目次
プロが注目するのはこの2つだけ
1.REINS Market Information
不動産のプロが不動産を売ろうかなと思ったときに真っ先にアクセスするのは「REINS Market Information」でしょう。売りたい物件近くの似たような物件がいくらで、いつ頃売買成立したのか等のデータが分かるため、何円ぐらいで売れるのか予想することができるのです。
REINS Market Informationとは?
REINS Market Informationとは、全国の不動産会社が閲覧している「REINS」のデータが反映されているネットワークシステムです。本来であれば、REINSのデータは不動産会社しか閲覧できませんが、REINS Market Informationを利用することで一般の方も見られるようになります。
REINS Market Informationのメリット
REINS Market Informationのメリットは以下の点です。
- 成約事例を調べられる
- 不動産会社と同じような情報を得られる
近くの不動産売買の成約事例を調べられる
不動産会社が閲覧できるREINSは、過去の成約事例のほかに「現在の売り出し物件」も確認することができます。
ただ、REINS Market Informationは成約事例だけしか確認できません。とはいえ、相場を見極める上では成約事例だけで十分なので問題ないといえるでしょう。売ろうと思っている物件と近いエリアの似ている不動産がいくらで過去に成約したかを調べることができます。
不動産会社と同じような情報を得られる
そもそも、不動産会社が査定価格を算出するときは、REINSで周辺の「成約事例」を調べます。査定する物件と条件の近い成約事例をピックアップし、その物件価格を参考に査定価格を算出するという流れです。
つまり、REINS Market Informationを利用して成約価格を調べるということは、不動産会社と同じような情報を得られるというメリットがあります。
REINS Market Informationのデメリット
一方、REINS Market Informationには、以下のようにREINSほど正確な情報は得られないというデメリットがあります。
- 検索エリアが広い(「都心5区」など)
- 住所が特定できない(丁目以降がない)
- 成約日は2か月刻み
REINS Market Informationは誰でも閲覧できてしまうので、上記のように物件が特定できないようになっています。そのため、REINSほどは正確なデータではないので、その点はデメリットといえるでしょう。
2.土地総合情報システム
2つ目の調べ方は、土地総合情報システムを利用するという方法です。この点に関しては以下を知っておきましょう。
土地総合情報システムとは?
土地総合情報システムとは、国土交通省が運用するシステムです。土地総合情報システムにアクセスして、調べたい物件種類(マンションや土地など)を指定し、地図上をクリックするとその付近の成約事例を確認することができます。
土地総合情報システムのメリット
土地総合情報システムのメリットは、REINS Market Informationと同じく成約事例を確認できる点です。従来、不動産会社以外は成約事例を確認できませんでしたが、REINS Market Informationと土地総合情報システムができたおかげで、一般の方も確認できるようになりました。
土地総合情報システムのデメリット
一方、土地総合情報システムのデメリットは以下の点です。
- アンケートがベースになっている
- 事例が少ない
まず、土地総合情報システムは国土交通省が成約者に対してアンケートを行っており、その情報が基になっているのでREINS Market Informationよりは不正確といえるでしょう。また、アンケートが返ってこない物件もあるので、事例が少ない点もデメリットです。
ただ、REINS Market Informationも土地総合情報システムも検索は簡単なので、両方で検索して相場を調べてみることをおすすめします。
一般の人も使いやすい相場の調べ方
3.売り出し中の不動産ポータルサイト
3つ目の調べ方は、不動産のポータルサイトを利用するという方法です。この点については以下を知っておきましょう。
不動産ポータルサイトとは?
ポータルサイトとは、SUUMOやHOME’Sなどのように、現在売り出している物件を閲覧できるサイトになります。前項までのREINS Market Informationと土地総合情報システムは「成約事例」を調べることができましたが、ポータルサイトでは売り出し事例を調べることができます。
ポータルサイトのメリット
ポータルサイトのメリットは、まさに今売り出している物件を調べられる点です。最新の情報になるので、市況の変化や需給バランスも「今」の状況を反映しているといえます。
路線ごと、市区町村ごとに検索できて、一般の人には使いやすいサービスでしょう。
ポータルサイトのデメリット
一方、ポータルサイトのデメリットは「売り出し価格」しか分からないという点です。というのも、マンションに限らず中古不動産の売却時は値引き交渉されることが多いです。
そのため、売り出し価格は相場より少し高めに設定されるケースが大半になります。
つまり、ポータルサイトに掲載されている価格は相場とは少々違う可能性があるので、その点を加味して相場価格を算出する必要があります。
4.不動産査定サイト
前項までは、自分でデータを集め相場を調べる方法でしたが、さいごに査定サイトを利用する方法を解説します。査定サイトは不動産会社に査定依頼するサイトなので、自分で調べるというよりはプロに相場を調べてもらうことになります。
上述した方法で自分なりに相場を調べつつ、最終的にはプロに査定依頼しましょう。そうすれば、査定結果と自分なりに調べた相場を比較できるので、信用できる不動産会社も見極めやすいです。査定サイトは色々とありますが、AI査定や一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
AI査定とは
AI査定は文字通りAIが査定する不動産査定サービスです。住所、戸建てやマンションなど物件の種類、築年数、広さなどを入力するとメールで査定額が届くでしょう。
メリットは手軽で、不動産会社に物件の情報が残ることはありません。デメリットはやはり不動産のプロが細かく確認していないところでどこまで相場に近づいているのかが分かりかねるところです。
その正確さについては、正確なところは分かりかねますが、一応近くの不動産物件売買情報はコンピューターに学習させて算出していると思われます。HowMaなどが有名です。
一括査定サイトとは?
一括査定サイトとは、簡単な入力作業で複数社に査定依頼できるサイトです。査定依頼するときには、物件の所在地・築年数・広さ・構造など、詳細な情報を不動産会社に伝える必要があります。
一括査定サイトなら、一度それらを入力するだけで複数社へ同じ情報が伝わるので、一括で査定依頼できるというわけです。
一括査定サイトのメリット
一括査定サイトのメリットは以下の点です。
- 手軽に時間をかけずに複数社へ査定依頼できる
- 「査定できる不動産会社」を探す必要もない
要は、一括査定サイトを利用すれば、複数社へ査定依頼するときも時間がかからないということです。逆に、一括査定サイトを利用しないと個別に査定依頼する必要があるので、手間がかかり面倒です。
一括査定サイトのデメリット
では、家を売りたいのならばすぐに一括査定サイトで見積もりを出してもらえばいいかというとそうではありません。見積もり額は、契約欲しさに相場から乖離した高い額を言う不動産会社はたくさんあるのです。
そのため、一括査定サイトを使う前に何か他の方法でだいたいの目安金額ぐらいは調べておきましょう。信頼できる不動産会社を見抜くためのコツです。
一括査定サイトはすまいvalueやHome’Sが有名です。
不動産査定の方法
不動産売買を任せる担当者を選ぶためにも知っておこう
このように、不動産関係者はマンションの相場はREINS Market Informationと土地総合情報システムで過去の成約価格を調べます。
難しければ、ポータルサイトで売り出し価格を確認しつつ、手軽な査定サイトを利用して不動産会社に査定依頼するという流れです。信頼できる不動産会社を見抜くためにも、売主側もある程度の知識があるに越したことはありません。