目次
中古マンションを購入する時に重要なこと
築年数によるデメリットを知る
まずは、築年数が経過することで、中古マンションは以下のようなデメリットが発生することを理解しましょう。
- 売却時の資産価値は築年数に連動する
- 設備は劣化する
- ランニングコストの上昇のリスクがある
- 住宅ローン控除の対象は築25年まで
当然ながら、中古マンションは新築から何年か経過しているマンションなので、新築よりも劣化しています。そのため、その「劣化によるデメリット」の詳細を理解しておくことが、中古マンションを選定するポイントになるのです。
売却時の資産価値は築年数に連動する
まずは、売却時の資産価値は築年数に連動する…という点に関しては以下を知っておきましょう。
- 将来的な資産価値は重要
- 築年数ごとの資産価値の下落率
将来的な資産価値は重要
中古マンションを購入する人の中には、そのマンションに永住するつもりで購入する人もいるでしょう。しかし、将来ずっとそのマンションに住むかは分かりません。仕事や子供の都合で引越しせざるを得なくなれば、そのマンションを売却する可能性も出てきます。
現在は売却する予定がなくても、そのような状況を想定して資産価値の下落率を確認しておきましょう。
その下落率が大きければ、そのエリアの物件価格は下落しやすいということです。この下落率も見越して、中古マンションの価格を見極める必要があり、場合によっては値引き交渉が必要になります。
築年数ごとの資産価値の下落率
築年数ごとの資産価値の下落率は、周辺物件の成約事例を見れば分かります。周辺物件の成約事例は不動産屋にREINSを利用して調べてもらうか、もしくはREINS Market Informationを利用して、自分で成約事例を調べることも可能です。
下落率を調べたら、自分が検討している物件に置き換えてみると、築年数ごとの売却目安価格が分かります。その売却目安価格とローンの残高推移を確認すれば、ローン完済できるレベルで売れるかどうか?が分かってくるので、自分の中でその物件の適正価格が分かります。
また、「首都圏全体」という広い範囲ではありますが、REINSが築年数による下落率の集計をしているので、参考までに確認しておくと良いでしょう。
設備は劣化する
また、築年数が経過するごとにキッチンやバスルームなどの設備は劣化していきます。
以下は民間賃貸住宅の、築年数ごとに発生する設備の修理・交換費用です。中古マンションは賃貸住宅ではありませんが、設備面ではそれほど大きく変わらないと思って問題ありません。
部位/周期 | 5~10年目 | 11~15年目 | 21~25年目 |
給湯器 | 4,950円 | 110,000円 | 110,000円 |
浴室設備 | 5,500円 | 22,000円 | 220,000円 |
洗面台 | 3,300円 | 3,300円 | 55,000円 |
トイレ | 3,300円 | 3,300円 | 3,300円 |
キッチン | 3,300円 | 22,000円 | 110,000円 |
エアコン | 5,500円 | 110,000円 | 110,000円 |
たとえば、築8年の中古マンションを購入すれば、後7年以内(15年目)に上記の金額がかかってくる可能性があります。新築ではあまり意識しなくて良いですが、中古マンションの場合は上記の支出は意識して予算を組まなくてはいけません。
ランニングコスト上昇のリスクがある
中古マンションに限らず、新築でもマンションは管理費と修繕積立金がかかります。しかし、新築マンションは管理費や修繕費は安いのです。
そして、その中でも修繕積立金は、増額リスクと一時金発生リスクがあります。というのも、修繕積立金は以下のどちらかで設定しているマンションが大半だからです。
- 段階積み上げ方式
- 一時金方式
段階積み上げ方式とは「5年で○○%アップ」など、あらかじめ上昇率が決められている方式です。また、一時金方式は「築12年目と20年目に○○万円徴収する」という方式になります。
中古マンションを購入するときは上記どちらの方式かを確認し、購入した後すぐに修繕積立金が上昇しないか?一時金が発生しないか?を確認する必要があるでしょう。
また、修繕積立金が不足して、修繕ができない管理が行き届かないマンションもありますので管理面はしっかり確認しましょう。
中古マンション購入時の不動産屋の見極め方法
なぜマンション購入で不動産屋が重要か?
次に、不動産屋の見極め方法について以下を解説します。
- なぜマンション購入で不動産屋が重要か?
- 複数の不動産屋に査定依頼する
そもそも、なぜマンション購入で不動産屋が重要かというと、マンション購入時に不動産屋は以下を行ってくれるからです。
- 物件の紹介
- 売主との交渉
- 契約や引渡しまでの手続き全般
媒介契約の種類などによって異なる部分がありますが、たとえば○○区で中古マンションを探しており、不動産屋A社に訪問したとします。その際、A社はREINSなどを閲覧して希望物件を探してくれますが、
きちんとニーズを把握しないと見当違いの物件を紹介されてしまいます。
また、検討している物件がある場合には不動産屋を介して売主との交渉をしますし、手続き全般は不動産屋が主導してくれます。つまり、中古マンション購入に関する大事な部分を不動産屋が担うので、不動産屋の見極めは重要なのです。
不動産屋・営業マンを見極める方法
不動産屋の見極めについては以下の点を知っておきましょう。
- 営業マンの応対を見極める
- 信頼できる不動産屋と出会っておくことは重要
売り出し中の中古マンションは、ほぼ全ての物件がREINSというネットワークシステムに登録されています。そのため、どの不動産屋に仲介を依頼しても、紹介できる物件数はほとんど同じと考えて良いでしょう。
だからこそ、不動産屋の見極めは「担当してくれる営業マン」の見極めが重要といえます。具体的には、以下の点を見極めましょう。
- 自分のニーズをくみ取ってくれるか?
- 返答の迅速さと正確さ
- 希望エリア周辺やマンション全般に関する知識
信頼できる不動産屋と出会っておくことは重要
中古マンションを売り出しているいうことは、売主も自分のマンションの売却を不動産屋に依頼しているということです。
たとえば、売主がA社に仲介を依頼しているとします。その場合、チラシやネットなどでA社に直接連絡しても良いのですが、別の会社であるB社経由で依頼しても問題ありません。
むしろ、前項の見極めによってB社が信頼できるのであれば、B社経由で連絡した方が良い場合もあるでしょう。ただし、A社が囲い込みをするリスクもあるので、B社経由で連絡しても案内を断られる可能性もあり、その際は個別にA社へ連絡してみましょう。
信頼できる不動産屋を見極めて
デメリットもメリットも把握したうえで購入しましょう
このように、中古マンションの選び方は、まず築年数が経過していることによるデメリットを理解します。
そして、信頼できる不動産屋の見極めをした上で、自分のニーズに合った物件を選定するという流れです。