目次
これから不動産の売却を検討している方に向けて、不動産買取の流れについて詳しく解説しています。
通常の仲介の流れは知っていても買取の流れは詳しくない。そんな方も多いのではないでしょうか。記事の最後におすすめの買取業者も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
不動産仲介と不動産買取の違い
不動産を売却する方法には、仲介業者に間に入ってもらって一般の方向けに販売を行う「不動産仲介」と、買い取りを行っている不動産業者に直接買い取ってもらう「不動産買取」の2パターンがあります。
不動産買取は、仲介のように買い手がつくのを待つのではなく、直接業者に買い取ってもらうので短期間で手元にお金が残せるメリットがあります。早ければ1週間ほどで契約を結べます。
買い取られた不動産は一度リフォーム
また、買い取られた物件は不動産業者がリフォームしてから一般に売りに出されますので、自身ではリフォームする必要がありません。現状では買い手がつきづらいような古い物件でも買い取ってもらえるのも不動産買取のメリットです。不動産買取では仲介のように広告を出すこともないので、基本的に経費がほとんどかからないのも特徴となっています。
不動産を売却するとき、なるべく早く手元にお金が欲しいまたは建物が古くてそのままだと買い手が見つからない。そんな物件なら不動産買取が良いです。逆に築浅でそのまま住めるような物件であれば、買い手も早めに見つかりますので不動産仲介で売りに出すのが基本となります。
買取のメリットはたくさんあります。
- 大きく売却後の責任が免責される
- お部屋を見せる内覧対応不要
- 現状のまま売却が可能
- 近所の方に知られずに売却可能仲介料がかからない
また、買い替えは引っ越しのタイミングが難しくなるのですが……この点も買取なら決済後に2週間程度引き渡しの猶予が出来るので、仮住まいを用意する必要が無くてお得です。
個人への売却は、購入者が住むために購入しているので引き渡しを猶予するのは難しいのですが、買取は業者が居住ではなく、リフォームする事を目的に購入しているのでこのような便宜が図れるのです。
不動産買取の流れを5ステップで紹介
スピーディな取引ができることが特徴の不動産買取は、主に以下のようなステップですすんでいきます。
不動産買取の流れ①:自分の物件の相場を調べる
いきなり査定を依頼するのではなく、まずは自分で物件の相場を把握することが重要になります。その理由は、いくら査定を行ったとしても提示された金額が高いのか安いのか分からないかぎりは判断のしようがないからです。
買取を行う不動産業者としてはなるべく安く買い取りたいものですから、自身の希望金額の根拠としても相場の把握は必須です。
不動産買取の相場を調べるときは
物件の相場を調べる上でヒントとなるのが「自宅と条件が似ている物件がいくらで売れたか」です。この情報はネットで調べられます。たとえば「レインズマーケットインフォメーション」というサイトでは物件が実際にいくらで買い手が見つかったかを表す「売却価格」が分かるようになっています。実際の売値が分かるので参考にしやすいです。
また手っ取り早く相場が知りたいときに便利なのは「Howma」というAIで自動的に売却価格の目安がチェックできるサイトです。詳細に条件を絞りこむことはできませんが、住所、築年数、延床面積、土地面積、建物階層、建物構造、間取りなどを入力するだけで、自動的にいくらで売れそうかを算出してくれます。延床面積(のべゆかめんせき)とは、建物の各階の床面積の合計のことです。
Howmaは、まだ売却予定はないけれど、将来的に売るかもしれないときなどに手っ取り早く相場を知るのに向いています。使い勝手の良いサイトですが、どのように価格が計算されているのかは分からないので、あくまで参考程度にするとよいでしょう。
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不動産買取の流れ②:査定依頼
サイトで物件の相場をある程度把握したら、次は実際に不動産買取業者に査定依頼を出します。
不動産買取では、不動産業者が直接物件を買い取りますので、査定価格がそのまま売却価格となります。不動産買取において査定依頼は最も重要なステップと言えるでしょう。
ここで注意すべきなのは、複数の業者に査定依頼を出すことです。査定価格がそのまま売却価格となるので、必ず複数の業者に査定してもらうようにしましょう。
簡易査定と訪問査定
査定の方法には「簡易査定」と「訪問査定」の2パターンがあります。簡易査定は、各不動産業者のフォーマット上で不動産情報の入力を行い簡易的に査定してもらう方法です。ネット上で完結するので便利ですが、実際の査定価格とはどうしても多少ズレが起こります。
「訪問査定」は文字通り実際に物件に訪問してもらって詳しく査定してもらう方法です。この際の査定額がほぼ買取金額となります。もちろん立ち合いが必要ですし、直接やりとりするので時間と手間がかかります。
物件の売却をするのなら最終的に訪問査定は必須となります。訪問査定は、簡易査定で高値をつけてくれた数社に絞って依頼するとよいでしょう。
不動産買取の流れ③:不動産業者の選定
複数の業者に提示してもらった査定金額をもとに、最終的にどの業者に買取を依頼するかを決めていきます。
基本的には査定金額が高いところに依頼すればよいでしょう。しかし、いくつか注意点もあります。たとえば査定金額が突出して高いところは、会社としての実績がきちんとあり、信用できる業者かをチェックすることをおすすめします。
たとえば、あとから実際に契約する段階になって新たな手数料が出てくるなどのトラブルが起きることがあるからです。
仲介業者が買取業者を紹介してくれたパターンの場合は、直接買取業者とやり取りする場合とちがって仲介手数料が発生してしまいますので、この点も注意してください。
不動産買取の流れ④:物件の引き渡し条件を決めて契約を結ぶ
引き渡しまでのスケジュールや、その後の流れも含めて決めていきます。細かな点で言えば、家具は残していいのか、その場合は処分費用がかかるのかどうかといったところまで詳しく決めておくことが後々のトラブルを避ける上で重要になります。
少し手間がかかるところではありますが、しっかりと確認しておきましょう。とくに入金日はトラブルになりやすい点なので確認を忘れないようにしてください。
また、売却には必要な書類がたくさんあります。なるべく早く契約をすすめたいのなら、用意できるものは早めに用意しておくようにしましょう。
不動産買取の流れ⑤:譲渡所得(=もうけ)が出たら確定申告
不動産を売却すれば大きなお金が手元に残ります。会社員でも自営業でも関係なく、利益が出れば確定申告が必要になります。しかし、すべての場合で確定申告が必要なわけではありません。
不動産を売却するにあたっては、まず土地や建物の購入費や売買の際に支払った費用などさまざまな経費がかかっています。それらを差し引いて残った利益(=所得)に対して税金がかけられるのです。極端な例で言えば不動産を売却して1億円を得たとしても、購入費用や経費で2億円かかっていて赤字となるならば、確定申告は不要で、もちろん税金はかかりません。
不動産の売却については、条件つきで適用される「特別控除」というものがあり、所得からさらに特別控除を差し引いた金額が、実際に課税対象となる金額となります。確定申告が不要なケースも多いので、このことはぜひ覚えておいてください。
おすすめの不動産買取サービス
買取を申し込むのであれば、買取を専門としている業者がおすすめです。とくにおすすめしたいのは、買取博士。
- 手数料なし
- 買取後の責任やリスクなし
- 査定はもちろん無料
上記のように買取してもらう側のメリットがたくさんあります。自分の物件が買取に向いているのかわからない……そんな方の相談にも乗ってくれる頼れるサービスです。
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まとめ:買取に出すべきかわからないときも、まずは相談
この記事では以下の内容を紹介しました。
不動産買取の流れを理解していただけたかと思いますが、最初に決めるのは仲介を通じた売却にするのか、買取にするのかです。もしも決まらないのであれば、不動産会社に相談をしても良いでしょう。あなたの物件がどちらに向いているのか、適切な答えを教えてくれます。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧