目次
マンションを高く売るにはどうしたらいいのでしょうか?
焦って安く売りすぎたというのはよくある失敗です
マンションを売却する理由はさまざまです。しかし、どんな理由で売却するとしても「なかなか売れずに、焦って値段を下げて売却してしまった」とは誰もがなりたくないでしょう。そうならないためのコツをこの記事では紹介します。
まずは、不動産の動向をチェックし、第三者の観点から自分のマンションを冷静に評価することからはじめていきましょう。
中古マンションを売るための5つのポイント
1.不動産やマンションの動向をみる
1つ目のポイントは、不動産全体としての動きのチェック。次に中古マンションの価格や需要の指標となる数値を見ていきます。
一般的な指標としては「国土交通省の価格動向指数」「国土交通大臣指定(公)東日本不動産流通機構のREINS TOPIC」などがあげられますが、新しいデータが常に更新されていますので不動産全体とマンションの動向の確認をしておきましょう。
不動産全体とマンションの動きを探る:価格動向指数
国土交通省では毎月、価格動向指数という不動産の動向を数値化して公表しています。これは1年の平均を100として実際の取引価格や品質などの変数を採用しているものです。
中古マンションの長期的な価格推移をみる:REINS TOPIC
国土交通大臣指定(公)東日本不動産流通機構のREINS TOPICではマンション成約件数、成約坪単価などの推移を見ることができます。中古マンションの成約件数はほぼ横ばいなのに対し、成約㎡単価は上昇しているのがわかるでしょう。
2.冷静にマンションを評価していきます
1つ目のポイントでは不動産の動向をみてきましたが、2つ目のポイントではマンションの不満率などをみていきます。
住宅の不満度を客観的に見る
国土交通省の住生活総合調査では住宅の各要素に対する評価(不満率)で、住宅に対してどのようなことに不満を持っているのかが示されています。
この意識調査では何にどれだけの不満を持っているのかという一般的なデータにより、不満率が高い項目についてチェックできます。
たとえば、「居住室の採光」や「住宅の広さや間取り」よりも「地震時の住宅の安全性」や「高齢者などへの配慮」のほうが不満率が高いとわかります。不満を感じやすい部分に問題がなければ、逆にマンションのアピールにもなり得るでしょう。
出典:国土交通省「住生活総合調査」
メリットとデメリットを比較する
一般的に売れにくいと言われている「駅から徒歩15分以上」「専有面積が小さい」などの物件もエリアによっては自転車、バイク、バスなどでの通勤がしやすい場所であることも。また、高齢者のご夫婦には専有面積が広すぎると管理が大変です。そのため、デメリットがメリットになることもあるでしょう。
子育て世代は、広さや間取りへの不満が多いようです。一方、高齢者世帯は広さや間取りへの不満が少なめという統計も出ています。
出典:内閣府「平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」
3.ハウスクリーニングやリフォームについて
3つ目のポイントはマンションをキレイに見せるための方法です。
部屋はキレイで明るいほうが売れやすくなります。心理学的にも「物件が売れるかどうかは第一印象でほぼ決まる」と言われているように、ハウスクリーニングなどで部屋をキレイにするのは効果的です。
もちろん、ハウスクリーニングを専門業社に頼むと多少のコストはかかります。しかし、とくに女性はキッチン・水周りなどを気にする傾向が強いので、不動産会社と相談をしながらハウスクリーニングやリフォームなどの検討をするのも一つ方法でしょう。
4.ホームステージングも視野にいれてみる
4つ目のポイントも部屋をキレイに見せる方法です。最近、増えているのが部屋のイメージを良くするためのホームステージングです。
ホームステージングとまではいかなくても、以下の3つは気をつけると良いでしょう。
- 照明をつけて明るく見えるようにする
- 水回りをキレイにしておく
- 住んでいない場合は、時々換気や臭い防止のため水を流す
ホームステージングとはインテリアのコーディネートなどですが、なるべく生活感のないオシャレな空間に見せながら暮らしをイメージさせる効果があります。
中古マンションでもモデルルームのようにホームステージングに力を入れてキレイに見せると売りやすくなります。
5.相性の良い不動産会社を見つける
「マンションがなかなか売れない」「マンションを高く売りたい」という方は、相性の良い不動産会社を見つけることが5つ目のポイントです。
不動産会社の専門分野は?
不動産会社にも地域密着型があれば、タワーマンションの仲介を得意としている会社もあります。エリア、立地、間取りによって販売戦略は随分と変わるものです。だから、以下のような点にも注目してください。
- 賃貸・売買仲介・買取・建売販売などの専門分野は?
- 売買仲介のうち、新築と中古などの専門分野は?
- 中古マンションのうち、居住用・投資用など専門分野は?
不動産会社の販売戦略は?
不動産会社の販売戦略は、ターゲットを設定した上で、ポータルサイトやインターネット広告などを利用し、さまざまな集客方法で販売をします。
街の不動産会社には昔ながらの集客方法も多くありますし、大手不動産会社には多額の予算を投じて集客をする戦略もあるでしょう。このように、不動産会社によって販売戦略はさまざまです。
多様化している不動産会社の集客方法
- 折込チラシ
- ポスティング
- ホームページ
- ポータルサイト
- インターネット広告
- 不動産投資セミナー
- SNS発信
- アプリやポイントサイトなど
ホームページや広告、SNSの投稿などを見れば、その不動産会社がどこに力を入れているのかが見えてきます。
購入者が高齢者ならば、インターネット広告よりも紙媒体でのチラシやフリーパーパーなどが効果的です。一方、別の年齢層をターゲットにするのであれば、インターネットやSNS、アプリなどを利用した販売も考えられます。
不動産会社の販売戦略、マンションのエリア性、築年数なども考慮しながら不動産会社を選ぶようにしましょう。
売れない時に検討する5つのこと
立地は変えられるないけれどできることがある
マンションを売却したいのになかなか売れない……そんな時の対処法を5つのポイントとして紹介しました。ポイントは以下の5つです。
マンションが売れない理由は立地、価格、不満度、タイミングなどさまざまな要因が考えられます。だから、まずはプロである不動産会社に相談をすることです。
不動産会社に相談をすれば、単に販売だけでなく販売に伴うさまざまな雑務も引き受けてくれます。自分でやる手間隙を考えたら、任せてしまうメリットは大きいでしょう。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧