住みかえ王子

中古マンションを購入するときの流れと注意点、築年数は何年まで?

マンション

目次

プロの不動産鑑定士が、中古マンション購入の際の注意点をまとめました。中古マンションの耐震性や管理の状況などの購入するときの注意点から、建て替えを見据えた余剰容積率の有無の確認という高等テクニックまで紹介します。

中古マンション購入の注意点を解説

中古マンションを購入する人たちが増えています

今、あえて安い中古マンションを購入する若い人たちが増えています。中古マンションは、頭金の他、プラス1,000万円程度のローンを組んでしまえば購入が可能。そのため、ローンの金額が少なければ、老後の資金も余裕をもって貯められます。結果、人生は楽になるのです。

中古マンションが流行り出した背景

日本の住宅市場の中で新築神話が崩壊しつつあります。多くの人が新築にこだわらなくなったのは、鉄筋コンクリート造のマンションの登場が背景にあるからです。従来、日本で住宅と言えば、ほとんどが木造戸建住宅でした。木造戸建住宅は、築20年もすればかなり損傷が激しくなり、実質的な市場価値はゼロとなります。だから過去には、自然と新築の住宅を好む傾向がありました。

木造は新築でないとすぐに価値が落ちた

しかし、鉄筋コンクリート造のマンションの登場によって住宅が長持ちするようになりました。20年程度では躯体はボロボロにはなりません。マンションの税法上の耐用年数は47年ですが、実際は47年を過ぎても、躯体そのものがボロボロになることはありません。

リフォーム技術の進歩

また、リフォーム技術も以前より格段に進歩しています。マンションの専有部だけであれば、リフォームで新築とそっくりにすることも可能です。

中古の住宅探しからリフォームプランまで一か所で相談できるパナソニックが運営しているリアリエ物件リクエストというサービスもあります。リノベーションをしてくれる業者を新たに探す手間も省け、現状の中古マンションを見ながらリフォーム後のイメージがわかるのでおすすめです。

 

いまだに新築神話があるから中古マンションは安い

躯体は長年使え、リフォームで新築のようにでき、なおかつ価格が安い中古マンションは、評価されて当然です。しかし、未だに多くの住宅購入者は「新築じゃないと嫌だ」の消費者心理が一部のには残っています。そのため、中古マンションは新築と比べるとかなり価格は下がります。未だに残る「新築神話」は、マンションを売却したい人には耳が痛い話です。一方、中古マンションを購入したい人にはありがたい話になります。

中古マンション購入:最初にチェックすべき3つの注意点

中古マンション購入時の注意点①:住宅ローン

中古マンションを購入するとき、一番大切なのは資金計画です。無計画に不動産を購入してしまうと、住宅ローンが支払えないなど、後で後悔することになりかねません。

現在の世帯収入や貯蓄額だけではなく、住宅以外の支出の予測(教育費など)を確認することが第一ステップです。それらの情報を基に、借りられる住宅ローンの総額を確認して、支払い可能な月々の住宅ローンの金額を算出しましょう。

ポイント

注意点は、金利に騙されないことです。低い金利をPRしている銀行もありますが、すべての人に低い金利が適用されるわけではありません。金利優遇の条件があるので、自分が条件をずっと満たしているのか確認しましょう。

中古マンション購入時の注意点②:物件の築年数

中古マンションの購入時には築年数も意識してください。築年数で注意しなければいけないのは、耐震性です。とくに昭和56年以前の建物は、旧耐震基準に基づき建てられています。そのため、耐震性が弱い可能性が有ります。もちろん昭和56年以前の建物の全てが、耐震性で劣るというわけではありません。古いマンションでも管理組合が耐震診断を行っている、または耐震補強まで実施しているケースもあります。

それでも、この年代のマンションを購入する時は、売主に耐震診断の結果を要求し、現行の耐震基準を満たしているマンションなのかを確認しましょう。

中古マンション購入時の注意点③:管理費用

中古マンションを購入するのなら、管理費用の内訳にも注意が必要です。とくに築30年以上建っている物件で、不動産販売会社の子会社に管理を一括委託しているマンションは管理費が高い可能性が有ります。やる気のあるマンションの管理組合は、管理会社を販売会社とは無関係の管理会社に管理を切り替えていますそのようなマンションでは管理組合の意識も高く、修繕も適切に実施されているケースが多いです。

古いマンションでは、成り行き管理がされていないかどうかも確認する必要があります。

関連記事

購入前の注意点!中古マンションの余剰容積率を確認

中古マンションの容積率の消化状況を確認

立地が良くて、どうしても気に入った中古マンションを購入したい場合は、一つ大きなポイントがあります。それはその中古マンションが余剰容積率を持っているかどうかです。中古マンションはいずれ建替えを行いますが、マンションの敷地には建築可能な床面積を決める容積率が決まっています。

中古マンションの中には、容積率を消化しきっていない建物がたまに存在します。このような条件の中古マンションなら、余剰床を分譲(販売)して建て替え費用に充当できるため、マンションの建替えがスムーズに進むのです。

余剰容積があれば中古マンションも建替えられる

マンションの建替えには、区分所有者の5分の4以上の賛成が必要です。そのため、非常に難しいのが現状でしょう。しかし、建て替えに成功している中古マンションも存在しています。建て替えに成功したほとんどは容積率が余っていたマンションです。区分所有者は建て替え費用を捻出したり、建て替え中に引越したりするので、痛みを伴います。そのため、新しいマンションで第三者に余った分譲床を売ることができれば、資金負担が軽くなり合意形成が図れるのです。

将来の新築マンションを安く購入したようなもの

立地が良く容積率の余っているマンションを安く購入できれば、将来的にその立地で新築マンションに住める可能性も高いです。これだけお得になるのなら、中古マンションの購入時には、容積率の消化状況を仲介会社に確認したほうが良いでしょう。

関連記事

中古マンションの購入前に売却の予定は?

中古マンションを購入される前に、今のお住まいを売却する予定はありますか?新築神話が崩壊したとお伝えしましたが、立地条件がよければ古い家も売れる時代です。今の家の売却も進めてみてください。

中古マンション売却時の注意点。まずは一括査定!

家を売るためにカンタンなのは一括査定サイトで売却の見積価格をいくつかの会社に出してもらうこと。おすすめの不動産一括査定サイトは3つあります。1つは大手不動産会社6社が運営し、業界で最も知名度がある「すまいValue」。三井のリハウスや住友不動産など、大手不動産会社にまとめて査定が依頼できるサービスです。

すまいvalue 公式ページ

2つ目はLIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約2,800社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。

3つ目は「買取博士」。中古マンションの買取に特化したサイトで、査定はもちろん無料。大きな特徴として、不動産売却時の大きな費用となる「仲介手数料」も無料です。築年数が経つと当然マンションは経年劣化するので一般のお客様に売却するのが難しい状態になりますが、買取博士ではどんな状態のマンションでも買取が可能なのでぜひ無料相談をしてみてください。 

 

中古マンション購入のための注意点:まとめ

以上、中古マンションを購入する際の注意点について見てきました。

耐震性や管理の状況は資産価値に影響します。また戦略的には余剰容積のある中古マンションを購入して、将来の新築マンションを得る権利も安く購入したいところです。賢く中古マンションを購入して、人生を楽にしましょう。

監修者:鈴木 良紀

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧

モバイルバージョンを終了