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マンションの建て替えはこうして行われる:建て替えの流れと注意点

マンション

目次

老朽化がすすんだマンションは、改修や更地化ではなく建て替えの選択がとられる場合があります。すると、建て替えの費用負担がどうなるのか気になるのではないでしょうか。

この記事ではマンションの建て替えの流れおよび建て替えの際の費用負担について解説します。建て替え予定のマンションを購入するメリットやデメリットについても触れていますので、これから中古マンションを購入する予定の方は、ぜひ参考にしてくだい。

老朽化したマンションは必ず建て替えるの?

マンションは建築後の年数によって必ず建て替えなければならない。そのような法律はありません。マンションの建て替え理由のほとんどは老朽化であり、建て替えられるマンションの多くは築後30~40年のものが多いです。

とくに40年以上前に建てられたマンションは耐震基準が古く、適切な修繕が行われていないため、建て替えられるケースも少なくありません。また、コンクリート自体の傷みよりは、コンクリートの中を通る配管に損傷があるものの、交換不可能で建て替えるしかないといったパターンもあります。どちらにしろ建物の状態によって判断されるので、マンションの建て替えは一概には言えないのです。

マンションの建て替えが決まるまでの流れ

マンションの建て替えがすすむには、大きく分けて以下の3つの段階があります。

  • 建て替えるかどうかを検討する段階
  • 建て替えるかどうかを決める決議
  • 実際に建て替えをすすめる段階

マンション建て替えまでの流れ①:建て替えの検討

建て替えは住民(区分所有者)の意思で決定されます。しかし、建て替えないと住めない状況か、修繕でなんとかなるかといった判断には専門的な知識が必要になります。

まずは「建て替えが必要か」といった議論を行うわけです。その議論は、理事会に議題として取り上げたのちに、管理組合全体の問題として話し合われます。マンションの総会などで専門家の意見を聞きながら話し合っていきます。

マンション建て替えまでの流れ②:建て替えるを決める決議

話し合いを進めて、最終的に建て替えるかどうかの決議をとります。とはいえ、「どんな風に建て替えるか」「費用負担はどうなるのか」「賛同しない場合はどうなるか」といった議論をなしに、建て替えについてYesかNoを判断することは難しいです。

そのため、建て替えを前提とせずに建て替え計画を作り、それをもとに決議が行われます。決議の前の段階で間取りや設備についての住民の希望を盛り込んだ建て替え計画を作るわけです。最終的な建て替えの決定には「住民の5分の4以上の賛同」が必要になります。

マンション建て替えまでの流れ③:建て替えが実際に始まる

決議で5分の4以上の賛同があれば、実際に建て替えをすすめていきます。住宅ローンが残っている場合、建て替えが起こったからといって返済が不要になるわけではもちろんありません。建て替えに伴って、抵当権の引き継ぎを行うことになります。抵当権とは担保のこと。住宅ローンとしてお金を借りる際の担保として土地と住宅が設定されています。建て替えるとその住宅が変更になるわけですから、抵当権を移す必要があるのです。

ポイント

建て替え中は仮住まいを自身で探す必要があります。高層マンションの場合は2年ほどの仮住まい期間が必要になるでしょう。基本的に仮住まいへの引っ越しやその間の家賃は自己負担です。マンションが完成したら、再入居が始まります。

マンションの建て替えに関わる住民の費用負担

マンションは建て替えのために積立金を設けているわけではありません。そのため、建て替え費用は住民負担となります。世帯あたりの住民の負担金額は1,000万円から2,000万円となることが多いです。非常に高額なため、建て替えが検討されても5分4の賛同を得られることはほとんどありません。基本的には建て替えに大きな住民負担があります。かなり幸運なケースですが、住民負担なく建て替えが行われている実例もあります。

それは、建て替えに伴って、物件の戸数を増やし、その分譲費用で建て替え費用をまかなうというもの。ただしこの方法はどのマンションでも行えるわけではありません。マンションには、容積率といって、敷地面積に対して建ててよい建物の床面積が用途・地域ごとに定められているからです。十分な敷地があって、高層化もでき、なおかつ買い手が見つかりやすい立地のよさという3つの要素が合わさって初めて実行可能なわけです。

いたずらに戸数を増やしても、買い手が見つからなければ自分たちの部屋を狭くしただけで終わってしまいます。つまり、建て替えは、利益が見込める場合でないと非常に実現する可能性は限りなく低くなるわけです。

マンションの建て替えが決定した後の選択肢

たとえ自分が建て替えに反対していても、5分の4の賛同があれば建て替えは行われます。建て替えが行われると決まったら、再入居か売却かを選ぶことになります。大きな費用負担を避けるために売却して、別の中古マンションを購入するといった選択をするのは自然なことです。

新築時ならまだしも、入居の時点で築年数が経っているものに入居するのなら、将来的に建て替えの話が出たらどうするかは考えておく必要があるでしょう。

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建て替え予定のマンションを購入するメリット・デメリット

建て替えが決まっているマンションをあえて購入するメリットはとくにありません。しいて挙げるとすれば、建て替えにともなう住民の費用負担がゼロ、または少ない場合には購入費用よりも価値が高いマンションをお得に手にできるかもしれません。ただ、建て替えが行われること自体が稀なので、そのような幸運を期待することは、あまり意味がないでしょう。

デメリットはやはり、建て替えに伴う費用負担があることです。たとえ入居期間が短くても、費用負担は平等に発生するからです。また、引っ越しや仮住まいを探す費用も必要になるといったデメリットもあります。

監修者から

建て替えを行うと築古のマンションが新築マンションになるという事です。これによってご自分が所有するお部屋の価値も築古から新築へ劇的に上昇することなります。この上昇による利益と区分所有者が建て替えの際に負担する金額を比較し、利益が大きければ建て替え後価値の上がったお部屋を売却する選択肢があります。建て替え予定のマンションは新築に建て替わったいくらの価値が出そうなのかをまず検討して方向性を決めるとよいでしょう。

マンション建て替えの流れ:まとめ

この記事では以下の内容を紹介しました。

監修者:鈴木 良紀

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧

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