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初めての不動産売却では、手順や準備をすることなど何もわかりません。あとでいきなり「え!そんなのいるの!」ということもあるかもしれません。どんな事前準備が必要なのか不動産のプロに聞きました。
読者からの質問
売却依頼をするにはどのような準備をしたらいいのですか?
不動産のプロからのアドバイス
準備のステップは3つ、事情整理、業者選び、書類の用意
初めに売主の事情の整理しましょう。売却に至る事情は人それぞれです。漠然としがちなその事情を不動産の売却にあたり明確にしておく必要があります。
事情というのは例えば
- 期間…いつまでに売却したいのか?
- 金額…最低いくらぐらいで売りたいか?
- 近隣問題…敷地の境界線問題など
転勤や買い替えであれば、売却までの期間には制約のある場合が多いです。
売却代金を買い替えの頭金にしたい場合や、任意売却のように抵当権の関係がある場合には、売却価格について最低額等があるでしょう。
また、近隣関係やあいまいな隣地境界の懸念など、普段生活している時には気にならない諸問題についても、売却前にクリアにしておくことが望ましいです。特に境界紛争はこじれて長引くことも珍しくないので、思わぬ時間のロスを背負い込む恐れがあります。
こういった様々な事情を整理して、媒介業務を担当する不動産会社へ明確に説明できるようにしておくと良いでしょう。
一番重要な業者の選定
売却を依頼する不動産会社の選定です。すでに信頼できる不動産会社を知っていたり、信頼できる筋から紹介を受けられるというなら良いです。
安心できる査定をご希望の方は、大手不動産6社が運営している「すまいvalue」がおすすめです。集客力が高く、すでに獲得している購入希望者の「顧客名簿」が豊富にあります。保有する顧客の中からも候補者を探してくれるので、早期売却につながります。
しかし平素から不動産会社と懇意にしているという人はそう多くはないでしょう。多くの人は一から業者探しをする事になります。業者探しをする際に便利なのは、昨今増えてきた一括査定サービスです。
これは各サイトで用意されている専用フォームへ物件情報を入力・送信することで、複数の業者へ簡易査定を一括依頼できるというものです。査定対象の物件種別(マンションや戸建等)やその地域を得意とする業者が登録しているので、リアクションのあった業者には一定の期待を持てます。
そのほか、そのエリアで活発に営業活動をしている中堅業者や大手へ個別に簡易査定を依頼するのも良いです。その中から任せられる業者を選定する事になります。
必要書類の準備
不動産会社へ売却を依頼する場合、まずは『媒介契約』(ばいかいけいやく)を結びます。所有者がその不動産会社へ売却を依頼したという契約書です。販売方法や報酬などが記載されます。これは締結するよう法律で定められた契約です。
媒介契約には3種類の契約タイプがあります。不動産会社とよく相談をした上で選択します。
媒介契約を結ぶ際に必要な書類は以下の通りです。
- 身分証明書(マイナンバーカード・運転免許証など)
- 住民票
- 印鑑(実印の場合は印鑑証明書添付)
- 権利関係書類(権利証・登記識別情報等)
- 建物関連書類(購入時の契約書類一式・各種評価書&報告書など)※あれば
なお、共有で所有している場合には全員分が必要となります。実印については、法的には媒介契約への押印は認印でも構いません。高額な資産の売買に関わる契約書ですので、実印を請求する不動産会社も多いです。
建物関連書類は「物件状況報告書および設備表」という書類の作成にも必要です。
媒介契約時に必須ということはありませんが、あった方が何かと良いでしょう。
その他、不動産会社から依頼された書類について取り揃えることになります。