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家を売るために必要な4つの知識と注意点を紹介します。家の売却を検討している方はご確認ください。家を売る時に何から手をつけて良いのかわからない……そんな方でもポイントさえ抑えておけば家の売却は難しくありません。
知識1.家を売るべき時・売らないほうが良い時の見極め方法
家を売るベストタイミングは千差万別。このテーマになると、不動産価格の高い・低いにフォーカスを当てる方が多いです。しかし、お金の損得勘定にとらわれ過ぎてしまうと、適切な売却のタイミングを判断しにくくなります。
家の売却のベストタイミングを見極めるためには、売却理由を明確にしておくことです。ここではいくつかの具体的な売却理由を基に、家の売却タイミングについて考えてみましょう。
『売却理由:子供が成長して家が手狭になった』
子供の成長に合わせて荷物量は年々増加していきます。物理的に家が狭いわけです。資金面でマイナスが生じないのであれば、不動産価格の動向にかかわらず積極的に住み替えを検討しなければいけません。
資金面のシミュレーションを慎重に行い問題がなければ、その時こそが家を売るべきベストタイミングです。
『売却理由:実家を相続、引越しすることになった』
このケースで考えられる選択肢は『売る』『貸す』の2つです。
将来的に価格が上昇する可能性があるのであれば、極力売却という形で手放したくはありません。ただし、貸す選択肢には固定資産税や空室リスク、退去時のリフォーム費用などの『損』が想定されます。なので、『出戻りの可能性』を考えて家を売るタイミングを判断してください。
また、相続した実家に住まない場合は、時間的な制約もあります。この点に関しては、こちらの記事に詳しく記載してありますので情報が必要な方はご覧ください。
『転勤なので一定期間後出戻りの可能性が高い』
今の家への思い入れ強さによっても変わりますが、出戻りの可能性がある場合は売却価格にかかわらず、家を売るべきタイミングではありません。
『出戻りの可能性が低い』
逆に出戻りの可能性が低いのであれば、損得勘定にかかわらず積極的に売ることを検討するタイミングです。
『売却理由:家に不満はないが購入した時よりも高くなったから』
投機的な要素で家の売却を検討している方は、引越しの理由が存在しません。お金の損得勘定のみにフォーカスを当てると良いでしょう。
売却諸経費(引越し費用、税金などのコスト)を考慮した上で、自身が納得いく売却益が得られるのであれば、利益を確定させる意味合いも込めて家を売るベストタイミングです。
いくつかの例を挙げて確認してきましたが、売却理由によって売るべきタイミングは各家庭で異なります。資金面でのマイナスがないことが前提となりますが、家族内で売却理由を共有して「売るべきか?売らないべきか?」をしっかりと話し合っておきましょう。
知識2.家を売るまでの流れ
次に、家を売る手順を確認していきましょう。
売却活動期間はケースバイケースですが、最低でも8カ月を想定しておくと良いです。8ヶ月を長く感じる方もいるかもしれません。しかし、全ての作業が順調に進んでいくとは限らないので、最悪を想定して可能な限り長めの売却期間を設けておくべきです。家を売る流れは以下のようになります。
①家の売却査定依頼(机上査定、売却査定)
↓ 3週間前後
②不動産仲介会社の選定
↓ 2週間前後
③媒介契約の締結
↓ 1週間前後
④売却活動(広告活動、室内の内見、購入申込書の確認など)
↓ 4ヶ月前後
⑤売買契約締結
↓ 2ヶ月~3ヶ月
⑥引渡し
- ~③は売却活動以前に行います。
ここでのメイン作業は『売却依頼をする不動産会社の選定』、『売出価格の決定』、『媒介契約の締結』。注意点は以下の3点です。
1.近隣不動産の相場価格
不動産には相場があります。査定価格と成約価格は全く異なるので、適切な査定かを確認するためにも、必ず前もって相場価格の確認をしてください。
2.査定価格の比較
不動産査定は現在・過去の取引事例を比較して算出するので、営業マンの経験・知識によって差異が生じてしまいます。1社だけの査定では判断できません。最低でも3社以上の査定価格を比較するべきです。
3.各媒介契約の特徴
売却依頼は複数社に依頼することができます。ただし、媒介契約の種類によっては1社のみにしか依頼できないものもあるので、媒介契約の特徴は確認しておきましょう。
④~⑥が実際の売却活動です。広告活動や室内の案内、売買契約書の作成など、活動の大部分は営業マンが代行します。あなたは以下の2点に注意して売却活動に臨んでください。
1.室内の整理整頓と水回りの清掃
荷物が散らかっていると室内が狭く見えます。内見毎に大掃除ができれば最善ですが、現実的には難しいでしょう。しかし、せめて内見前には荷物の整理整頓と水まわりの清掃(キッチン、ユニットバス、トイレ)を行うべきです。
家の内見についての関連記事はこちらです。
2.売却期間長めに想定しておく
不動産売買にも繁忙期と閑散期があるので、タイミングによって必要な期間が異なります。適正価格であればすぐに売れるということではありません。スケジュールに余裕をもって売却活動に臨んでください。
知識3.家を売る時にかかる費用と税金
家を売却すると収入だけでなく支出もあります。これは必ず支払うものなので、次は売却時の必要経費について確認していきましょう。
売却諸経費
項目 |
金額 |
備考 |
仲介手数料 |
成約価格×3%+6万円(税別) |
支払時期:契約時半金、引渡し時半金 |
抹消登記費用 (税金) |
1000円(1筆) |
筆数分の金額が必要です 支払時期:引渡し時 |
司法書士報酬 |
50,000円前後(登記1件) |
事務所で金額が異なります支払時期:引渡し時 |
収入印紙(税金) |
成約金額によって異なります |
売買契約書に貼付します 支払時期 |
売却諸経費は必ず必要となるので、大まかな金額で良いので売却活動開始前に確認しておいてください。そして、忘れてはいけないのが税金の支払いです。譲渡所得が生じた時には金額に応じて納税義務が生じるので忘れずに確定申告をしてください。
所得税・住民税
不動産売却で譲渡所得が発生した場合、所得税・住民税の支払いが発生します。購入金額よりも売却金額が高い場合、あなたは譲渡所得という収入を手にすることになるので金額に応じて必ず納税しなければいけません。会社員の方で譲渡所得が発生した場合は、源泉徴収の有無にかかわらず確定申告をしてください。
譲渡所得発生時に適用可能な特例
譲渡所得が発生した場合も一定要件を満たしていれば納税の免除、もしくは減額がされる特例が設けられています。抜粋になりますが、代表的な特例を紹介していきます。
・3000万円の特別控除
一定要件を満たしている場合、3000万円までの部分は非課税となります。
・軽減税率特例
家の居住期間、譲渡所得額に応じて税率が軽減されます。
所有期間10年超えの場合
譲渡所得金額 |
所得税(復興税含む) |
住民税 |
6000万円以下 |
10.21% |
4% |
6000万円超え |
15.315% |
5% |
本記事にて紹介している特例はほんの一部にすぎません。不動産売却にかかわる特例は多岐に渡って設けられているので、適用要件などがそれぞれで異なります。家を売る際には特例の内容や適用要件を事前に確認しておくと良いでしょう。
知識4.家を売るためには、まず一括査定
最後に大切な家をより高値で売却する方法です。最近では「購入金額よりも高く売れた」という声を耳にする機会が増えましたが、これは特別希少性の高い不動産に限ったことではなく、全ての不動産が等しく持っている可能性です。
この可能性を最大限に高める方法が、査定価格を比較することです。仮に、1社のみに家の査定を依頼していたとしたらどうでしょうか?
比較する材料が無いので査定価格が適正か否か判断することができず、最終的には不動産オーナーであるあなたが損をすることになってしまいます。
一括査定サービスがおすすめ!
このような状況に陥らないためにも家を売る際には一括査定サイトを利用して『複数の査定価格を比較する』ことが必要不可欠です。不動産会社のマッチングも行ってくれるので通勤、昼休憩中のなどの空き時間で作業を完了させることができます。
家の売却を検討中の方、一括査定サイトを利用して家の適正価格を確認してみましょう。とくにおすすめしたいのは、LIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約2800社の不動産会社が登録してあり、不動産会社の担当者、会社の雰囲気などの説明も具体的です。
監修者から:上場している不動産会社でもマーケットを読み切れず、倒産してしまうことがあるくらい、マックス価格での不動産売却は難しいです。だから、最高価格で売却することよりも住まいの解消ポイントを明確にするほうが、不動産売却時の満足度は上がりやすいでしょう。住まいの不便を解消するための堅実な不動産売却が一番です。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧
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