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この記事は分譲マンションを売却したい人向けのものです。後悔する形でのマンション売却にならないように、大事なポイントを7つにまとめました。
分譲マンション 売却の流れを確認
長い人生で考えても分譲マンションの売却経験は、通常で0回。多い人でもせいぜい2回位でしょう。非日常的な取引と言えます。
つまり、マンション売却についてはほとんどの方が初心者です。「何をどうすれば良いのだろう?」と漠然とした不安を抱えている方も多くいることと思います。
この不安を解消するためには、マンション売却の全体像を確認すること。全体像が分かっていれば、何を決め、何をするのか、具体的に考えることができます。だから、まずはマンション売却全体の流れを確認してください。
マンション売却は大きく6つのステージで構成されています。
- Stage.1査定(マンションの市場価値を確認)
- Stage.2 不動産会社選定(売却依頼する不動産会社を決める)
- Stage.3 媒介契約締結
- Stage.4 売却活動(物件広告、室内の内見)
- Stage.5 売買契約
- Stage.6 不動産の引渡し
全体像が分かれば、あなたがやるべきこと、が見えてきます。各Stageごとの詳細やポイントを確認していきましょう。
分譲マンション売却のポイントを確認
Stage.1査定
所有マンションの市場価値を確認するため、まずは不動産会社に自宅査定の依頼をします。査定には机上査定と訪問査定の2種類がありますが、マンションを売却する場合は必ず訪問査定をしてください。
Point.1 複数の査定依頼をする
不動産査定は取引事例比較法で行われており、過去の取引事例や現在販売されているその他物件と諸条件を比較して査定価格を算出します。
諸条件を具体的に言うと、室内のコンディションや日当たり、眺望などの個別条件のこと。この個別条件の違いによって査定が大きく変動します。
しかし、これらの個別条件に明確な金額……つまりプラス10万円なのか?、15万円なのか?を設定する金額的な正解はありません。そのため、査定をする営業マンの感覚で金額差がつけられてしまっているのが現状です。
ということは、自宅査定の依頼が1社のみでは、適正価格を見極めることはできません。一括査定サイトを利用して最低でも3社に査定依頼をして、査定価格の比較をしてください。
Stage.2 不動産会社選定
Point.2不動産会社の選定
査定依頼が完了したら、次は売却依頼をする不動産会社を選定します。
営業マンは売却活動完了まで二人三脚で作業を進めていく存在です。お客様対応はもちろん、売却物件の内見対応、契約関係書類の作成など、あなたに代わって多くの作業を代行してくれます。依頼をする不動産会社でマンション売却の是非が決まると言っても過言ではないので、不動産会社選定の失敗は許されません。
Point.3 査定価格算出までのプロセスを確認する
多くの不動産オーナーは「少しでも高い金額で不動産を売却したい」と考えます。実際「より査定価格を提示してくれた不動産会社に売却依頼をする」という方も一定数いますから、営業マンもより高い査定価格を提案しようとするでしょう。
ただ、中には売却依頼を獲得するために売れるはずのない高額査定価格を提案する会社も数多く存在しています。このような不動産会社には、売却依頼してはいけません。決め手は、査定価格に総合性のある説明ができるかどうかです。その点を意識して、不動産会社を選ぶと良いでしょう。
Stage.3 媒介契約締結
不動産会社の選定が完了したら、媒介契約の締結です。媒介契約書には、売却価格、媒介契約期間、仲介手数料金額など、売却活動を行う際の約束事項が記載されており、『一般媒介契約』、『専任媒介契約』、『専属専任媒介契約』の3種類があります。
各契約によって特徴が異なるのですが、一番大きな違いは売却依頼できる不動産会社の数です。
一般媒介契約は複数社に売却依頼をすることができ、上限なく複数の会社に売却依頼することができます。専任媒介・専属専任媒介契約は、媒介契約期間中1社にしか売却依頼できないので、この点には注意が必要です。
他にも各媒介契約による違いがあるので以下表にて確認してください。
Point.4 媒介契約の特徴
|
複数社への売却依頼 |
レインズへの登録 |
業務報告義務 |
自らの買主発見 |
契約期間 |
一般媒介契約 |
〇 |
任意 |
任意 |
〇 |
制限なし |
専任媒介契約 |
× |
〇 |
2週に1回 |
最長3か月 | |
専属専任媒介契約 |
1週に1回 |
× |
Stage4. 売却活動
媒介契約の締結が完了したら売却活動開始です。
具体的な売却活動は、物件広告と内見の2つ。物件広告はインターネット広告、新聞折り込みなどを利用して、市場に物件情報を露出させます。
とくに力を入れなければいけないのはインターネト広告です。住宅購入検討者の多くはインターネットを利用して物件情報を検索しています。広告料金は基本的には不動産会社が負担するので、スーモなどの物件検索サイト、自社HPなど全てを活用して物件情報を市場に露出してもらいましょう。
実際に住宅購入検討者から問い合わせが入ったら、室内の内見です。基本的には、室内の内見には営業マンが立会うので、詳細な説明などは営業マンが行います。オーナーであるあなたは、質問事項などに対する対応をしておけば基本的に問題ありません。
購入検討者が過去にその物件に実際に住んだことはないので、オーナーから住んでいて良かった点をお話してあげると、検討者とマンションの良さを共有できて成約に近づきます。一方、言わなければならないデメリットもありますが、デメリットに関しては事前に仲介会社と相談をしましょう。
マンション売却活動中は以下2つのことに気を付けて下さい。
Point5. 業務報告の確認
不動産会社に売却活動を依頼すると、売却活動にかかわる業務報告が定期的に行われます。一般媒介の場合、業務報告は任意ですが、営業マンに依頼しておきましょう。
広告掲載しているポータルサイト、問い合わせ件数、内見件数、内見後のお客様対応など、売却活動の進捗状況を確認することができます。
- ポータルサイトに登録しているか?
- キレイな室内写真が掲載されているか?
営業マンを監視する意味でも業務報告の確認を必ず行い、簡単な質問を一つ二つするように心がけてください。
Point6. 内見の準備
購入検討者は新生活を始めるマンションを探しているので、室内を隅々まで確認します。どんなに素晴らしい分譲マンションであっても、散らかり放題の室内では魅力が半減してしまうでしょう。最低限、室内の整理整頓は内見前にしておくべきです。
可能であれば、水回りの清掃をしておくと理想的。水まわりは生活臭が付きやすく、強い生活臭は印象ダウンに直結するからです。内見の予定が入ったら、室内の整理整頓と清掃を可能な限り実施してください。
Stage5. 売買契約
購入希望者が見つかったら売買契約の締結です。
売買契約書類は不動産仲介会社が作成するので、あなた自身で行う作業は署名・捺印くらいなのですが、事前に確認して頂きたい事項が5つあります。
- 事前審査の結果
- 手付金額
- 契約金額
- 契約日
- 引渡し日
購入申込時に、これらの事項は確認することができるので、正確に確認しておいてください。
Ponit.7 事前審査承認後に売買契約を締結する
全て大切な項目なのですが、とくに確認が必要なのは事前審査の結果です。マンション・一戸建てにかかわらず、不動産売買契約には住宅ローン特約というものが定められています。住宅ローンの審査が不調に終わってしまった場合、売買契約が白紙解約となる特約です。
手付金も返還しなければいけないので、不動産オーナーにとってローン特約は大きなリスクとなります。売買契約は、事前審査承認を確認した後に締結してください。
また、販売活動も、事前審査通過前に物件を成約済みとすると後の御案内も入りません。仮に、白紙解約になった時は、大きなロスとなります。
Stage.6 マンションの引渡し
売買契約締結後、住宅ローンの本審査の承認などを経てマンションの所有権移転を行います。抵当権の抹消は引渡し当日に行いますので、必要書類などがある場合は事前に準備しておきましょう。
司法書士とのやり取りや銀行とのやり取りは、営業マンがディレクションしてくれます。そのため、難しいことは一切ありません。
以上で分譲マンションの売却は完了です。本日お伝えした7つのポイントは難しい作業は一切ありません。ポイントを抑えて売却活動を進めて頂き、後悔のないマンション売却を実現させてください。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧