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住宅をどうしても売りたい方にとって、「買取」は願ってもない売り方でしょう。しかし、当然そこにはデメリットもあります。通常の売却ではなかなか住宅が売れない方に向けて、買取のメリット・デメリットを紹介します。買取をきちんと理解すれば、自ずと判断もつくでしょう。
売りたい住宅を買取に出す……損か得かは状況次第
自分で見極めるための知識を備えよう
買取制度が得か損かは、その人の置かれている状況によります。早めに売却したいのなら買取を勧めたいですし、少しでも高く売却したいのなら、通常売却を勧めます。
あなた自身の希望はどちらなのか?まずはそこをよく考えてみてください。
物件の状況も大きな要素になります。築年数が古くてリフォームが必要なほど経年劣化した住宅を「少しでも高く」と個人の方に売却しようとしても、正直難しいです。内覧時の第一印象が悪いため、なかなか「この物件を買いたい」とは思ってもらえません。
どうしても住宅を売りたいのなら、買取について深く知る
住宅の買取とは何か?
そもそも買取とは一般の方ではなく「不動産会社」が物件を買い取ることです。買取った物件は、不動産会社がリフォームなどをして(リフォームをしないでそのまま転売する場合もある)、不動産会社が売主となり希望者へ売却し利益を得る。そのような、事業スキームになります。
つまり、不動産会社は数百万円の費用をかけてリフォーム等を施し商品価値を回復します。よって商品力の回復前の価値で買い取り行い、第三者に商品価値を回復させて売却した時に利益を得ます。。不動産会社の買取価格は現在の商品価値を正確にあらわしているとも言えます。
不動産会社の買取は、そのままでは築年数が古く経年劣化した物件を買い取って、費用をつかって加工、リフォーム等を行い、価値を再生して新たなお客様に売却する事でそのバリューアップのフィとして利益を得ています。
つまり、安く買うのではなく、その住宅の現存価値(古い設備はその現在の残存価値、汚れた部屋もその現在の残存価値加工費その合計額)で購入するのです。この点誤解をされている方が多いので注意が必要です。そのまま手直ししなくても住める状態で価格を比較する必要があります。
例えば
商品価値を回復した時のバリュー 5,000万円
商品価値を回復するための費用 800万円
現在の価値 単純に4,200万円
これを商品価値回復後の5,000万円と比べて業者に売ると安くなるという誤解が生まれていますが、むしろ価値を正確にあらわしたのが買取価格といえます。
不動産買取の種類
買取には「買取保証」と「即時買取」の2種類があります。
A)買取保証
不動産会社が一定期間、売却活動をしても買い手が付かなかった時に、買取をする。これが買取保証です。定めた期間内に売れれば、買取よりも高く売れる可能性が高いですし、万が一売れなかった時も、不動産会社が買取をしてくれるので安心です。
B)即時買取
その名の通り通常売却期間を設けずに即時買取をする方法です。
不動産買取:5つのメリット
買取には5つのメリットがあります。
- 短期間で現金化ができる
短期間で売却できるので、現金化は早いです。現金が即手元に欲しい方や、何かの事情があり住宅を売らなければいけない期日が決まっている方には大きなメリットでしょう。 - 周辺に売却をしていることを知られない
チラシやインターネット上で売却の広報をしないため、周辺に売却していることは知られません。 - 資金計画が立てやすい
「いつ」までに「いくら」手元に現金が残るか(手に入るか)が明確なので、今後の資金計画が立てやすいです。通常の売却では、この2点が不明瞭になりますので、買取の大きなメリットと言えるでしょう。 - 仲介手数料が節約できる
買取を実施していない不動産仲介会社を挟んでしまうと仲介手数料を取られる場合もありますが、通常時から買取も行っている不動産会社に依頼をすれば、諸費用の1つである仲介手数料がかからないのもメリットです。 - 瑕疵担担保責任
通常は隠れた瑕疵(欠陥)があった場合、売主は瑕疵を補填する責任を負います。しかし、不動産業者に売る場合は、瑕疵担保責任を負いません。つまり、後々のトラブルリスクを回避できます。
買取のデメリット→築浅の場合に限られる
買取の唯一にして最大のデメリットは「価格」です。物件が新しく、残存価値が十分にある物件は通常の売却の70%~80%、物件によっては60%程度まで下がってしまう場合があります。新しく残存価値が十分あり、何の手を入れなくても住める様な物件は、不動産会社もリフォーム費用などを出さず、単純にそのまま売れるので利益だけを不動産会社が得てしまいます。
逆に築古の手を入れなければならない物件は、そのままの状態では個人のお客様には売れません。不動産会社が数百万円を支出して価値を再生させ、新たな物件として市場に出します。よって、現存の住宅の価値に対して買取だと安くなるわけではないことに注意してください。簡単にまとめると、安い価格で買取られて損をするケースは、新築に近いくらい状態の良い物件だけです。
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あなたの売りたい住宅:買取に適している?
築年数が古い物件が挙げられます。築30年以上経っている住宅は買取を検討してみても良いかもしれません。築年数が経過していると、現在の状態の家をそのまま気に入ってくれるお客様は稀です。売却期間が長引く可能性があります。
更に築年数が経っている程、瑕疵の危険性が増しますので、不動産業者に買い取って貰って瑕疵担保責任を免除になるメリットも大きくなります。
結局、住宅の買取は損なの?得なの?
冒頭で申し上げたように状況によります。たとえば、「新築のマンションを購入し、2か月後までに現金化する必要があり、買取価格でも許容範囲である」ケースや、「キャッシュフロー上どうしても現金が必要であり、来月までにまとまった現金が必要である」ケースなら、積極的に買取制度を利用するべきでしょう。
一方、急いで売却する必要がないのなら、保証型買取を選び、少しでも高く売却出来るよう努めるのも手です。
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住宅を売りたいなら買取も検討!
買取に出すのなら買取専門のところへ
買取制度は「物件を安く売られてしまう」とばかり思われがちです。しかし、「瑕疵担保責任が免除出来る」や「早急に現金化できる」というメリットもあります。それでもやはり買取価格の下落率が大きいので、メリットとデメリットを天秤にかけた上で、判断をすると良いでしょう。
どのくらいの価格で買取をしてもらえるのか……買取を考えるのなら、買取専門の業者に一度相談してみましょう。おすすめは買取博士です。査定や手数料は無料ですし、買取してもらった後の物件への責任はなし。なるべく早く物件を現金化したい方にもおすすめです。
どうしても住宅を売りたい人へ:まとめ
この記事では以下の内容を紹介しました。
記事内でも触れたように、通常の売却と買取のどちらが良いのかは、ケースバイケース。一度、専門家に見てもらいアドバイスをもらうのが正解です。無料査定してもらえる買取サービスなどは、積極的に利用したほうがお得かと思います。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧