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最悪の失敗談から学ぶマンション売却のコツ
現役不動産相談員がこっそり教えます!
マンションを売却する。
購入するよりも売却する方が圧倒的に楽なように思えるかもしれません。
しかし、意外なトラブルに巻き込まれ大変な体験をされたという事例が数多くあります。
現役の不動産相談員が守秘義務に触れない範囲で、マンション売却で大変な事例をご紹介いたします。
悲劇のような体験談を知ることは、トラブル防止になります。
一般媒介にして大変だった体験談
状況
田中さん(仮名)は45歳、親の介護があり実家に戻る事に。
マンションの売却方法を調べている内に、1社にしか売却の依頼をすることができない専任媒介契約と、複数の会社に依頼できる一般媒介契約があることを知ったそうです。
考えた田中さんは、一般媒介の方が有利だと判断しました。
即、4社に依頼をしたそうです。各社が競争して必死に買主を探しているから、直ぐに売れるはず。
しかし、その目論見は見事に外れてしまった。予想に反して、頼んだ4社からまったく連絡が来なかったそうです。
結局、売れたのは半年後。しかも希望価格よりも500万円も安い値段。
なぜ一般媒介にして大変な体験する事になってしまったのでしょうか?
解説
一般媒介は複数の不動産会社に依頼できるという点で競争が促進され、早く売れそうな気がするかもしれませんが、実は違います。
なぜでしょう?
不動産会社の立場になって考えれば自然とその謎が解けます。
不動産会社は
「依頼者が1社しか依頼できない専任媒介で受けている業務」
と
「一般媒介で受けている業務」
どちらを優先して業務をするでしょうか?
当然、専任媒介です。
どこで決まってしまうか分からない一般媒介よりも、自社だけを信じて託された物件を優先して販売活動を行います。
田中さんは、自分自身の都合だけで判断して一般媒介を選択したことで、いつまで経っても売れないという体験をする事になってしまったのです。
また、今回のケース。
一般媒介で依頼したスタートの金額が高すぎたというのも、売れなかった理由の一つでした。
田中さんは不動産会社からの査定は一切取っていなかったのです。
自分の所有するマンションの価格を自分で調べ、自分が納得する金額で不動産会社に依頼をしていました。
専門家の意見を聞いて販売するべきでした。
担当者で大変だった体験談
状況
相続した実家であるマンションを売ることにした清水さん(仮名)は、友人の紹介で地元にある老舗の不動産会社に売却の相談をしました。
担当者は、細井さん(仮名)です。自身に満ち溢れている感じで頼もしいとも感じたのですが、直ぐに後悔する事になってしまったそうです。
担当者の細井さんは清水さんのペースを全く無視で、断定的に、時には命令口調であれこれと清水さんに指示をしたそうです。
途中で断ろうかと考えたそうですが、紹介者と清水さんは地元の先輩後輩の関係で、人間関係が気まずくなってしまうので、断る訳にもいかず困ってしまったそうです。
解説
この事例に限らず、
- 「営業マンとのコミュニケーションが取りづらい」
- 「何となく感覚が合わない」
- 「こちらの意図をくみ取ってくれない」
というご相談は非常に多く寄せられます。
不動産は、ただ単純に売れさえすれば良いというものではありません。
片づける時間的ゆとりなども考慮して、販売計画を立てる必要があります。
良い売却を実現するためには、自分と価値観が合う担当者の存在がとても大切です。
担当者とコミュニケーションが取れるかどうかは依頼する前にしっかり確認することをお勧めします。
引越し先がなくて大変だった体験談
状況
妻に先立たれ、自分も高齢になってしまったので、広すぎるマンションを売却し、小さなマンションに住み替えをしようとした山口さん(仮名)の事例です。
売却した代金が入って来なければ、購入もできません。そのため、営業マンのアドバイスもあり、売却を先に行い仮住まいをしてから購入物件を探す事に。
ほどなく買い手が見つかり、売買契約を締結したまでは良かったが、転居先が見つからない。
引渡期日を目前迫ったのですが、転居先はまったく見つかりません。結局、割高なウィークリーマンションに転居する事になってしまったそうです。
山口さんは住み替えですから、契約期間が短期になる仮住まいを予定していたのですが、自宅の近隣地域で短期貸し可能な物件が全く見つからなかったのです。
解説
賃貸物件がある地域でも短期貸しOKの物件は、極端に少ないのが現状です。理由は、大家さんが払う仲介手数料。
大家さんは管理会社に入居者が決まるたびに1か月分に相当する報酬を管理費として支払っていることが多いです。
入居者が短期で変わると都度、不動産会社に報酬を支払う必要があり敬遠されてしまうのです。
高額査定で大変だった体験談
状況
住宅ローンが残っていて、売った金額で返済ができないのでは?と心配していた近藤さん(仮名)の事例です。
3つの不動産会社に査定を依頼したところ、全社がローン残高を下回る査定金額の提示でした。
やっぱりダメか。。。と諦めかけていたところ、ポストに「このマンションで物件探しています」という不動産会社の広告チラシが入っていました。
半信半疑の中、最後の1社と思って査定の依頼をしたところ、担当者が見に来る事になりました。
藁をもつかむ思いで、「3社の査定が住宅ローンの残債に届かない事」を話したところ、その担当者はなんと、残債を上回る査定書を作成してくれました!
近藤さんは喜び直ぐに媒介契約をしたものの、内覧者はゼロ。販売開始してからわずか三週間で、担当者が値下げを求めてきたそうです。
解説
査定というのは、「販売活動をするならこのくらいが妥当」という意味の金額です。
多くの会社は、周辺相場やそのマンションの過去の取引事例、人気度を勘案し、適正な査定を出す努力をしています。
しかし、中には「取りあえず依頼だけ取って、後から値引き交渉をすればいい」と考える不動産会社も存在します。
近藤さんは、査定の金額だけに目を奪われて依頼してしまい、結果、大変な体験をする事になってしまったのです。
査定額だけではなく、査定の根拠となる説明をしっかり確認しておけば、うまい話しにも気がつき、トラブルを避けることができたはずです。
まとめ
失敗を避けるために大事なのは営業マン選び
マンションの売却に関する大変な体験談いかがでしたでしょうか?
発生したトラブルを解決する事、元に戻す事は非常に困難です。
媒介契約を解除することもできますが、不動産会社側に落ち度がないとなかなか解除できません。
何よりも大切な事は、大変な体験をする前に「予防」することです。売却の成功は良い営業マン選びでもあるのです。