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元営業マンが語る!家を買う時に鵜呑みにしてはいけない不動産営業担当の言葉

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元営業マンが語る!家を買う時に鵜呑みにしてはいけない不動産営業担当の言葉

目次

マイホーム購入後の方は読まないでください

物件探しに始まりローン契約を締結して引き渡しが行われるまで……この家を買うまでの間、本来ならあなたと不動産営業マンの関係は信頼し合える良きパートナーであるべきでしょう。しかし、不動産営業マンの言葉の中には、鵜呑みにしてはいけないものもあります。単なる営業テクニックの範囲なら良いのですが……中には悪質な嘘もあるのでご注意ください。

家を買うあなた!営業マンから事実とは異なる説明をされたくありませんよね。それなら、この記事を参考にしてください。元営業マンである私が、家を買う時に鵜呑みにしてはいけない営業担当の言葉、8つの常套句をご紹介します

2つの共通点!家を買う時に鵜呑みにしてはいけない営業担当の言葉

マンション物件の内覧・内見

営業マンは家を売るためなら嘘もつく

説得力のある説明をする営業マンや、熱血と誠意で家を買うお世話をしてくれる営業マンなど、不動産の営業マンにもいろいろなタイプがいます。中には、家を売るために嘘をつく営業マンもいるので注意してください。そんな悪質な営業マンの営業トークには2つの特徴があります。

  1. 話に根拠がない
  2. 早期の購入を促すのが目的

 これらの特徴を持つ営業マンにあたってしまったら、家を買うのをちょっと待ったほうがいいかもしれません。ただし、不動産に詳しくないと、「話に根拠がない」とも「早期購入を促すのが目的だろう」とも気付けないでしょう。営業マンの話を見極められないからです。

不動産に詳しくない方でも悪質な営業マンに気付けるように、彼らがよく使う8つの常套句を紹介します。彼らの常套句を知っておけば、違和感に気付けるので、家を買うときに冷静な判断ができるでしょう。

家を買うときは注意!悪質不動産営業マンが使う8つの常套句

営業マン

家を買うとき注意!営業マンの常套句①:「みなさん真夏のことを考えて、南向きは嫌だと言いますよ」

不動産に限りませんが、営業担当は時折「みなさん○○されています」という言葉を使います。「みんながそうしているなら自分もそうしよう」と思わせる効果があるためです。 行動心理学では「バンドワゴン効果」として知られていますね。

さて、本来ならば人南向き物件は人気であり、不動産の価値としてもプラスです。しかし、悪質な不動産営業マンは南向き以外の物件を売るために、「南向きは嫌だと、みなさん言っています」と出まかせを言います。もちろん、根拠もデータもありません。

家を買うとき注意!営業マンの常套句②:「カウンターキッチンはリビングが狭くなるので壁付けキッチンを選ぶ人が多いんです」

たしかに、カウンターキッチンはリビングが狭くなるのがデメリットです。しかし、壁付けキッチンのほうが選ばれている統計データが、あるわけでもありません。実際は、むしろカウンターキッチンのほうが喜ばれます。壁付きキッチンの家を売るために、「カウンターキッチンを選ぶ人が多い」と言うのです。

家を買うとき注意!営業マンの常套句③:「ローン金利が低いうちに買う人が多くて、この辺の分譲地は物件が少ないんです」

残り少なくなった分譲地の物件を紹介されたら、それは単に「売れ残り」の可能性があります。何らかの欠点があるかもしれません。また、ローンの仕組み上、金利が明日から急に高騰するなんてこともありません。このように少しでも不動産営業マンの言葉に違和感を感じたら焦らずに、よく考えることです。不動産営業マンの目的は、あなたを焦らせて家を売ることですから、その手に乗ってはいけません。慌てずにしっかりと検討をしましょう。

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家を買うとき注意!営業マンの常套句④:「最初はローン返済が大変でも、子供の手が離れたら夫婦で働いて返す方が多いです」

これは結構、悪質です。なぜなら、予算オーバーの物件を勧める時に出てくるセリフだからです。あなたのライフプランを不動産営業マンに決めてもらう必要はありません。また、相手の口車に乗ってしまうと、毎月のローン返済額はかなりきついものになってしまいます。 身の丈にあったローン返済額になるよう、物件と借入額は自分で決めましょう。

家を買うとき注意!営業マンの常套句⑤:「このまま賃貸だと家賃(お金)がもったいないですよ!」

税金 お金

この言葉は多くの不動産営業マンが口にする言葉なので、悪質とまでは言えません。言っていることに間違いはなく、早めに家を買ってローンの返済を始めるのも1つの手です。ただし……実は、今すぐ家を買おうが貯金するために買う時期を多少遅らせようが、金利が変わらなければ大した差はないのです。わかりやすいようにシミュレーションしてみましょう。

たとえば、今現在、家賃8万円の物件に住んでいたとします。今すぐフルローンで家を買うのと、1年後までに100万円貯金して家を買う場合、両者の違いを見てみましょう。

≪ローン条件≫

物件価格:3,000万円
金利:1%
借入期間:35年

2019年1月1日に物件をフルローンで購入した場合

  • 完済年月:2054年1月
  • 毎月返済額:8万4,685円
  • 総返済額:3,557万7,667円

2020年1月1日に頭金100万円を入れてローンで購入した場合

  • 完済年月:2055年1月
  • 毎月返済額:8万1,862円
  • 総返済額:3,439万1,757円

たしかに今すぐ家を買って、払っていた家賃をローン返済に充てたほうが得という考え方もできます。ただ貯金して1年後に家を買ったとしても、ローンの完済が1年遅れるくらいしか違いはありません。むしろ、1年間で貯金して家を買ったほうが毎月の返済額は3,000円の負担減。総返済額も20万円お得になるのです。

焦って物件を買ってしまい、「希望と違う! 」なんてことになっては本末転倒。時間は十分ありますから、営業担当の言葉に惑わされずローン返済額はしっかりシミュレーションしましょう。

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家を買うとき注意!営業マンの常套句⑥:「ちょうど申し込みが入ってしまいました」

モデルハウス、オープンハウス
ポイント

「ちょうど申し込みが入ってしまいました」という言葉は、いわゆる「おとり物件」や「おとり広告」という違法な広告物件に対して使われる言葉です。

不動産業界の古い悪習であり、「別の物件を契約させるために来店させる」のが目的。営業担当はその物件を紹介するつもりもありませんし、最初から存在していない物件です。

せっかく物件の問い合わせをしたのに「ちょうど申し込みが入りました」というセリフが出るのは、そもそも不動産会社が存在しない物件を広告しているため。つまり、嘘を付く前提で広告を出しています。その不動産会社とは早々に手を切りましょう。

家を買うとき注意!営業マンの常套句⑦:「キャンセル物件が出ました!」

よく使われているのが、電話をかけてきて「ご希望のエリアでキャンセル物件が出ましたよ!」という言葉。この言葉を聞いて多くの人は以下のように思います。

  • 「一度売れたのに何故キャンセルしたの?」
  • 「キャンセルってことは訳アリ物件ってこと?」
  • 「でも一度は売れた物件。良い物件の可能性もある」

他の人が欲しかった物件はよく見える

キャンセル物件と聞くと、多くの人が疑心暗鬼になります。しかし、不動産営の業担当は続けて以下のセリフで安心させます。

「購入を決められたお客様のローン審査が通らなくて……」

購入者の問題でキャンセルになったのなら、物件に問題はありません。また、一度契約しようとした人がいたのなら、その物件が人気物件のようにも思えます。しかし、そもそも、キャンセル物件の話自体が「でっち上げ」のケースもあるので注意してください。「キャンセル物件が出ました!」と嘘を付けば、売れ残り物件を買わせることができると、不動産営業マンはよく知っています。だから、このような嘘をつき、言葉を鵜呑みにしてくれる人に売れ残り物件を押し付けるのです。

家を買うとき注意!営業マンの常套句⑧:「実は……」

不動産営業マン

 

最後にご紹介するのが「実は……」という言葉。この記事でも「実は」という言葉を何度か使っているのに気づかれたでしょうか。

人は会話の頭に「実は」と付けられると、無意識に「なになに? 」という心理が働いて聞いてしまいます。重要な話かどうかに関係なく「実は」と付いたフレーズには自然と耳を傾けてしまうのです。会話におけるテクニックの一つですから悪質ではありませんが、「実は」というほど重要な話ではないことも多々あります。

元営業マンが語る!家を買う時に営業担当の言葉に惑わされない方法

不動産の相談、不動産業者

ライフプランに合わせてご自分が買うかどうか決めましょう

この記事では以下の内容を紹介しました。

私自身、過去に賃貸、売買、投資用不動産の営業をしていましたが、家を買う時に営業担当の言葉に惑わされない方法がいくつか考えられます。

  • 物件の詳細は自分でしっかり調べる(営業担当の嘘を見抜けます)
  • 営業担当の話す言葉をメモに取る(営業担当の言葉を冷静に判断できます)
  • 質問に対して返ってくる答えは自分でも検証する(慌てず焦らず判断するためです)
  • 言葉に違和感があったら根拠を確認する(営業担当の言葉を鵜呑みにしないためです)
  • あくまで決定権は自分にあるのを忘れない(営業担当のペースに乗せられないようにしましょう)

などなど。上記をあからさまに行うと営業担当も嫌がります。わざわざ営業担当を敵にする必要はありません。むしろ、いざ買いたい物件が見つかった時に値引きなどのサービスを全力で引き出せるよう、営業担当を味方につけるのがベスト。営業担当の発する言葉は、あくまで検討材料の一つです。検討するのも家を買うのも全て自分であることは、しっかり心に刻んで家探しに臨みましょう!