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中古マンションを買う人へ!知っておくべきマンション老朽化問題

古いマンション

目次

「マンションの老朽化問題って?」そのように考えている方もいらっしゃるでしょう。今、日本では多くのマンションが老朽化している傾向があります。老朽化したマンションは、どのような問題があるのでしょうか。この記事では、マンション老朽化問題やマンションの寿命について紹介しますので、中古マンション購入の参考にしてください。

マンションの老朽化問題

日本では、戦後の都市化進展により1970年代以降に大量のマンションが建築されました。そのため築50年前後のマンションが多く、その多くが大規模な修繕や回収の必要があるのです。

マンションは老朽化する

国土交通省によると、2018年末で全国には約654.7万戸のマンションがあると発表されています。そのうち、築年数が40年以上のマンションは81.4万戸にも上るのです。耐震性の問題だけでなく、建設後に適切な維持や管理がされてこなかったマンションは安全性の問題や住む環境の問題も抱えています。

また、老朽化したマンションは、マンション自体だけでなく周辺環境や都市自体の環境の悪化などにもつながる恐れもあるのです。老朽化したマンションの問題を解決するには、修繕や建て替え・解体などの対処が必要となります。しかし、その対処は容易ではないのです。

マンションの建て替えや解体には管理組合の決議が必要

老朽化したマンションは、建て替えや解体が難しいという現実があります。マンションの建て替えや解体は、オーナーが自由に取り決められません。立て替えや解体するには、マンションの住人である区分所有者の5分の4以上の賛成が必要となります。

しかし、建て替えとなると住人にも費用の徴収や建て替え中の住まいの問題などが発生するため同意を得ることは難しい傾向にあります。また、経過年数のたったマンションは住人も高齢化している場合が多いものです。居住者の高齢化に伴い、建て替えに消極的になるだけでなく管理組合員のなり手の不足も加わり、建て替えはより困難になるでしょう。

修繕積立金の問題

マンションは、10年~15年を目安として大規模な修繕が行われるのが一般的です。その大規模修繕に対しての積立金として、住民は毎月「修繕積立金」を徴収されます。修繕積立金は、大規模修繕だけでなく、災害時の修繕や建て替えのための調査費・区分所有者の利益のための特別管理費などに利用されるのです。この修繕積立金の金額は、マンションの築年数に応じて高く設定されるのが一般的です。

しかし、金額は一律に決まっているものではないためマンションによっては月々の負担を少なく見せるために安く設定されている場合もあります。修繕積立金が不足すると、大規模修繕時に積立金だけでは不足する可能性があるでしょう。その場合、住人に追加で費用を徴収するものですが、支払いに応じてもらえない場合など修繕費用の捻出が難しくなることもあるのです。

国土交通省によると、修繕積立金が不足することに不安を感じると回答したマンションの管理組合は約27%にも上ります。このように、修繕積立金の問題により、修繕ができないとマンションの老朽化に拍車をかけてしまうのです。

マンションの寿命はどのくらい?

築年数が古いからと言って、すべてのマンションが老朽化しているわけではありません。マンションには、それぞれ寿命があるものです。マンションの寿命を表す指標に「耐用年数」や「耐震性」があります。

マンションの耐用年数

耐用年数とは、法定耐用年数のことを言い、これは「減価償却」で定められた資産価値がなくなる年数のことです。法定耐用年数はマンションの造りにより異なり、主なものは次のように定められています。

  • 鉄筋コンクリート造り(事業用) 47年
  • 木造・合成樹脂造のもの 22年
  • 木骨モルタル造のもの 20年
  • れんが造・石造・ブロック造のもの 38年

法定耐用年数での寿命は、税制上の寿命であり、この年数が過ぎたからと言って住めなくなるわけではありません。築年数が古くても適切に管理されているマンションなら安全に住めるものです。近年では、きちんと管理されている築年数の古いマンションはヴィンテージとして人気が高い傾向もあります。

反対に、法定耐用年数を過ぎていないのに老朽化により住みにくいということもあるのです。マンションの寿命は、耐用年数ではなくそれまでの管理などが大きく関わってくるといえるでしょう。

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耐震性について

マンションの寿命に大きく関わるのが「耐震性」です。耐震性とは、地震に耐えられる性質のことを言います。マンションなどの建築物については、法律により一定以上の耐震性を備える義務があります。この耐震基準は1981年6月に現行の新耐震基準が施行されました。

そのため、1981年6月以前に建築された物件は旧耐震基準が適用されており、耐震性に不安がある可能性が高いのです。耐震性は、日常の生活では問題になりませんが、ひとたび地震が起きた時は物件自体だけでなく命にもかかわる大きな問題でもあります。特に地震大国ともいわれる日本は、いつどこで大きな地震が来てもおかしくないものです。築年数の古いマンションを購入する際は、耐震性の確認が重要となります。

マンションが老朽化したら修繕積立金が高くなる問題も

マンションは築年数に応じて修繕積立金が高くなる傾向があります。老朽化したマンションはそれだけ修繕にも多くの費用が掛かるものです。毎月の修繕積立金だけでなく、修繕前には追加で修繕費用が請求される可能性も高いでしょう。

また、それまでの積立金の徴収状況によっては大きく不足している場合もあり、その場合はより修繕費用の負担も大きくなります。いつ大規模修繕するかは「長期修繕計画」で計画され、修繕積立金の徴収状況も決算書などで確認できます。中古マンションを購入する際には、修繕計画や積立金の状況を確認するとよいでしょう。

中古マンションを購入するなら管理状況を確認しよう

中古マンションは、老朽化の問題を抱えていますが、築年数が古い=老朽化しているわけではありません。定期的な修繕や日々の管理が適切にされているマンションは、築年数が古くても住みやすい可能性もあるでしょう。

また、管理がしっかりされているマンションは、それだけ修繕にかかる費用も低くなるので修繕積立金の負担も少ないものです。築年数が古くても、リノベーションなどで内装を新品として売り出しているマンションもあるので選択肢の一つとして検討するのもよいでしょう。ただし、表面上はきれいにリノベーションされていても、内側がどうなっているのかは確認が必要です。

特に、築年数が古い物件は、排水管や壁の内部の劣化などの問題を抱えているケースもあるので注意しましょう。中古マンションを購入する際には、修繕計画や日々の管理状況などを確認したうえで検討することが大事です。また、リノベーション済みのマンションを購入する際には、どのような修繕工事なのか、表面などの目に見えるところ以外はどうなのかも確認するとよいでしょう。

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マンション老朽化問題:まとめ

中古マンションを購入する際に気を付けたいマンション老朽化問題についてお伝えしました。

日本の多くのマンションは築年数が経過しており老朽化の問題を抱えています。老朽化したマンションでは、耐震性の問題や修繕積立金が高くなるなど注意すべきことが多いものです。この記事を参考に、マンションの老朽化について理解したうえで中古マンションの購入を検討するとよいでしょう。

監修者:Y.Suzuki

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧

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