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瑕疵保険の4つの注意点:住宅リフォーム前に知るべき知識

リフォーム打ち合わせ

目次

リフォームにかかる費用は決して安くありません。せっかくリフォームをしたのにトラブルがあったら?そう考えるだけで不安になる人も多いでしょう。

そんな不安の解消に役立つのがリフォームの瑕疵保険です。万が一リフォーム工事に欠陥(瑕疵)があった場合、さまざまな補償をしてくれます。この記事では、リフォームの瑕疵保険とは何か?そのメリットと知っておくべき4つのデメリットを詳しく解説します。

リフォームの瑕疵保険とは?

リフォームの瑕疵保険とは、リフォーム工事を実施した部分について、欠陥を見つけるための検査費用と補修費用が補償される保険のことです。欠陥が見つかったときに補償をしてくれるため、リフォーム工事のリスクを少なくして安心を得たい人にとっては最適な保険と言えます。

リフォームの瑕疵保険に加入すれば、専門の検査員がリフォーム工事の内容の検査をおこないます。リフォーム工事前だけでなく、工事終了後に欠陥が見つかった時や、工事の途中でリフォーム会社が倒産してしまった時に、損害分の費用を受け取ることも可能です。ただし、保険金支払いには限度額があるので、その点には注意してください。

リフォームの瑕疵保険を利用したい場合は、「リフォームの瑕疵保険に加入しており住宅瑕疵担保責任保険法人に登録されているリフォーム会社」の中から施工業者を選びましょう。リフォーム会社が瑕疵保険に加入していない場合、施工主から加入を依頼する必要があるので、この点については後述します。

リフォームの瑕疵保険のメリットは?

では、瑕疵保険のメリットは以下の通りです。

  • 第三者がチェックする
  • リフォーム会社倒産時の保証がある
  • 瑕疵があっても安心できる

第三者がチェックする点

工事内容の検査をおこなうのは、加入する保険法人が派遣した第三者の検査員です。リフォーム中や工事完了後に、専門の検査員が建物を実際に見て検査します。つまり、リフォーム会社ではない第三者が検査をおこなうため、監視の目が期待できるということです。

瑕疵保険があればリフォーム会社倒産時の保証がある

リフォームの瑕疵保険は、工事途中でリフォーム会社が倒産してしまった場合にも補償があります。またリフォーム後に欠陥が発見され、リフォーム会社が倒産してしまっている場合も、保険会社に補修費用の請求が可能です。そのため、リフォーム会社が小規模な工務店であっても、リフォームの瑕疵保険があることでリスクを回避できます。

瑕疵があっても安心できる点

リフォーム工事に欠陥があるかどうかは、専門的な知識を持った検査員が証明してくれます。検査員とリフォーム会社の間には利害関係がありませんので、欠陥があれば隠すことなく証明してくれ安心です。

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リフォームの瑕疵保険の注意点(デメリット)

リフォームの瑕疵保険の注意点の注意点(デメリット)は以下の通りです。

  • 保証期間が短い
  • 工期が延びる
  • 保険料がかかる
  • 保険の対象となる工事が決まっている

瑕疵保険は保証期間が短い

リフォームの瑕疵保険の保険期間は有限で、基本的には5年間、または1年間です。保険期間が5年間となるのは、「構造耐力上主要な部分」、「雨水の侵入を防止する部分」についての工事のみです。たとえば屋根裏をロフト空間へ変更する、開口部を拡大するなどといった工事が該当します。

それ以外のリフォーム工事については、保険期間は1年間です。たとえばコンクリート部分の補修、水回りのリフォームや、和室から洋室への改修などが該当します。このようにリフォームの瑕疵保険は、新築住宅の住宅瑕疵保険に比べて、保険期間が短い点に注意しましょう。

工期が延びる

リフォームの瑕疵保険を利用すると、検査によって工事期間が延びてしまう可能性があります。基本的に悪天候の日には検査ができませんし、検査が複数回に及ぶと入居日が予定より遅れてしまう可能性もあるでしょう。

瑕疵保険には保険料がかかる

リフォームの瑕疵保険は施工主が加入するものではなく、工事をおこなうリフォーム業者に加入する必要があります仮にリフォーム業者が瑕疵保険に加入していなかった場合、業者に依頼してリフォーム瑕疵保険に加入してもらわなければなりません。

その際の保険料は、リフォーム業者と施工主側のどちらが支払っても良いことになっています。実際は施工主が全額負担するケースがほとんどですが、リフォーム業者と施工主側で保険料を分担することもあります。具体的な保険料は次のとおりです。

保険料+検査料の例

  • キッチンの交換工事(保険金支払限度額100万円):検査数1回で約3万円
  • 外壁の改修(保険金支払限度額200万円):検査数2回で約5万円

リフォーム業者が保険料を負担しない場合、自分で保険料を支払う必要がありますので注意しましょう。

監修者から:保険料の負担についてはリフォーム会社が負担することになってもその保険料はリフォーム会社にとっては「工事原価」です。よって、施主にとっては結局支払う工事代金に上乗せされることになります。したがって保険によるメリットを受けるためには、支払い当事者が工事会社や施主であっても、メリットを受ける施主が実際に費用を負担することになるのです。

工事の料金の例

https://www.jio-kensa.co.jp/insurance/reform/common/pdf/RE1005-13_2019_08.pdf

参考:JIOリフォーム瑕疵保険料金表

瑕疵保険は対象となる工事が決まっている

リフォームの瑕疵保険では、保険の対象となる工事が決まっています。保険の対象となる工事は、今ある住宅の一部または住宅と一体となった設備にかかる工事です。解体工事や外構工事などは保険の対象とはなりません。また、住宅の種類・規模によっても保険の対象となる範囲が異なり、住宅の種類は戸建住宅と共同(併用)住宅に分けられます。

戸建住宅の場合は規模による保険の対象となる違いはありませんが、共同住宅の場合は、規模によって保険の対象となる工事の範囲が異なるのです。具体的には「階数3以下かつ延べ床面積500㎡未満」であれば、保険の対象は専有部分と共用部分の両方ですが、「階数4以上または延べ床面積500㎡以上」の場合は、専有部分のみが保険の対象となります。

まとめ:瑕疵保険は、注意点も理解したうえで判断!

この記事では以下の内容を紹介しました。

リフォームの瑕疵保険は、リフォーム工事をおこなった住宅に欠陥が見つかった場合に保険金を受け取れる保険です。保険金は補修費用に充てることができます。第三者の検査が入る・リフォーム会社の倒産にも対応している・欠陥があっても費用を心配せずにすむなど・安心できる点が多くあります。

ただし、リフォームの瑕疵保険には、保険期間が短い・工期が延びる可能性がある・保険料の支払いが必要・保険の対象となる範囲が決まっているなどの注意点もあります。メリットが多いリフォームの瑕疵保険ですが、注意点も理解したうえで判断しましょう。

監修者:鈴木 良紀

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧

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