耐震が心配?中古マンションで重要なのは築年数ではなく実態

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マンション

2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震など大きな地震が立て続けに起こったこともあり、多くの方がマンションを購入する際の判断基準に耐震性を挙げるようになりました。

本記事では、中古マンションの購入を考えられている方に向けて、中古マンションの耐震性の判断基準などをお伝えしていきます。

中古マンションの耐震性ってどうなの?

見つめ合う男女

建物の耐震性を表すものの一つに「耐震等級」と呼ばれるものがあります。

耐震等級とは、地震に対する建物の強さの基準を表すもので、耐震等級1が「震度6~7の地震に対して倒壊せず、震度5程度の地震に対して外壁や外壁に被害が出ない程度の強さ」を持つものとし、耐震等級2をその1.25倍、耐震等級3をその1.5倍の強さとしています。

ただし、耐震等級は住宅性能評価制度が導入された2000年以降のマンションに設けられるもので、それ以前の中古マンションにはありません。また、2000年以降に建てられたマンションであっても、耐震等級以外に耐震性を判断する方法を知っておくと安心できます。

次で、マンションの耐震性を判断するポイントを3つに分けて解説していきます。

中古マンションの耐震性を判断する3つのポイント

2人の女性スタッフ

耐震等級以外で中古マンションの耐震性を判断できるポイントは、以下の3つです。

  • 築年数(旧耐震、新耐震とコンクリートの寿命)
  • マンションの管理状況
  • 倒壊しやすい条件

築年数(旧耐震、新耐震とコンクリートの寿命)

まずは築年数について確認しましょう。

耐震基準について

建築基準法による建物を新築する際に求められる地震への強さを耐震基準と呼びます。

1981年6月に建築基準法が改正され、1981年6月以降のものを新耐震基準、1981年5月以前のものを旧耐震基準と呼ぶらです。新耐震基準か旧耐震基準かの分類は、建物の完成日ではなく、建物を建てる前に行う建築確認申請の日付によって行われます。

建築期間が3年の建物の場合、建物完成が1983年1月であっても、建築確認申請を承認された日が1980年1月ということもあります。この場合は、1983年完成の建物でも旧耐震基準です。

タワーマンションなどの超大規模マンションをのぞくと、一般的なマンションの建築期間は長くても2年ですので、1983年以降に建物が完成している物件は、概ね新耐震基準と考えて良いでしょう。

1981年6月~1983年に完成したマンションに関しては新耐震、旧耐震混在の時期になので、気になる方は建築確認申請日を確認して、新耐震か旧耐震化を判断すると良いです。

コンクリートの寿命

中古マンションの築年数について確認しておきたいものの一つに、コンクリートの寿命があります。

コンクリートの寿命は117年とされているため、数字上、心配する機会はそう多くありません。しかし、目に見える範囲でさまざまな箇所にコンクリートのひび割れが見られるようなケースでは、専門家の意見を聞くなど、慎重に判断するようにすると良いでしょう。

マンションの管理状況

マンションは建てられた後、適切に維持管理されなければなりません。基本的には、管理会社の策定した長期管理計画などを元に、入居者からなる管理組合の多数決でマンションの修繕工事などが実施されていきます。

たとえば、外壁や屋上などは常に外気や風雨にさらされるため、外壁の素材や塗布された塗料にもよりますが、概ね10~15年程度で塗り替えや補修を行わなければコンクリートの劣化が進みやすくなってしまいます。こうした工事を大規模修繕と呼びますが、修繕には当然、お金がかかります。

修繕のための費用は、入居者が毎月修繕積立金を積み立てていくのですが……修繕積立金が少なく設定されていると工事費が不足し、適切な工事が実施されていないケースもあります

修繕工事の履歴等は中古マンションを購入する前に売主側の不動産会社に問い合わせれば見せてもらうことができます。確認しておくと良いです。

倒壊しやすい条件

築年数や維持管理状況とは別に、そもそも倒壊しやすいマンションかどうかという点の確認も大事です。

たとえば、過去、地震を原因として倒壊した建物の傾向を見てみると、以下の2つが分かります。

  • ピロティ―のある建物は倒壊しやすい
  • 階数が高いほうが倒壊しやすい

それぞれ見ていきましょう。

ピロティ―のある建物は倒壊しやすい

一階部分は駐車場などの抜き打ちで、二階以上に部屋があるマンションをピロティーと呼びます。このピロティ―のあるマンションのほうが、非ピロティ―のマンションより倒壊しやすいというデータがあります。

階数が高い方が倒壊しやすい

また、高階層のマンションのほうが、そうではないマンションと比べて倒壊しやすいというデータもあります。高階層のマンションは一戸建てにはない特徴で、魅力を感じる方も多いかもしれません。しかし、より安全を求めるのであれば適度な高さのマンションを選ぶのが良いと言えるでしょう。

中古マンションは長い年月倒壊していないことが実証されている

高層マンション

先に挙げた3つの判断基準以外に、耐震性の判断となるのは地盤の強さです。どれだけ頑強な建物を建てても、地盤が緩ければ耐震性は大きく損なわれます。プリンの上の強固な建物を想像して頂ければわかると思いますが、ゆるゆるの地盤の上であれば、地震伝搬率が強烈に上がるため、固い建物もあまり意味をなしません。

しかし、すでに建っているマンションの地盤の強さを判断するのは簡単ではありません。地域ごとに、「この辺りは地盤が強い傾向にある」といった程度のことは分かりますが、新築工事の際に穴を掘って地盤の強さを直接確かめるのは、ほぼ不可能。

ただし、建物が長く建っていると、基本的に地盤は固められていく傾向にあります。確実ではありませんが……長く建っているマンションはそれだけ安心できると判断することも可能です。

つまり、築年数が古いだけで、長い年月マンションが倒壊していない証明にもなります。耐震等級などで建物の地震に対する強さなどを確認することはできますが、実際に地震が起こった際に、建物が倒壊するかどうかは地盤や基礎、構造材、コンクリートの耐久度や建物の構造(ピロティの有無等)や階数など……さまざまなことが関係してきます。

中古マンションの耐震性についてはこれら複数の要素を判断する必要がありますが、築年数が古いというだけで一定の耐震性を備えていると判断することもできるのです。ただし、長く建っていることにより、耐久性が落ち、引いては耐震性が落ちることも考えられるため、最終的には専門家の意見を聞きながら判断すると良いでしょう。

まとめ

住宅

この記事では以下の内容を紹介しました。

中古マンションの耐震性について、耐震等級や、耐震等級以外の耐震性の判断基準などをお伝えしました。とくに地盤には要注意です。

建物の耐震性は単に数字上のことだけではなく、「実際に地震が起こったときに倒壊しないこと」が求められるでしょう。築年数の古いマンションには、これまで壊れなかった実績があります。一方、新しいマンションには、強い設計基準で設計されている裏付けがあります。それぞれに、地震に強いアピールポイントがあるため、耐震基準つまり築年数だけに捉われず、総合的な判断が重要です。