新築マンションの価格高騰によって割安な中古マンションが注目されています。割安とはいえ、人生の中でいちばん大きな買い物であることに変わりありません。「買い時」を間違えると、思わぬ出費につながり、痛い目に遭うことも。買うべき時期とはいつなのか、どんなタイミングで購入したらよいのかなどについて考えていきましょう。

中古マンションを買うタイミングはひとつではない

チラシの「今がマイホームの買い時!」は本当なの?

不動産のチラシなどにはよく「今がマイホームの買い時!」といった文字が躍っています。かと思うと、「東京オリンピックまでは日本の不動産は上昇基調だから、買うならオリンピック後がいい」と言う人もいます。いったいいつが本当のタイミングなのか、迷ってしまいますよね?

実は、一口に「買い時」といってもいろいろな視点があります。つまり、見方によって複数の「買い時」が存在するというわけです。以下、さまざまな視点から見た「買い時」について説明していきましょう。

1)価格相場の動きから見た買うタイミング

中古マンションの価格はそのときの不動産相場や需要と供給のバランスによって常に動いています。同じような立地、同じような広さなど、条件は同じでも、そのときどきで価格は変わるものです。

不動産相場が下降傾向にあるときには、マンションを安く買えるチャンスが高まるわけですから、「買い時」と言えるでしょう。相場が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのかをチェックするには国土交通大臣が月に一度発表している「不動産市場動向マンスリーレポート」などを見てください。

(参考)http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000114.html

今の不動産市場は2012年12月以降、いわゆる「アベノミクス」の影響で上昇トレンドに入っており、2020年のオリンピックまではこの状況が続くだろうと言われています。

2)住宅ローンの金利から見た買うタイミング

(参考)http://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/shinki/kakokinri.html

中古マンションを購入するときには現金一括払いではなく、住宅ローンを組んで購入する人が圧倒的多数でしょう。ローン返済の金利の安いときに不動産を購入するというのもひとつの考え方です。

たとえば、同じ3000万円を35年返済で借り入れた場合、住宅ローンの金利が3%なら、毎月の返済額が11万5455円、 総返済額は約4849万円、1%なら毎月の返済額が8万4685円、総返済額は約3556円(どちらも元利均等返済、固定金利でシミュレーション)。実に1300万円近く差があります。

現在は日銀によるマイナス金利政策によって住宅ローンの金利も1%を切るものも珍しくありません。例えばネットで仮審査もできる住信SBI銀行住宅ローンであれば、新規の方の変動金利は0.457%です。

5年固定金利で1%代のものもあります。不動産のチラシに「低金利の今が買い時!」と書かれているのも納得してしまいますね。

3)消費税増税の時期から見た買うタイミング

マンションを売却するときのリフォーム

「消費税増税前の今が買い時!」というのもよく聞かれる声です。現在、消費税は8%で、2019年の10月から10%に引き上げが予定されています。

ですが、不動産は売主が業者の場合は消費税がかかり、個人の場合は消費税がかからないという決まりになっています。中古マンションは個人間取引が多いので、その前に駆け込みで買う必要はないでしょう。

ただし、中古マンションを購入して大規模リフォームを施したい場合は増税前のほうがいいかもしれません。来年10月以降になると、リフォーム用の建材から部材、人件費まですべてにプラス2%の消費税が上乗せされることになります。リフォーム費用が1000万円とすれば、その消費税は増税前と後では20万円の差に。これはけっこう大きいですね。

4)人生設計から見た買うタイミング

中古マンションは誰でもいつでも買えるものではありません。先にほとんどの人が住宅ローンを組んでマイホームを買うと書きましたが、そのためには金融機関の審査をパスしなくてはなりません。要は貸したお金をきちんと返済できる人かをチェックするわけです。

審査される項目はいろいろありますが、借りる側の働き方と勤続年数もそのひとつ。一般的に、企業などに勤めて3年以上であればOK、自営業やフリーランスに対しては収入の安定性が低いとみなされ、審査は厳しくなります。

筆者はライターとしてフリーランス歴25年以上で、出版社に勤める友人から独立の相談を受けることもしばしば。その際に「フリーランスは信用がないので、お金を借りるのも難しい。中古マンションが欲しいなら、社員のうちに買っておけ」とアドバイスするのですが、興味は仕事の独立のほうに向いているので、住まいのことなど二の次。そして、後にマイホームが欲しくなって住宅ローンの審査を受けるも玉砕し、「あのとき、アドバイスに従っていればよかった!」とみなさん後悔するのです。

「サラリーマンには信用がある」というのはその立場にいるうちはあまり実感できないもののようです。もし、将来的に独立したいという思いがあるのでしたら、会社員のうちに買っておくとよいと思います。

また、中古マンションをローンで購入する場合には物件価格の1割程度の頭金と諸費用も必要です。自分のキャリア設計のみならず、資金面での準備ができていることも「買い時」の条件のひとつといえるでしょう。

5)1年のうちの不動産の動きから見たタイミング

1年という短いサイクルの中にも「買い時」が存在します。新年度である4月に合わせて住み替えをする人が多いため、毎年1~3月には中古マンションの供給が多くなります。

選択肢が増えるということは自分の希望する条件のマンションが見つかる可能性も高くなるということ。こうした点から1~3月は買い時といえるでしょう。

ただし、この時期は供給だけでなく、需要も多いので、そのぶん競争も激しくなります。この時期から物件を探し始めるのでなく、少なくともその2~3か月前にはスタートしたいものです。いくつか内見をして相場観を磨いたり希望する条件をクリアにしたりして、1~3月の物件が出回る時期には内見から決断までをスピーディにできるように準備しておきましょう。

中古マンションの買い時をどう考えるか

いつ欲しい中古マンションに出会ってもいいように準備

以上、いろんな視点からの「買い時」をご紹介しましたが、「では、どのタイミングを選べばいいの?」と思った方もいらっしゃることでしょう。まず、個人的には「1」の不動産相場から買い時を決めるのは難しいと思っています。

「相場が下降傾向ならば安く買えるチャンス」と書きましたが、実際には下降トレンドでは「もっと下がるかもしれない」という心理が働き、なかなか手が出せないもの。

それに、相場がこれから上がるのか、下がるのか、いつが底になるのかは実はプロでも見きわめるのは難しいのです。

マンションは欲しいときが買い時

よくマイホームは「欲しいときが買い時」と言います。筆者は不動産業者が客に買わせるための常套句にすぎないと思っていましたが、ある意味、真理でもあると思います。

マイホーム購入を先延ばしにするリスクはいくつかあります。たとえば、マイホーム購入の動機のひとつに「自分の資産になるから」というのが挙げられますが、家を借りていれば自分の資産にならない家賃が毎月出て行ってしまうこと。家賃が10万円だとしたら年間120万円、5年で600万円にもなります。

いまの低金利時代でしたら、先延ばしにしている間に金利が上がるリスクもありますし、その間に年もとって定年後にローンが完済していないリスクもあります。

もちろん、十分なリサーチや資金計画もないままに勢いで購入することはお勧めできません。でも、こうしたリスクを考えると、相場よりもむしろ「欲しい!」と思える物件に出会ったときが買うタイミング(=すぐに買える)になるように常に準備をしておくのが賢明ではないでしょうか。

つまり、貯金をしておくとか、金融機関の審査に通るような働き方や年収にしておく、といったことです。その上で、低金利などの環境が整っていれば、それは中古マンションの最高の「買い時」といえるのではないでしょうか。

マンション売却を考えているものの、何から始めて良いのか分からない方へ
マンション売却の査定をする前に

マンションの売却は一生に一回あるかないかの事です。非常に大きな金額になりますので「なるべく高く早く売りたい」という方は多いと思います。

そのために一番大切な事は「査定」で売却を依頼する不動産会社を見極める事です。ここからはその査定をする前に必ず読んでおいて頂きたいマンション売却20ヶ条をお話します。

マンションを売却する前に必ず読みたい20ヶ条
柏木珠希
フリーライター、渋谷区の商業ビルのオーナー。著書に「大家さん! これからの投資はシェアハウス・ゲストハウスがおトクです!」(秀和システム)、「20代、持ち家なし、貯金100万円でも月収以上を稼げる『オモロー式』不動産投資講座』(プレジデント社)など。