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東京オリンピック選手村のマンション価格:実は格安?

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東京オリンピック選手村のマンション価格:実は格安?

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1年の延期を経て開催された東京オリンピック。不動産業界では選手村の跡地に新たに建つ高層マンションとその周りの分譲・賃貸住宅などで形成される「晴海フラッグ」に注目が集まっています。この記事では「晴海フラッグ」が注目を集める理由や、マンションとしてのスペックなどについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

晴海フラッグとは何か

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晴海フラッグは東京都中央区晴海にある東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地で行われる都市開発プロジェクトです。プロジェクト名ではありますがいわば新しい街の名称のように使用されることが多いです。

オリンピック・パラリンピックに選手村として使用された建物は、取り壊すのではなく改修をしてマンションとして転用されます。晴海フラッグは18ヘクタールにも及ぶ広範囲で行われるプロジェクトで、単なるマンションではなく周辺に公園や区立小学校、中学校、保育園、大型商業施設などが整備される予定となっており、これが晴海フラッグを住宅地ではなく街と位置づける理由となっています。

晴海フラッグのシンボルとなる地上50階建てのタワーマンションを除き、SEA VILLAGE、SUN VILLAGE、PARK VILLAGEと呼ばれる3街区に分かれて提供される分譲マンションは既に2019年12月には建設が完了しています。晴海フラッグにはタワーマンション分も含めると、分譲・賃貸合わせて23棟、計5,632戸の住宅が建設されます。

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選手村のマンションが注目される理由はお得感にあり

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晴海フラッグの各マンションは、価格発表が行われた後にオリンピックの1年延期が決まりました。その結果引き渡し時期が遅れることになり、販売も一時中止されました。晴海フラッグのマンションは第一期分譲期から非常に高い人気を見せ、その熱はいまだに冷めていません。

選手村マンション晴海フラッグが安い理由

その大きな理由はマンション価格の安さにあります。晴海フラッグの土地は、もともと東京都から払い下げられた土地です。そのため、土地の仕入れ価格が安かった特徴があります。土地の価格はそのままマンション価格に反映されますので、選手村のマンションは販売価格を同様のスペックのマンションよりも抑えることができるのです。晴海地区と同じ東京都中央区のマンションと比べても際立っています。

晴海フラッグに建設されるマンションの予定の坪単価は300万円前後ですが、2021年5月に東京23区で発売されたマンションの平均坪単価は、約400万円でした。3/4です。晴海フラッグがいかに安いかがお分かりになるでしょう。

選手村マンション:駅からは遠い

また、安さの秘密は立地にもあります。晴海フラッグは東京23区の中央区にあり、東京駅までは約4.5キロ、銀座駅までは約3.1キロと好立地です。しかし、唯一駅からの距離にはネックがあります。晴海フラッグの最寄り駅の都営大江戸線「勝どき駅」までは徒歩で約20分と近くはありません。所在地としては申し分ないものの駅からの距離は遠く、このことも晴海フラッグの価格がお得な理由になっています。

しかし交通機関利用上のデメリットも2022年度以降は小さくなる見込みです。2022年度には都心と晴海のような臨海地域を結ぶバスの高速輸送「東京BRT」の本格運行が始まるからです。これは虎ノ門・新橋への運行ルートを予定しており、都心へのアクセス向上が期待されています。

そして現在、都心部のマンション価格は上昇傾向にあります。それは新型コロナウイルス感染拡大を受けても変わりませんでした。晴海フラッグはオリンピック・パラリンピックの延期を受けて一旦販売が中止されましたが、販売が再開されてもその価格は販売中止前の水準に据え置かれています。つまり、元々土地の仕入れ値が安い、駅から遠いといった理由で販売価格が安い中、周りのマンションの価格は上がっていることでさらにお得感が増しているのです。

ポイント

勝どき駅周辺の新築物件は70平方メートルで8,000万~9,000万円前後なのに対し、晴海フラッグであれば6,000万円台から同じ広さの部屋を購入できます。

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選手村マンション:販売再開は2021年秋

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この記事では以下の内容を紹介しました。

物件の見学会は2021年8月から再開されています。そしてSUN VILLAGE第一工区第1期とSEA VILLAGE第2期の販売を2021年11月中旬に、PARK VILLAGE第一工区第2期の販売が2022年3月下旬に開始される予定です。入居時期はいずれも2024年3月下旬となっています。建物自体はすでにありますが、オリンピック開催時に工事を中断し、いったん選手村として使用、その後に工事を再開した関係で、竣工は2023年秋となります。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧