸費用を整理して考えます

1.税金関係

中古マンションを購入する場合に支払う各種税金は以下のようなものがあります。これらは中古マンションの価格(または固定資産税評価額)によって支払額は変わってきます。

印紙税

売買契約書や住宅ローンの消費貸借契約書など、契約書を作成する際に「印紙」として契約書に貼付します。

登録免許税

不動産登記を行う場合に必要な税金です。中古マンションの場合は不動産の価額(固定資産税評価額)の0.2%(原則)。

不動産取得税

中古マンションを売買によって取得した場合に都道府県が課税する税金。中古住宅の場合は税額の軽減があります。

固定資産税・都市計画税

毎年1月1日現在の所有者に市区町村が課税する税金です。

期間途中で購入した場合は、日割りで負担することが一般的です。

消費税

中古マンションの購入価格には消費税がかかりませんが、その他の手数料や諸費用には消費税がかかってきます。

 

2.手数料・保険関係

各種手数料や保険関係としては、以下のものがあります。

住宅ローンの融資手数料

住宅ローンを申し込む場合は金融機関に支払います。

火災保険・地震保険等の各種保険料

保険会社によっても異なりますが、10年~30年分として一括払いが一般的。

不動産仲介手数料

売買が成立した際に仲介した不動産業者に支払う手数料です。ただし、売主と仲介した不動産業者が同じ場合は仲介手数料はかかりません。

司法書士報酬

登記手続きをお願いする場合に、司法書士に支払う報酬です。

住宅ローンの融資を受けるか、全額自己資金で購入するかで手数料は変わります。

全額自己資金の場合は、金融機関との融資の契約関連(印紙税、融資手数料等)がかかりませんし、登記も所有権の移転登記のみ(担保としての抵当権設定登記や、現在既に登記されている抵当権の抹消登記等はなし)の場合は、登記手続きを自分で行うことも比較的容易です。

3.その他の諸費用

その他の諸費用としては、以下のものがあります。

引越し代・現在住んでいる家の家具等廃棄費用

新しいマンションでの生活の場合、古くなった家具や電化製品などを捨てる場合や引越しに要する費用

リフォーム・修繕費用

中古マンションですので、壁紙や床・畳等の張り替えといった簡単な修繕から、間取りの変更、設備の取り替えなどの大規模なリフォームまで金額は大きく変わります。

マンション管理組合に支払う費用

管理費、修繕積立金など管理組合に支払っている費用を日割りで計算する場合があります。

新たに購入するカーテン・電化製品費用

購入先のマンションで利用するカーテン・証明・各種電化製品の購入費用です。

 

4.計算上の注意点

このように、中古マンションを購入する場合は、単に購入価格のみを支払うだけではなく、購入に付随する様々な税金や手数料がかかってくるほか、やはり新しい生活ですから、きれいな部屋や家具にしたいという気持ちも大きくなります。

これらの諸費用のうち、税金関係や手数料関係は不動産業者が計算して示してくれますが、それらの計算が正しいかどうかのチェックをすることも大切です。以下、項目ごとに注意点を説明します。

○税金関係

税金には、「原則」と「特例」があります。景気対策などの目的で、期間を定めて減税措置を行うのが特例ですが、期間が定められているため、特例期間が終了してしまう場合や、逆に新しい特例が適用される場合がありますので、特例を考慮しているのかどうかについて、念のため不動産業者に確認するか、国の公的機関のホームページをチェックしてみましょう。

また、固定資産税・都市計画税は、最新の納税通知書であるかどうか、売主がきちんと固定資産税を納めているかどうかを確認します。通常固定資産税は1年間分の税金を4期に分けて納税しているので各期の納税状況を確認します。

○手数料関係

住宅ローンの融資を受ける場合は、金融機関の手数料を確認します。売主の抵当権がついていない、あるいは抹消されていて、全額自己資金で購入する場合は、司法書士にお願いしなくとも、自分で所有権移転登記を行うことも可能です。この場合は「法務局」に行くと相談に対応してくれます。自ら移転登記を行えば、司法書士報酬は必要ありません。ただし、抵当権の抹消と設定、所有権の移転や登記情報の変更等いろいろな情報を申請する場合は司法書士にお願いした方がスムーズに手続きは完了します。

不動産仲介手数料は、売主が同じ不動産業者であれば仲介手数料は必要ありません。つまり不動産業者が「仲介業務」を行っているのか「不動産の販売」を行っているのかで必要の有無が決まります。

○その他の諸費用

引越しやリフォーム等は、不動産業者が紹介してくれることも多くありますが、できれば自ら業者に見積もりをとることをおすすめします。不動産業者によっては高い引越業者やリフォーム業者を紹介することもあるので、インターネットの見積もりサイトなどを利用してチェックします。また中古マンションの住宅ローン融資ではリフォーム費用も含めて融資を受けることができるので、リフォームを行う場合はこれらの費用を含めて融資が可能かどうかを計算することが重要です。中古マンションの購入価格は安く住んだが、古いマンションだったため、大規模なリフォームを計画し、一括で住宅ローンを申し込もうとしても、場合によっては融資が通らないこともあります。不動産業者が紹介した金融機関ではリフォーム費用をローンに組み込めない場合もあるので、その場合は自ら金融機関に相談することも必要です。

5.意外と見落とすマンション維持費

さて、中古マンションの購入まではスムーズに終わり、晴れて売買契約となりますが、ここで大事な費用の計算を忘れないようにしましょう。それは、購入した中古マンションの管理組合等に支払う「管理費」や「修繕積立金」などです。

これらは、分譲マンションを購入した場合は必ず必要な維持費ですが、これらの費用はマンションごと(管理組合ごと)に異なるのが一般的です。管理組合の活動が活発なマンションでは、できるだけ維持費を安く抑えるための努力をしていますし、そうでなければ不用な管理費を支払っている場合があります。

これらの費用は購入した中古マンションに住み続ける限り支払う費用ですから、管理組合の活動実績や財務関係資料を作成し、無駄がないかどうかなどを確認することは大変重要です。

さらに、中古マンションの場合は、「大規模修繕」が行われる時期である場合も少なくありません。きちんとした管理組合であれば、修繕積立金の範囲内で大規模修繕を行うことができますが、積立金が不足している場合は大規模修繕費用をさらに負担する可能性もあります。

こういった、中古マンションの維持管理状況やこれまでの大規模修繕の実績なども踏まえながら、将来発生する費用をあらかじめ確認しておくことが重要です。

まとめ

諸費用はできるだけ自分で計算してチェックする

中古マンションの購入に際しては、このように多くの諸費用がかかります。大切なのは「できるだけ自分で計算し、チェックすること」です。特に不動産業者が提示した金額や紹介された業者が果たして割高なのか、割安なのか、こういった部分はきちんと確認することで支払額を抑えることができます。

また、購入する中古マンションの管理組合の活動状況は、ダイレクトに生活環境に影響しますので、管理費や修繕積立金の確認をとおして、管理組合の活動状況をチェックすることも大切です。

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