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「マンションを売るのであれば、少しでも高く売りたい!」……この記事は、そう考える人に向けたものです。一般的には、売却前にどれくらいの価格で売ることができるのかを不動産会社に査定をしてもらい、この査定された金額を参考に売却価格が決まります。
では、マンションのどんな部分に価格は左右されるのでしょうか?ポイントは、全部で6つ。査定前に知っておきたい、査定価格ならび売却価格に影響を与える6つの項目をご紹介します。
マンション売却までの流れと査定方法
査定価格を左右する項目を知る前に、まずはマンション売却までの流れと査定方法を知っておきましょう。どのような流れや方法で査定が進むのか知ることで、売却までの準備を行いやすくなります。
マンションの売却までの流れ
マンション売却は、査定から売却まで約3か月~6カ月の期間が相場として必要になります。売却のための第一歩は、不動産会社による価格査定。手続きのほとんどは不動産会社に任せることになるので、不動産会社選びが重要です。いくつかの不動産会社を比較して検討することをおすすめします。
それぞれの不動産会社に査定をしてもらって、気に入ったところと媒介契約を結び、売却活動を始めてもらいます。不動産会社選びのポイントは、査定額だけではありません。売却に関する具体的なアドバイスはもちろん、売却後に手元に残る実際のお金を詳しく説明してくれるかどうか……このあたりも見きわめポイントの1つです。
買主が見つかれば売買契約を結んで、マンションを売却する流れ。そのため、不動産会社のスタンスがわかる最初の査定が大切です。
マンションの査定方法
マンションの売却査定の方法には、「机上査定」と「訪問査定」があります。
机上査定は、不動産のデータや過去の売却情報から簡易的な査定額を算出する方法です。売却を決める前に、どれくらいの価格なのか相場を知っておきたいだけなら机上査定で問題ないでしょう。
一方、訪問査定は、机上査定に加えて実際に売却不動産に足を運んで、室内や周辺の状況などを確認します。より具体的に売却に進めるための査定方法です。
マンションの売却査定に影響を与える6つのポイント
マンションの売却査定は、不動産会社がさまざまな項目を確認して査定を行います。少しでも高い金額で売却するためにも、どんな項目がマンションの査定額に影響を与えるのか知っておきましょう。
エリアが査定価格に影響を与えるのはもちろんですが、同じマンション内の物件でも査定額が大きく変わるケースもあります。
1:立地、周辺の環境
マンションの売却では、立地と周辺環境が一番重要なポイント。最寄駅から近いほど利便性が高いことから価格は高くなりますし、最寄駅も都心に近いほど高額な金額になります。
また、近くにコンビニやスーパー、病院など生活する上で必要なものが揃っている環境も査定価格が高くなる傾向。ファミリー向けのマンションであれば、駅から離れていたとしても公園や学校、スーパーなど子育て環境が整っている場所は人気が高いです。
2:共用部分、共有施設
マンション自体の共有部分は大切な部分であり、エントランスの雰囲気や廊下が清潔に保たれているほうが高評価に繋がりやすいです。ジムやカフェラウンジ、ゲストルームなど共有施設が充実しているマンションも査定額が高くなります。
また、共有部分にオートロックや監視カメラなどセキュリティ対策が施されているかどうかも確認されます。
3:階数、部屋の位置
同じマンション内でも、階数や部屋の位置で査定価格は変わってきます。1・2階などの低層階はセキュリティの面から価格は低くなる傾向にあり、階層が高くなるほど価格も上がる傾向。また、角部屋や、陽当たりのいい南向きの部屋も売れやすいことから有利です。
4:間取り、室内設備
間取りや広さは大きいほど価格も高額になり、需要が多い広さや間取りは高評価になりやすいです。
たとえば、駅近くの単身者向けのマンションであればあまり広すぎても需要が少ないですし、駅から遠いファミリー向けのマンションでも家族が住むだけの部屋数が無いような狭いお部屋は人気があまりありません。また、ルーフバルコニーや専用の庭が付いていれば、同じマンション内でも有利です。このように、同じマンション内でも間取りによって価格が異なります。
室内設備は整っているほど高額になる傾向があり、風呂やキッチンといった水回り、浴室換気乾燥などがとくに注目されます。
5:築年数、構造など
マンションの築年数は新しいほど人気があるため、高額査定になりやすいです。しかし、築年数が古い場合も、リノベーションによってスタイリッシュな部屋に変えているようなケースは、同じマンション内でも例外として評価が高くなります。
また、マンションの建物構造も注目されるポイントの1つ。鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造は建物の頑丈になるため、高評価になります。
更に付け加えると、耐震対策も重要なポイント。1981年に改正された耐震基準法に基づいて建てられた新耐震基準で建てられているかどうかの確認もあります。
6:お部屋固有の特徴
東京についてお話いたしますと、東京ならではの窓から見える特別な建築物があります。「東京タワー」「東京スカイツリー」「レインボーブリッジ」などです。これらは同じマンションでも「見えるお部屋」と「見えないお部屋」では格段に金額が変わってきます。
その他にも、この3大建築物ほど大きくは変わりませんが……公園が見える、海が見えるなどの物件は、価格が変わることもあります。
マンション売却査定におけるポイント
マンションの売却査定において不動産会社が確認する項目を紹介しました。
大切なことはマンションの立地だけではありません。同じマンション内でも個別のお部屋の状況で査定価格が異なってきます。間取りや広さや階数、設備、眺望など部屋ごとによって異なる部分も査定額を左右します。設備の故障や修繕が必要な場所がないか事前に確認しておきましょう。
また、査定の訪問に来る前には、共有部分の清掃状態なども確認しておきたいものです。清掃が行き届いていない場合は、管理会社に連絡して清掃をお願いしておくといいでしょう。
まずは一括査定してみよう
マンションの売却査定は、築年数や立地、設備や間取りなどさまざまな条件が価格に影響を与えます。どれくらいの価格で売却できるのか調べるために、不動産の一括査定サイトを利用してみることをおすすめします。
住所や間取りなどの条件を入力することで、複数の不動産会社が机上査定を行い、簡易査定額を出してくれます。売りたいマンションがどれくらいの価格で売却できるのか、まずは調べてみてください。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧