もうすぐ年末調整!誰でもできる住宅ローン控除の計算としくみ

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マンション売却時の確定申告の必要書類

目次

計算方法が気になる住宅ローン控除とは一体どんなもの?

税金が減らせるお得な制度

マンションを売却したときの確定申告

まず住宅ローン控除と言われるものは、正式に『住宅借入金等特別控除』と呼ばれるものです。具体的には、借り入れしている住宅ローンの年末の残高1%分を、支払い済みの所得税から還付されたり、来年支払う住民税を減らしたりする制度です。

控除期間は10年間が最大期間となっています。

またこの制度は、新築物件だけでなく中古物件やリフォームをした場合にも一定の条件を満たせば対象となります。では控除を受けられうるのはどんなパターンなのか見ていきましょう。

計算方法が気になる住宅ローン控除の対象となる例

マンションを売るときの税金

では一体どんな住宅ローンが対象となるのか見ていきましょう。
対象となるのは、一般的な銀行で借りる住宅ローンやフラット35などのローンです。普通に金融機関と呼ばれるところでは対象となりますので安心してください。ではどんな住宅ローンが対象となるのでしょうか?

それは一般的な金融機関から借りていない住宅ローンということになります。例えば親や親族から借りている。職場からの貸し付けも同様です。このようなケースの借り入れは、住宅ローン控除の対象外となりますので注意が必要です。

また平成33年12月31日までは一般住宅で40万円、長期優良住宅や低炭素住宅に認定されている場合は50万円が限度額となります。つまり、一般住宅で4000万円、長期優良住宅や低炭素住宅で5000万円を超えたところから住宅ローン控除対象外となるのです。

計算方法が気になる住宅ローン控除の対象となる例

マンションの資産価値

次に気になるのが、一般的な金融機関で借りていればすべての人が対象になるのかどうかだと思います。対象となるのは以下の条件を満たしている人です。

  • 合計所得金額が3000万円以下である。
  • 住宅ローンの借入期間が、10年以上。
    (ただし、バリアフリー改修促進税制・省エネ改修促進税制に関しては5年以上)
  • 新築または購入する物件の床面積が50㎡以上、総改築そのほかの場合も50㎡以上必要。
  • 住宅ローンの借り入れ主が住まいとして利用している物件
  • 中古物件の場合は、耐震性能を有していること。また耐火建築物(鉄筋コンクリート造など)は築25年以内、木造建築などは築20年以内。
  • リフォームの場合、増改築費用が100万円以上あること

上記が物件に対しての条件です。

計算方法が気になる住宅ローン控除で返ってくる金額を計算する

では実際に返金される金額を計算しましょう。住宅ローン控除額には上限があることをご説明しましたが具体的に見ていきます。

①年末の住宅ローン残高の1%
②自分の所得税納税額

上記2つの低いほうが控除額となります。ただし所得税から控除しきれなかった分は、一定額を住民税から控除することが出来ます。

わかりやすく具体例を挙げて説明していきましょう。

事例・Aさんは35才のサラリーマン

  • 年末の住宅ローン残高は、3500万円(毎年返済額は、128.5万円)
  • 納税している所得税額は、50万円
  • 返済期間は35年間
  • 住宅ローン金利は、1.5%

① 年末の住宅ローン残高の1%
3500万円 ×1%  = 35万円

② 自分の所得納税額 50万円
上記の場合、低いほうは①の住宅ローン残高となりますので、対象は35万円となります。
もしも所得税額が35万円を下回っていた場合には、翌年の住民税から控除を受けることが出来ます。

住宅ローン残高 控除額
1年目 3500万円 35万円
2年目 3371.5万円 33.7万円
3年目 3243万円 32.4万円
4年目 3114.5万円 31.1万円
5年目 2986万円 29.8万円
6年目 2857.5万円 28.5万円
7年目 2729万円 27.2万円
8年目 2600万円 26万円
9年目 2472万円 24.7万円
10年目 2343万円 23.4万円
10年間合計 291.8万円

上記が10年間の住宅ローン控除額となります。今回の例で行くと、常に納付所得税額(50万円)以下だったために、最大限の控除を受けることが出来るのです。

計算方法が気になる住宅ローン控除を最大限に利用する方法

10年間控除を受けられる方法と金額が分かったところで、最大限住宅ローン控除を利用する方法をお伝えします。
それは、夫婦共働きの場合は夫婦それぞれの名義もしくは連滝債務で住宅ローンを借りたほうが良いということです。

Aさんは35才のサラリーマン 奥さんはパート

  • 夫の年収は450万円、妻は200万円
  • 年末の住宅ローン残高は、3000万円(毎年返済額は、64万円)
  • 夫の納税している所得税額は、12万円
  • 妻の納税している所得税額は、3.5万円
  • 返済期間は35年間

例えば、年収450万円のご主人と、年収200万円の奥さんがマイホームを購入したとします。家の名義割合は、ご主人が8割奥さんが2割です。それに伴い、3000万円の住宅ローンを組んだ場合、ご主人が2400万円奥さんが600万円に分割とします。

夫の住宅ローン控除は以下の通りです。

住宅ローン残高 控除額
1年目 2383万円 23.8万円
2年目 2331万円 23.3万円
3年目 2279万円 22.7万円
4年目 226万円 22.6万円
5年目 2172万円 21.7万円
6年目 2117万円 21.1万円
7年目 2062万円 20.6万円
8年目 2005万円 20万円
9年目 1947万円 19.4万円
10年目 1889万円 18.8万円
10年間合計 214万円

ただしこちらのケースの場合には、所得税の方が安くなっていますので、住宅ローン控除としては12万円となり、差額分はよくとしの住民税から引かれていきます。

妻の住宅ローン控除は以下の通りです。

住宅ローン残高 控除額
1年目 597万円 5.9万円
2年目 582万円 5.8万円
3年目 569万円 5.6万円
4年目 556万円 5.5万円
5年目 543万円 5.4万円
6年目 529万円 5.2万円
7年目 515万円 5.1万円
8年目 501万円 5.0万円
9年目 486万円 4.8万円
10年目 472万円 4.7万円
10年間合計 53万円

ただしこちらも同様、所得税の方が安くなってしまうので住宅ローン控除としては3.5万円となります。しかし、夫のみで住宅ローンを組んで控除を受けるよりは多く住宅ローン控除を受けることが可能となるのです。

まとめ

計算方法が気になる住宅ローン控除

住宅ローン控除の仕組みと、ご自身の場合でいくら戻ってくるのか分かったでしょうか?

マイホーム購入は一大決心の買い物です。しかし、所得税や住民税が安くなったり利用すべき制度が沢山あります。その仕組みを知って少しでも負担が軽減されるようしましょう。