住みかえ王子

マンションを高く&早く売るための3つの心理的アプローチ

住宅

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マンションを住みかえる場合、できるだけすみやかに今の所有の物件を売却したいと思うものですよね? 相場よりも価格が安ければ売却のスピードも速くなるのですが、できれば高く売りたいと思うのもこれまた売主側の心理。今回は「できるだけ高く」と「できるだけ早く」を同時に叶えるための売却のコツをご紹介します。

購入4回、売却4回の経験者が教える3つのマンションを売るコツ

マンションの価格は相場+心理戦で決まる!

不動産価格は駅からの徒歩分数や広さ、築年数、部屋の向きなどのスペックである程度相場が決まっています。と同時に、スペックなどで数値化されない、売主や買主、仲介会社の思惑(おもわく)によって決まる部分もあります。

売却を急ぐと買い叩かれてしまうことも

「ものすごく欲しい!」と思えば人は高くても買います。また、売主が売却を急いでいれば買い叩かれることも。双方の心理や個別の事情も価格に反映されてくるのです。ですから、仲介会社や買主の心理をしっかり把握すれば、相場よりもやや高めに、かつスピーディに売却することも決して不可能ではありません。

すぐに購入を決めてくれる客が最大の良客

「高く、早く」は言いかえればこちらが提示した価格に相手が気持ちよく納得してくれて、値引き交渉に持ち込まれず、すばやく購入の決断してくれるということになるでしょうか。

今回はマンション購入経験4回・売却経験4回、売る側の心理も買う側の心理も知り尽くしている筆者が、不動産業者や不動産のプロとはまた違った立場から「高く早く」売却するためのポイントを紹介していきたいと思います。

マンションを売るコツ1.「価格査定」では住んでいる人しかわからないメリットをアピール!

マンションを売却すると決めたら、最初にすべきことは価格査定です。マンションを売却しようと思ったら、便利なのが「一括査定サイト」。マンションのスペックを入力すると、複数の不動産仲介会社から査定金額が送られてくるものです。

大手企業が運営するおすすめ一括査定サイト

1つは大手不動産会社6社が運営し、業界で最も知名度がある「すまいValue」。三井のリハウスや住友不動産など、大手不動産会社にまとめて査定が依頼できるサービスです。

2つ目のHOME’SはLIFULL HOME’Sが運営しており、全国各地の約2,800の不動産会社が加盟しています。

極端に査定価格が高い不動産会社には注意

査定結果には、各仲介会社によってかなり差があります。売主に仲介会社に指名してもらいたくて、高い値段を提示してくる会社もあるようです。結局はその値段では高くて売れず、途中で「値段を下げましょう」と言われるのがオチ。低く査定するところはもちろん、極端に高く査定する会社も避けるべきでしょう。

ここでやってはならないのは「不動産のプロなのだから」と任せきりにしてしまうこと。住んでいる人しかわからない情報はどんどん仲介会社に伝えましょう。たとえばこんなことです。

  • 実は花火(あるいは富士山)がビルとビルの合間からキレイに見える
  • 前の公園の桜が見事

仲介会社も目の前に公園があるくらいは地図やグーグルストリートビュー(周辺の様子を写真で見られる)でチェック済みでしょうが、木の種類までは特定できません。やはり年間を通じて住んでいる人ならではの情報は強いです。

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販売価格を上げるのは難しい

仲介会社の仲介料の上限は売買価格の3%+6万円(400万円超の物件の場合)ですから、仲介会社だってできれば高い値付けをしたいと思うもの。積極的にプラス情報をくれる売主さんには力になりたいという心理が働きます。

筆者が経験した例

ちなみに筆者が住んでいた湾岸のマンションは、査定の高い会社と低い会社では査定額に400万円くらいの差がありました。

その部屋は北向きだったのですが、そのマンションは北側が海に面していて、普通は不人気の北向きの部屋のほうがむしろ人気があったのです。それを知っているかどうかの差が価格に出たようです。

このように特定の情報を知っているかどうかで、価格に差が出ます。プロに任せきりにするのでなく、自分が買う人の立場になって「どんなキャッチフレーズだったらそのマンションに住んでみたいかな?」と想像しながら自分のマンションの「ウリ」を考えてみましょう。

販売価格は売出後に下げることはできても上げることはできませんここで不動産のプロとしっかり相談しながら適正な価格を決めるようにしましょう。

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マンションを売るコツ2.売り出し方法はアナログ作戦が効果的!

販売価格が決まり、仲介会社と媒介契約を結んだら、仲介会社は「売出活動」に入ります。さて、今の時代のマンションはネット検索が中心ですが、意外とアナログな方法で決まることも多いもの。それはチラシのご近所ばらまき作戦です。

身近なところに顧客がいる

実はマンションを売却すると、同じマンションの住民がそれを購入するケースが多いんだとか。自分が住んで気に入っているので、両親や兄弟姉妹を呼び寄せたいというニーズがあると不動産屋さんに聞いたことがあります。そのマンションだけにチラシを投函すればいいので、チラシの枚数もポスティングの労力も少なくて済みます。そのマンションの良さを知っている住民だけに強引な値引き交渉をされることも少ないとのこと。

筆者の体験談

マンションではありませんが、筆者の父親も最近、所有する土地を売却しました。郊外の私鉄沿線で各駅停車しか止まらない駅から徒歩10分ほどの立地でしたので、売却に時間がかかるかなと思っていたのですが、アッサリと希望価格で売れました。買ってくれたのは隣に住むご夫婦で、やはり将来娘夫婦を住まわせたいとのことでした。

もちろん、マンションの売却をご近所さんに知られたくない人もいます。その場合、チラシのポスティングを嫌がるでしょう。しかし、売却を知られても良いのであれば、チラシ作戦は効果的仲介会社がチラシの提案をしないようだったら、こちらから持ちかけてみてください。

マンションを売るコツ3.内覧で聞かれる売却理由もアピールにつなげる!

マンションの内覧時、「この築年数にしては古いし、傷みが激しいな」と思われたら、相手は値下げ交渉をしてきます。少しでも印象をよくするために、室内をキレイに整理整頓し、ピカピカに掃除しておきましょう。

売却理由を気にする顧客もいる

内覧に来る人の対応をすると「失礼ですが、売却の理由は……?」と聞かれることも少なくありません。もしも、住み心地が良くないから売却するのだったら、購入検討者もそのマンションを買いたくありませんからね……。一方、転勤などのわかりやすい理由での売却なら、余計な心配をせずにマンションを購入できます。

筆者の友人の体験談

筆者の友人が中古マンションを購入したときの話なのですが、内覧のときに売主の男性がこんなことを言っていたそうです。「ここは住む人の運気がよくなる部屋でね。僕も転職するたびに大きな仕事ができるようになって給料も上がったし、子どもにも恵まれ、希望の学校にも入れた。ものすごく気に入っているので、本当は手放したくなかったんだけど、しばらく海外で仕事をすることになってね……」

彼女はその話を聞いてそのマンションを買う気になったとか。そして、その部屋は確かに開運部屋で、独身だった彼女も結婚が決まりました。そして、そのマンションを売却するときに同じ話をしたそうです。「前の売主さんからこう言われてこの部屋を買って、自分も幸せになりました。私も本当は手放したくなかったんだけど……」と。

よく考えれば売却理由を聞かれたら「海外転勤です」で済んだ話。言い方ひとつで印象はかなり違うものです。購入希望者にネガティブな印象を与えないような売却理由をあらかじめ考えておきたいものです。

買う側・営業マンの立場になると気が付くこと

ちょっとした一言で数百万の差がつく

この記事では以下の内容を紹介しました。

ほかにも高く、早く売るコツとしては4月の新年度の引っ越しに向け、みんなが家探しをする時期に売出を始めるなど、いろいろなテクニックや心理的アプローチがあります。いずれも「自分が買主だったらどうだろう?」「自分が仲介会社の営業マンだったら、どういう売主の力になりたいと思うだろう?」と相手の立場になることで、自分がとるべき行動がわかってくるでしょう。

また、あまり綺麗ではない中古物件をそのまま売りたいのであれば、こちらのサイトに詳しく掲載されていますので、よかったらご覧ください。

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監修者:鈴木 良紀

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧

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