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マンション売却の「失敗」とは?
そもそもマンション売却の失敗は2種類だけ
「マンション売却の失敗」って、どんなことだと思いますか?
- 思ったより安かった(=手元に残るお金が少なかった)
- 売却に時間がかかった
不動産会社で多くの売却体験談を目の当たりにして思うのですが、失敗はこの2つではないでしょうか?
実はこの2つ。たった3つのことを意識しておこなうことで防ぐことができるんです。
具体的にはどんなことかというと、次のとおり。
・仲介をお願いする不動産会社を見極める・マンションの売り出し価格を誤らない・手元に残るお金を知る(売却にかかるお金を知る)
ここからは、こちらのマンション売却で失敗しないための3つの方法を詳しく解説していきます。
方法1.優秀な不動産会社をパートナーに
マンション売却で一番重要なのは、不動産会社選びです。売却までのやることのなかで自分の責任で決める一番重要なことと言っても過言ではありません。
では、どういう基準で不動産会社を選べばいいのでしょうか?
訪問査定で複数社をチェック
ネット上で不動産会社を物色するのもいいですが、目星の不動産会社には訪問査定を依頼して、総合的に不動産会社を見定めるようにしましょう。その際には必ず、複数社に依頼するようにしてください。不動産の一括査定サイトを使ってもいいでしょう。
複数社に訪問査定を依頼する3つの理由
- 各社を比較する
- 査定書の丁寧さをみる
- 担当者の人柄をみる
複数社に依頼するのは、査定額や対応力を比較するためです。比較のためには、まず査定書の丁寧さをチェックしてみましょう。査定の根拠となる類似マンションの成約状況が記されているか、自分のマンションのどこか評価されているか、詳しく確認します。
「訪問査定は面倒…」
だと思われる方も多いのですが、担当者が実際に訪問してきてくれるからこそ、電話やメールのやり取り以外の「人となり」や「雰囲気」を知ることができるんです。これから同じ方向を向いて長い付き合いになる担当者です。専門性があって何でも相談できる親切丁寧なのはもちろんのこと、自分と合うかどうかも査定の時点でしっかり見極めましょう。
高額査定に騙されない
不動産会社を選ぶ際の注意点は価格で任せる業者を決めてはいけないということ。査定額はその金額で売れる額ではなく、各社の「売却見込額」です。
そのため査定額が高いからといって不動産会社を選ぶのではなく、査定額の根拠をしっかり示せて、適正だと思える金額を提示してくれるかどうかで判断するべきです。
マンション売却が得意な不動産会社か見極める
不動産会社の中には、土地戸建てを中心に仲介していたり、賃貸を中心に営業していたりする会社もあります。マンションを売却するのなら、マンション売却に強い不動産会社を選ぶべきです。
ではどうやってそれを見極めるのかというと、訪問査定のときに実際に質問してしまうのがいいと思います。
- このマンションの他の部屋を仲介したことがあるのか?
- 類似マンションや近隣のマンションでもいいから直近の成約事例を見せて欲しい
このようなことを聞いてみて、該当市区町村でマンション売却を得意としているのか見極めましょう。
方法2.マンションの価格設定を誤らない
続いては、早期売却のために重要なこと。それは、マンションの価格設定です。
ここで誤ってしまうと、早期売却ができないどころか、適正価格に変更したとしても売れない恐れもあるのです。
売り出し価格は相場の1割増しまでが基本
中古マンションには定価はありませんから、売主が好きなように価格を設定することができます。「ダメ元で高く売ってみよう!」
それもいいのですが、高く売るとしても相場価格の1割を目安に考えるのが賢明です。
例えば査定額が5,000万円のマンションを6,000万円で売り出したとすれば、売却は難しいでしょう。1割増しでもかなり挑戦的な価格ではあるので、反響やライバル物件の動向を見ながら相場価格に近づけていく調整は必要です。
一度でも的外れな価格にしてしまうと「敬遠対象」になってしまう
「ちょっとの間だけ高く売ってみたい」
というお気持ちはわかりますが、儲かることが目的ではないでしょう。一度でも相場からかけ離れた金額で売り出してしまうと、買い手から敬遠対象になってしまう恐れもあります。
「なに、この価格?」「売主さんの考えがわからない…」
と思われてしまうと、少し特殊な物件だと思われて選択肢から外されてしまうこともあるんですね。後々、相場価格に近づけたとしても、買い手はよく物件情報を見ていますから、「この物件は避けよう」と一度でも思われてしまったら早期売却は叶いません。
方法3.手元に残るお金を知る
意外と多いのが、「売却金額は全部手元に残る」と思っている人。マンション売却には様々な諸費用がかかりますから、あらかじめその費用はいくらか知ってから価格設定をしなければ痛い目を見ます。
マンション売却にかかる諸費用
仲介手数料
売却金額×3%+6万円(消費税別)が、法律で定められている仲介手数料の上限です。上限いっぱいいっぱいで請求されるのが一般的です。
印紙税
マンションの売買契約書には、収入印紙を貼付する必要があります。売買金額によって異なる印紙税は、下表の通りです。
※2020年3月31日までの売買契約には、表右の軽減税率が適用となります。
(出典:国税庁)
抵当権抹消費用
ローン残りがあるマンションを売却する場合、引渡し時にマンションにかかる抵当権を抹消する必要があります。抵当権の抹消手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、費用は2万円前後が相場です。
住宅ローン完済手数料
同じくローン残があるマンションを売却して、売却と同時にローンを完済するときには、金融機関に完済のための手数料を支払う必要があります。金融機関によって費用は異なりますが、5千円~5万円くらいであることが多いです。
マンションの売却益にかかる税金
マンションを売って売却益がでたときに限り、住民税と所得税が課税されます。不動産の売却益は「譲渡所得」といい、次の計算式でもとめます。
譲渡所得(売却益)=譲渡価格-(取得費+譲渡費用)
- 譲渡価格:家の売却金額取得費:売却した家の購入代金+購入にかかった諸費用(建物は減価償却相当額を控除)譲渡費用:家の売却にかかった諸費用
譲渡所得に対する住民税と所得税の税率は、マンションを所有していた期間によって異なります。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
5年超 | 15% | 5% | 0.32% | 20.32% |
例えば所有期間10年のマンション売却で1,000万円の譲渡所得が出た場合、 1,000万円×20.32%=203.2万円 が課税されるということです。
マイホームの売却の譲渡所得は大幅に控除される
売却したマンションがマイホームであった場合、譲渡所得にかかる税金は次の2つの特例によって大幅に減税することができます。
➀3,000万円の特別控除
譲渡所得から最大3,000万円が控除されます。マイホームの売却で3,000万円以上の譲渡所得がでることは稀ですから、多くの場合で課税額をゼロとすることができるでしょう。
②軽減税率の特例
マイホームの売却で譲渡所得が3,000万円を超えた場合、軽減税率の特例によってさらに課税率を引き下げることができます。
マンション売却を成功させるためには売却前の「下準備」が大事
失敗しないために事前に調べましょう
マンション売却で大事なのは、失敗しないための方法を知ることです。
- 不動産会社を見極める
- 適正価格で売り出す
- 手元に残るお金を知るために売却にかかる費用を知る
今回お話したこの3つの方法は、全て売却前の「下準備」ともいえます。
しっかり準備してマンション売却に臨み、高額売却、早期売却を目指しましょう。