マンション売却の手続きは?最短でも必要な期間もまとめました

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不動産会社の担当者

目次

マンションの売却はどのような手続きを経て行われるのでしょうか。何度も経験することではないのでどれくらいの期間がかかるのかわからない場合もあります。売り出し期間は予測困難なものの、査定や売買契約の期間はある程度予測可能です。

マンション売却の大きな流れと期間

売り出し期間を除くと2ヵ月前後

マンションをはじめとする不動産の売却には、大まかな流れで言えば、査定と媒介契約、売り出し、売買契約の段階になります。
概ねの期間は、以下のとおりです。

  • 査定から販売開始まで 2週間から1ヵ月
  • 売り出し期間 物件による
  • 成約から引渡しまで 1ヵ月から1ヵ月半

ここでは、マンション売却の流れに沿って、その手順を解説していきます。

売買の入り口・査定

まずは査定を依頼しよう

査定と媒介契約にはおよそ2週間から1ヵ月程度の時間がかかります。

査定とは、不動産を売り出す価格を決めることです。仲介業者としても売れない価格を提示しても意味がありません。多くの仲介業者はきちんと売れる価格を査定してくれます。査定自体は1週間から2週間程度で行われ、その後売主に提示されるものです。

実際に物件を見て査定を行う実地の査定と、データだけで行う机上査定があります。実地の査定は現地調査の時間調整などで期間がかかってしまいますが、より実地の査定の方が正確です。これに対して机上査定は、時間はかからないものの、その物件の個別的な要因は反映されません。物件を売る前提であれば、実地の査定を依頼しましょう。

マンションの場合、土地のみや一戸建てよりも早いことも査定が早い傾向にあります。管理会社が多くの資料やデータを持っていること、土地境界の争いが少ないことが理由です。マンションの他の部屋が売りに出されていると査定価格の参考にもなります。

相場を知ることが大事

howmaなどを参考に

マンションの査定を売主に提示すると、「こんなに安いはずがない」とおっしゃる人もいます。自分や両親が購入した価格を覚えていて、その落差に驚いてしまうのです。

気持ちはわかりますが、仲介業者も相場に基づいて査定をしています。相場からかけ離れた価格は売れなくなってしまうので出しにくいものです。今はネットでも相場が分かるサイトがいくつもあります。こうした情報を頼りに仲介業者の査定額をチェックしてみましょう。

媒介契約の締結

住宅を売買するときの契約書

物件の査定をしてもらい、売り出し価格を決めましょう。この後、仲介業者と媒介契約を締結します。媒介契約とは仲介業者に買主を探してもらい、契約までの手続きを依頼する契約です。

媒介契約を結ばないと仲介業者としても広告を出したり、ネットに掲載したりといった販売活動ができません。なるべく早い段階で媒介契約は結びましょう。

買い取りだと早いが安くなることも

見積もり・打合せ・営業マン

仲介業者の中には、買主を見つけてくる媒介契約だけでなく、その仲介業者が物件を買い取って転売する 買い取りを行っている業者もあります。

ネットを見ると、「最短3日で買取」といったCMをしている業者もいるほど。これは、物件を買い取り、必要に応じてリフォームをして転売することが目的です。やり方によっては、仲介手数料よりも大きな利益を生むため、買い取りをメインにしている業者もいます。

この買い取り、仲介のように買主を見つける必要がありません。業者との金額の折り合いがつけば、短期間での売買が可能です。売主にとっても早く確実にマンションが売れるので利用する人もいます。

ただし、売買金額については安くなる傾向も。業者としてもリフォーム費用、物件の買い取り費用などのコストがかかるものです。例えば、仲介に出せば2,000万円で売れるマンションでも買い取りだと1,500万円になってしまいます。とにかく早く手放したい、という人には最適な方法です。

いよいよ販売開始

販売期間は読みづらいが3ヵ月くらいが目安

カレンダー

買主が現れるまでの期間は一概に何ヵ月ということはできません。人気の物件であれば、金曜日に売りに出したマンションが土曜の朝に売れることもあります。逆に人気のないマンションはいつまで経っても売却できないものです。

仲介業者の目安としては、3ヵ月程度の間に3組から4組程度の買主候補が現れるように査定額を決めています。この3ヵ月の期間は媒介契約の契約期間です。仲介業者としても長引く媒介契約は避けたいもの。最初の契約で売却しようするのです。

内覧希望があった場合

内覧

物件の広告を出していると、内覧希望が届くことがあります。物件を探している人からすると、気になった物件は中を見てみたくなるもの。何千万円ものお金を使うのですから当然の考えです。

住宅は家族で住むことが多いのでご夫婦、またはお子さん連れで訪れます。家族で来るとなるとどうしても週末に集中しがちです。週末に内覧して購入を検討するにはさらに1週間から2週間がかかります。他にも購入の候補があるとさらに時間がかかることも。早く決めてほしい、というのが本音でしょうが、売主としては我慢のしどころです。辛抱強く待ちましょう。

条件交渉は短めに

内覧の前後に買主候補からさまざまな条件が出されることがあります。「価格を100万円下げてほしい」、「引渡し前にハウスクリーニングをしてほしい」などです。買主としてもなるべく安く手に入れたいのが心情。

一方の売主としてもこうした条件が出されることを念頭において売り出し価格を決めたいところ。売り出した価格そのもので成約することもありますが、多くは条件交渉が入ります。

どこまで条件を承諾するか、どれだけ時間をかけるかによって売り出し期間や成約価格は変わるものです。このあたりの交渉は仲介業者と相談して、価格のボーダーラインや条件の引き下げ限度などを決めておきましょう。

売買契約から引渡しまで

売買契約は最終段階

専任媒介契約

買主から購入の意思が伝えられてから、引渡しまでの期間はおよそ1ヵ月から1ヵ月半でしょう。意外と長い期間がかかります。これは契約書や引渡し書類の作成、住宅ローンの申請などの手続きが必要だからです。

購入意思確認から契約まで

買主から仲介業者に購入の意思が伝えられると、売買は契約準備の段階です。仲介業者は契約書、重要事項説明書などの必要書類の準備に入ります。仲介業者も無駄足を踏みたくないので、買主からのはっきりした意思が示されるまではこうした書類をあらかじめ準備することは多くありません。

売主としても情報提供を依頼されます。契約にあたって必要な書類も指示がありますので準備をしておきましょう。売主の場合は所有権移転登記に実印が必要になります。実印をはじめとする契約・引渡しに必要なものを仲介業者に確認しましょう。

住宅ローンの申請(買主)

中古マンションのローン審査

買主は住宅ローンを使うことがほとんどです。不動産の売買契約書がないとローンの本審査に進めないので、ローンの審査はどうしても契約後になります。契約から引渡しまでに時間がかかるのはこのためです。

この段階で審査に落ちることはあまりありませんが、売主としては少し不安な期間でもあります。ローン審査は一時期1ヵ月ほどかかりましたが、最近はスピードアップして1週間から2週間ほどです。

決済・引渡し

残金の決済と物件の引き渡しで不動産の売買は終了です。当日はスムーズに行けば半日もかからずに終了します。当日は書類のやり取り、司法書士による所有権移転登記申請書類の作成、仲介業者への仲介手数料支払いなどです。

契約から引渡しまでに、仲介業者に税金の計算方法などを相談しておけば、確定申告の時にあわてることもありません。

早期売却を目指して

準備が大事

早期の売却を目指すとしても、売主側でコントロールできることは限られています。資料は前もって準備しておく、交渉は短めに、といったことです。特に相続物件などで契約書が見つからないなどはあらかじめ対策をしておくとよいでしょう。仲介業者を味方につけ、なるべく優先的に事務処理をしてもらうようにしましょう。