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マンションの購入を検討されている方は、新築にするか中古にするか悩ましいところなのではないでしょうか?
- せっかくの新居だし、新婚だし新築がいい!
- 金額的には中古マンションの方が助かる
- 新築の方が後々高く売れるんじゃないの?
このように新築・中古マンションのメリットとデメリットがせめぎ合って、なかなか答えがでませんよね。でも実は、中古マンションは新築と比較して金額が安いだけではなく、後々の資産価値を考えてもメリットが大きいと考えられます。とはいっても、やはり「新築は魅力的」と考える人も多くいらっしゃるでしょう。今回は、中古マンションのメリットとデメリットとともに、購入する際の注意点を解説していきますので、新築か中古かお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
中古マンションを購入する4つのメリット
中古マンション購入のメリット①:新築と比較して安い
まずは、新築マンションと比較した場合の中古マンションのメリットをみていきましょう。 中古マンション最大のメリットは、やはり金額が安いということです。 (出典:不動産経済研究所)
こちらは、2016~2019年の新築マンションの価格推移を表したグラフです。少し見にくいですが、青色のグラフが首都圏。赤色のグラフが近畿圏の新築マンションの価格推移です。2019年3月を見てみると、首都圏は6,552万円、近畿圏は4,404万円が新築マンションの平均価格となっています。一方、下記は中古マンションの価格の推移を表したグラフです。
(出典:東日本レインズ)
首都圏の中古マンション成約価格は、2016年から3,200万円前後で推移しており、2019年1月~3月期の成約価格は3,435万円になっています。
(出典:近畿レインズ)
一方、関西・近畿圏の中古マンションの同時期の成約価格は、2,360万円。統計からもわかるように、中古マンションは新築マンショの1/2近い金額で購入できます。
とくに昨今は、2013年頃からの金融緩和政策を受けて、新築マンションの価格がぐんぐん上がっています。中古マンションの価格も、それに引っ張られる形で上昇してはいます。しかし都内の新築マンションの価格は、もはや一般的なサラリーマンには買うことのできないような水準です。格安で買える中古マンションの需要は、近年とくに高まっています。
中古マンション購入のメリット②:これからの資産価値低下率が低い
なぜこれほどまでに新築マンションの価格が高いかというと、市場動向とともに建築費や人件費の高騰も大きく影響しています。また新築分譲マンションの価格には、販売のためにかかる費用も上乗せされています。分譲会社の利益になる部分などですね。つまり新築マンションは、中古になった時点でガクンと価値が下がるんです。その低下率は、分譲価格の5~10%だといわれています。
例えば6,000万円のマンションを新築で購入した場合、翌年に売ったとしても価格は5,500万円を切ってしまうことも考えられるということです。中古マンションも経年によって資産価値は低下していきますが、購入金額には販売のための費用は上乗せされていません。そのため購入後の資産価低下率は、新築と比べて低いと考えられます。
これからの時代、自宅も投資目線で選ぶことがもとめられます。これは「自宅投資」という考え方なのですが、マンションを売却すること、または賃貸で貸すことを想定して選ぶことで、資産価値の低下は最低限に抑えられ、住まいの買い替えのしやすさは向上します。人口が減少して空き家がさらに増加していくと見られる今後は、これからの資産価値を考えて住宅を選ぶことが大切なのです。
ライフステージに合わせた住み替えが主流
家は一生モノから、ライフステージに合わせて住み替えという流れに変わりつつあります。平均寿命が延び老後の人生も長くなりました。老後、広い家はメンテナンスだって大変ですし、オフィス街通勤圏内にこだわる必要もなくなるかもしれません。
一方、戸建て物件の場合はマンションと比較して、20年ほどで建物の価値はなくなると言われております。法定耐用年数は木造住宅22年、鉄筋コンクリートのマンションは47年です。実際はもっと古い家も流通しているのでその年数を過ぎたから住めないというわけではありませんが、マンションと木造戸建てではこれだけ異なります。理由は様々あるのですが鉄筋コンクリートのマンションの方が年数がたち古くなっても丈夫なのです。
中古マンション購入のメリット③:選択肢が多い
近年は、新築マンションの建設ラッシュともいえる時期。とはいってもご希望の地域の新築マンションなんて、せいぜい数棟ですよね?つまり「マンションは絶対新築がいい!」と決めてしまうと、それだけ選択肢が狭くなってしまうということなんです。中古マンションは、あらゆる場所であらゆる条件のものが売り出されています。新築マンションとは違い、立地とともに間取りや住環境などの選択肢が多いということです。
中古マンション購入のメリット④:実際に物件を見てから購入できる
新築マンションは多くの場合、建設中に分譲されます。モデルルームで建具や設備を見ることはできますが、実際に部屋を見てから購入するわけではありません。部屋ができあがってみると、以下のような点が「想定外だった」なんてことはよくあるものなんです。
- 窓からの景色が悪い
- 日当たりが悪い
- 思ったより狭く感じる
その点、中古マンションなら実際に見てから購入することができるので、「想定外」や「期待外れ」と思うことが少ない傾向にあります。
中古マンション購入の2つのデメリット
中古マンション購入のデメリット①:設備が古く使用感がある
では中古マンションのデメリットは、どんなところにあるのでしょうか。中古マンションの最大のデメリットは、やはり新品ではないこと。水回りも真新しいものではありませんし、壁紙や床には多少の傷がついていることは避けられません。でも中古の良いところは、新築より格段に安く購入できることでしたよね。その分浮いたお金はハウスクリーニングやリノベーションやリフォームにあてられるので、新築同様の住まいに変身させることも可能です。
中古マンション購入のデメリット②:マンション内の部屋の位置は選べない
全部屋が売りに出される新築マンションとは違い、中古マンションは基本的に1部屋ずつ販売されます。そのためマンションの立地やその他の条件が気に入っても、部屋の場所まで選ぶことはできません。マンション自体の選択肢は多いとはいえ、部屋の階数や角部屋、庭付きなどの条件を自由に選択できない点は、中古のデメリットだといえるでしょう。
中古マンション購入時の注意4つのポイント
中古マンション購入時の注意点①:管理状態をチェック
続いては、中古マンション購入で注意すべきところを解説します。
- 「マンションが気に入った!」
- 「部屋も申し分ない!」
という場合でも、必ずそのマンションの管理状態は確認するようにしましょう。多くの場合管理会社に管理を委託していますが、中には「自主管理」のマンションもあります。自主管理のマンションは、絶対に避けるべきとはいいません。
ただし清掃の手配や大規模修繕の計画などを住人自らおこなうということですから、満足な管理がなされていないことも考えられます。自主管理のマンションは管理費が安いというメリットがありますが、以下の点をとくに確認するべきです。
- ゴミ置き場や共用部の清掃状態等
- 管理費や修繕積立金の滞納が多くないか
- 長期修繕計画
中古マンション購入時の注意点②:長期修繕計画をチェック
新築、中古に関わらず、マンションは10年~15年に一度、大規模修繕がおこなわれます。マンションを購入する前には、修繕の計画がしっかりしているのか、そして修繕のための積立金は十分かどうか確認するようにしましょう。とはいっても、ご自身ではこの点を判断することはできないでしょう。仲介をお願いしている不動産会社の方に依頼すれば、修繕計画の有無と内容を確認してもらえます。
中古マンション購入時の注意点③:隣人をチェック
中古マンションを買うということは、すでに上下左右にお住まいの方がいるわけです。マンションは隣人トラブルが起きやすいので、購入に際してはそのマンションの住む人についてもチェックしましょう。
まずマンションの売主さんに、「お隣にはどんな方がお住まいですか?」とそれとなく聞いてみるのがいいと思います。それが一番確実ですからね。子育て世帯の場合は、それとともに管理組合や管理会社に苦情の有無を聞いておくのもいいでしょう。直接、隣人に苦情をいわない人も多いからです。
中古マンション購入時の注意点④:資金計画をチェック
中古マンションだから住宅ローンが通らないという場合はありません。ただ、金融機関によっては返済期間を35年にはできないとか、ごくまれに住宅ローンの審査が下りない再建築不可物件も市場には出回っております。銀行によって対応は様々です。もしローンを組むにあたりお願いしたいと思っている金融機関がありましたら、早めに資金融資条件を相談しておくのもいいでしょう。
マイホーム購入時の税金控除特例も新築とは異なりますし、修繕積立金の値上がりが早いかもしれません。新築と比較してマンション単体だけは安いことは間違いないのですが、諸々のコストやローン返済額といった家を購入後に出ていくお金の見積もりも出しておきましょう。
中古マンション購入のメリットとデメリット:まとめ
この記事では以下の内容を紹介しました。