マンション売却で重要な不動産会社の営業担当の選び方5ポイント

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住宅の説明を聞くカップル

目次

家を売るという機会は、一生に一回程度ではないでしょうか。そこで大事なのが信頼できる不動産会社の営業担当者選び。そこで元不動産会社で働いていた現在は2児の母であるライターが女性目線で不動産会社の担当者選びのポイントを分かりやすく解説します。

いい不動産会社のいい営業担当者選びが売主の重要な役目

マンション売却には営業担当者の力量も大事

マンションの売却を成功させるのは、不動産会社の力量にかかっているといっても過言ではありません。そのため売主は売却前にしっかりと不動産会社の比較をし、検討と見極めをするのが何より重要です。

そして、それと肩を並べるくらい重要になってくるのが、実際に売却を担当してくれる営業担当者の見極め。不動産売却は、基本的に1人の営業担当者が一から百まで全てを担当します。

  • 広告活動
  • 問い合わせ対応
  • 内覧対応
  • 契約準備…

と、あなたのマンションの売却にかかる全ての業務をその人が中心となって行うわけです。いくら不動産会社のサービスが良く、実績が高かったとしても、営業担当社者次第では希望の売却は叶わないんですね。

希望すれば担当者は変更できる

基本的には不動産会社に査定依頼をした際に対応してくれた人や、訪問査定に来た人がそのまま担当者になりますが、希望すれば担当者は変更してもらえます。また売却期間中に「この人じゃダメかも…」と思ったら、その段階で変更してもらうこともできます。

なかなか成果が出ないときには不動産会社そのものを変えることも検討するべきですが、まずは担当者を変えてもらって様子を見るのもいいと思います。「変更してもらった途端に売れた!」なんてことも良く聞く話です。

営業担当者を選ぶ基準としては、次に挙げる5つのポイントを参考にしてみてください。

ちゃんと家を売ってくれる営業担当者を見極める5つのポイント

1、レスポンスの速さ

パソコン

まず営業担当として重要になるのが、レスポンスの速さです。不動産会社の営業担当者は、あなたのマンションの売却だけを担当するわけではありませんから、こちらから連絡しても不在だったり、なかなか捕まらなかったりすることは半ばしょうがないことでもあります。

しかしそこですぐさま折り返しの連絡をしてこなかったり、代わりの人をよこしてこなかったりする営業担当者はまず却下にしていいと思います。

売却期間中は、

  • 「こんな問い合わせがあった」
  • 「内覧希望が入った」
  • 「価格を変えてみようか」
  • 「契約日時はどうしようか」

このような報告や打ち合わせのため、何十回と営業担当者と連絡を取り合うことになります。そのときに「なかなか連絡が取れない」「聞いたことの回答に時間がかかる」となれば、売主はかなりストレスに感じるはずです。

また、あなたのマンション売却を担当するということは、それと同時に買主となりうる人の対応もするということです。例えば購入希望者の問い合わせに対して、折り返しの連絡が遅れてしまえば、その間に他の物件に興味を持たれてしまう可能性もあります。

「レスポンスの速さ」って「営業能力の高さ」に直結するといえるほど、重要な素質なんです。「営業成績のいい人」に共通しているのは、「よく電話を掛ける人」「フットワークが軽い人」「面倒見がいい人」と業界ではいわれています。それって全て「レスポンスの速さ」に通ずるものであり、その上に成り立っているものなんです。

まずは査定依頼での対応の速さや、メール対応、電話対応で、その素質がある人が見極めましょう。

2、清潔感

続いてチェックするポイントが、清潔感です。どんな人でも大事なポイントですが、「不動産」という高額な商品を扱っている営業担当者に対しては特にもとめたいものです。

清潔感というよりは、「パッと見の印象」でもいいと思います。「見た目で判断するのか」と言われそうですが、先述通りあなたのマンションの売却を担当するということは、買主になる人の対応もするということ。その人に好感を与えられるためにも、営業担当者の清潔感や印象を含めた見た目って結構大事なんです。

靴下に穴があいていないか、タバコ臭くないか、スーツやワイシャツにシワがよっていないか、少し厳しい目で担当者を査定してみてください。

3、その人の役職や資格、上司のサポートの有無

契約

訪問査定に来たら名刺を頂きますよね。その人に役職が付いていたり、保有している資格があったりすれば、必ずその名刺に書いてあります。

不動産業界って、完全な実力社会なんです。年功序列や勤続年数によって役職があがることはありません。そのため「役職」がつく営業担当者は、実力が保証されているようなもの。若い営業担当者でもしっかりと成績を上げている人は「主任」や「代理」などの役職が与えられているはずです。

宅地建物取引士について

また最低限、名刺に書いてあってほしい資格が「宅地建物取引士」。従来までは「宅地建物取引主任者」という資格でしたが、現在ではこの名前に変更になっているものです。いわゆる「宅建資格」というものですね。「担当者全員が持っている資格じゃないの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、そうとは限らないんです。

実は宅建資格は、売却活動する上で必ずしも必要になる資格ではありません。この資格が必要になるのは、売買契約における重要事項説明のときだけ。このときにだけ有資格者が説明すれば、それ以外の業務は無資格でもおこなえるんですね。ただ売主としてはできれば有資格者に売却活動をしてもらいたいものですよね。

売却をサポートする上司や先輩社員を確認

担当者が「役職なし」や「資格なし」だった場合、その後ろに付く人を確認してみてください。そのような営業担当者は「一人前」とみなされていませんから、上司や先輩とペアで営業活動をするのが一般的です。多くの場合で直属の上司やベテランの先輩が付くものです。そのようなサポートが得られずにその担当者1人でやらせるつもりだったら、まずお断りした方がいいと思います。

もし「役職がある担当者がいい」「宅建資格がない人はお断り」などの意向があるのであれば、素直に伝えるべきです。

「ちょっとわがままに思われない?」と心配かもしれませんが、こちらからすれば人生で1度や2度しかない不動産売却。担当者次第で売却金額に差が生じる可能性も大いにあるのですから、これくらいのわがままは言って当然だと思います。

また買い替えや任意売却など、綿密な資金計画を立てて欲しいケースでは、「ファイナンシャルプランナー」や「ローンアドバイザー」の資格を持っている営業担当者を指名するのもいいと思いますよ。

4、今までの実績

続いて確認するべきなのが、その担当者の実績です。実績といっても「営業成績」ではなく、「今までどんな物件の売買に携わってきたか」の確認です。

一口に不動産売買といっても、投資物件、土地、戸建て、マンション…と、物件の種類はたくさんあります。営業担当者は必ず「得意なもの」というものを持っています。今まで土地や戸建てを多く売却してきた人が、マンション売却のノウハウを持っているとは限りません。また同じマンション売却でも投資物件を専門にしてきた人は、一般の人への売却の経験は乏しいこともあります。

土地や戸建てとは違い、マンションの売却は管理や修繕の状況の調査も必要になってきますし、投資マンションと居住用マンションでは紹介する相手が全く違います。

そのためあなたのマンションが居住用のマンションなら、その経験と実績な豊富な担当者を選ぶべきです。

5、フィーリング

最後に確認したいのが、営業担当者とフィーリングが合うかどうかということです。最後にしてなんとも曖昧な判断基準ですが、これもとっても大事です。

一般的に不動産売却は4ヶ月~6ヶ月ほどかかるといわれています。この間、営業担当者とは何度も連絡を取り合い、何度も自宅に上げることになるんです。もしかしたら親兄弟や恋人なんかよりも会う頻度は高いかもしれません。

営業担当者って、ほぼ男性です。内覧の対応をしたり、主に連絡を受けたりするのって奥様ではないでしょうか?平日に写真撮影に来たり、内覧に来たりすることも多いですからね。

女性目線かもしれませんが、あまり好感が持てない男性を家に上げたりするのって正直苦痛。その他の基準で合格点を上げられる人だとしても、「なんかこの人嫌だな…」「合わないな…」と思うなら、違う人にするのも有りだと思うんです。

売却期間中は何かとストレスが多い

売却期間中って、「常に家をきれいにしておかなきゃいけない」「自分の家なのに人の家みたい」「まだ売れないのかな…」など、ストレスが多い期間でもあります。住み替えやお買い替えは、人生において必要なことですし、生活をよりよくするための前向きなご決断だと思います。でも住まいを変えることって、ご家族にとってはストレスに感じられる局面が多々あるんです。

そこを少しでもストレスフリーに、気持ちよく迎えるためには、近くで売却や買い替えのサポートをしてくれる営業担当者とは「気が合う」方が絶対いいと思います。

契約・引渡しが終わったあともお付き合いが続く場合も

営業担当者の中には、契約・引渡しが終わったあとも永くお客様とお付き合いしている人もいます。「ちょっとご飯食べにおいでよ」「リフォームしたいんだけどいい業者知らない?」などと呼び出されているんですよね。

取引が終わっても、気軽に住まいやその他の相談ができる人がいるってすごく助かるものです。もちろんマンション売却を成功させてくれればいうことはありませんが、そんな関係性を築ける、信頼できる人に、大切な資産であるマンションを売ってもらえたらいいですよね。

営業担当者に「売ってあげたい」と思わせるのも大事

人と人との信頼関係の上に契約は成り立ちます

不動産売買は、結局は「人と人」です。「この人に売ってもらいたい!」「この人なら信頼できる!」と思える人は、結果として買主からも「この人から買いたい!」と思ってもらえる人なんです。

営業担当者と売主の関係も、やはり「人と人」です。彼らは仕事で不動産売買をしているとはいえ、やっぱりそこは人間ですから、どうしても物件によって優劣をつけてしまったり、力の入れ具合に差が生じてしまったりするものです。「ありがとう」「期待しているよ」の一言でも、やる気が出て担当者の「売りたい」「売ってあげたい」という気持ちに繋がります。

ご自身のためにも、営業担当者とはより良い関係性を築くことは損にはならないはずです。そのためにも今回紹介した5つのポイントをもとに見極めをし、信頼ができ、好感が持てる人という前提が営業担当者には必要なのです。