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マイホーム購入で失敗しないために
あなたの年収?世帯の年収?どっちの年収で予算を決める?
マンション購入を考え始めたとき、まず初めに取り掛かる作業は予算決めです。現金で購入であれば手元資金と相談すれば良いだけですが、大多数の方は住宅ローンを利用します。
銀行から融資を受けるわけですから、マンションを購入すると同時にローンを全額返済することがあなたの義務となるのです。最長35年の期間、毎月住宅ローンを返済していくので、マンション購入において予算決めは非常に重要な作業になるのです。
では、あなたは何を基準に予算を決めますか?
- 『主債務者単独の年収』
- 『世帯の年収(ご主人+奥様)』
どちらの年収にするか家を買う予算を考える場合の大きな分岐点です。
共働き世帯も増加しており、夫婦それぞれで収入を得ている家庭が非常に多くなりました。二人の年収を合計できれば購入予算を高くすることが出来るので、新築マンションや条件の良い中古マンションなど、幅広い物件の検討が可能になるので、年収を合算して購入予算を考える家庭も増加傾向にあるのです。
ただし、子供の誕生や世帯年収の減少などの家庭事情は考慮されないので、どんなことがあっても借入金額全額の返済をしなければいけません。
特にマンションは管理費などのランニングコストもあるので注意が必要です。
今後のライフプランは各家庭によって異なるので、『主債務者単独の年収』か『世帯年収』か、マンション購入前にしっかりと話し合いをしておきましょう。
今の年収で理想のマンションは購入できる?年収の何倍まで借りれる?
予算決めの方法を探しているとこのような言葉を目にする機会があるはずです。「マンション購入の適正予算は年収の〇〇倍」5倍とも7倍とも言われるケースがあるのですが、こんな単純な方法で適正な予算決めは出来るのでしょうか?
これは金融機関側の理屈です。貸付の限度額を収入基準に決めているというだけす。
予算決めのさいに気を付けて頂きたいのはランニングコストの存在です。
ランニングコストの代表例を挙げていきます。
- 管理費(マンションのみ)
- 修繕積立金
- 駐輪場・駐車場料金(マンションのみ)
- 固定資産税
- 都市計画税
など※マンションによってはその他名目の経費が必要になる場合があります。
つまり、あなたが毎月支払わなければいけないの毎月の支払金額は『住宅ローンの支払い金額+その他経費+固定資産税』となります。
さらに、管理費や修繕積立金などの金額は各マンションによって大きく異なります。総戸数の少ない低層マンションは、これら経費の金額が高くなりますし、総戸数の多い大規模分譲マンションではこれら費用が安くなる傾向があります。1万円のマンションもあれば5万円のマンションもあり相場はあるようでありません。
ランニングコストを考慮しなければ適切な予算決めはできないのです。
単純に「年収の〇〇倍まで」と言った計算方法では適切な予算決めは出来ないので、住宅購入を検討している方は絶対にやめましょう。借入金額の限界で住宅ローンを組み、買える範囲で最も高額な持ち家を所有したことでその後にふとしたことで生活が破綻するご家庭もたくさんあります。
マンション購入時に確認するべき4つの項目
ここからは、予算を試算するの必要な4項目を確認していきます。
- 毎月々の支払金額
- 利用可能な自己資金金額(頭金)
- 利用する住宅ローン商品(金利)
- ローン金額の確認
では、それぞれの項目を細かく確認していきましょう。
①毎月々の支払金額
「無理のない支払い金額は?」漠然と考えてもシミュレーションが難しいので、現在の家賃を基準にまずは考えて下さい。マンションを購入する場合、ローンの支払い以外に
- 【管理費】
- 【修繕積立金】
- 【固定資産税】
などのランニングコストが必要になります。
現在の家賃にこれら経費をプラスしても十分な貯蓄が出来るでしょうか?『 理想の支払金額 = ローンの支払金額 + ランニングコスト + 貯蓄 』筆者の個人的見解では、理想の支払い金額が手取り収入の20~25%以内に収まると理想的と考えています。
都心のマンションを購入したとしても一生住むかどうか分かりません。子どもにお金がかかる時期もあります。
②利用可能な自己資金金額(頭金)
マンションなどの不動産を購入するには諸費用(登記費用や手数料、火災保険など)が必要になるので、手元資金全てを頭金として利用できるわけではありません。マンション・一戸建ての諸費用はおおよそ物件価格の6~7%となるので、頭金を計算するときは忘れずに
※金融機関によって銀行保証料が必要ないケース、金利上乗せ可能なケースがあります。購入諸費用の計算、内訳の確認は物件ごとに行いましょう。
『 利用可能な自己資金金額(頭金) = 手元資金 − 諸費用 』
※新築マンションの場合、仲介手数料の支払いはありませんが、管理準備金や修繕積立基金などの費用が必要になります。
③住宅ローンの種類
大きく分けると、住宅ローンには変動金利と固定金利という2種類の商品があります。それぞれで金利が異なるので、どちらの住宅ローンを利用するで毎月々の支払金額(物件予算)が変わります。
変動金利
実効金利が低くローンの支払金額を抑えることが出来ます。ただし、将来的に金利が変動可能性があります。
固定金利
変動金利に比べ金利は高いのですが、ローンの支払いが終わるまで金利が変りません。ローンの返済が終わるまで支払金額が変わりません。
以前は新築物件限定の金利優遇プランがありましたが、現在は新築・中古などの物件種別にかかわらず最大の優遇金利の適用が可能です。
※融資には審査があるので、審査結果によって優遇幅は異なります。
「新築物件の方が金利が低いのでは?」
このような心配は不要なので、新築・中古問わず幅広い物件を検討して下さい。
④変動金利、固定金利それぞれのローン金額を確認する
一例で確認してみましょう。
- 【理想の支払金額:14万円】
- 【管理費・固定資産税などのランニングコスト:4万円】
まず、理想の支払金額から毎月必要になるランニングコストを引きます。そうすると、ローンの支払金額は上限で10万円となります。次に、それぞれの金利を下記に仮定し10万円の支払いになるローン金額を算出します。
- 変動金利:0.575%
- 固定金利:1.2%
※ローン金額は計算はネットで行えます。
変動金利では『3800万円』、固定金利では『3400万円』のローンを利用すると10万円の支払いとなります。
検討可能な物件価格は、上記金額+頭金となり、これで予算決めは完了です。
※各金融機関で返済上限年齢が定めれれているので、年齢によって借入年数が異なります。
予算決めは間違えないように
ゆとりある生活は適正な資金計画から
予算決めを間違えるとせっかくのマイホームがストレスの原因となります。
ゆとりのある資金計画が日常生活を充実させるので、目安や平均などという言葉は考慮せず、あなたのライフプランにあった資金計画を立てるように心がけましょう。家に合わせて生活するよりも、生活に合わせた家を買いましょう。