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目黒区の売却事例①転勤によるマンション売却のケースに学ぶ

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目黒区の売却事例①転勤によるマンション売却のケースに学ぶ

目次

実際の売却事例を不動産会社の視点で解説します。今回は目黒区のマンションを売却されたAさんご夫婦の事例です。なお、プライバシーにかかわる情報は伏せておりますのでご了承ください。

2年前にマンションを購入したAさんご夫妻の事例

転勤だからはやく売りたい…目黒区の築42年50㎡の中古マンション

Aさん夫妻は、勤務地の変更に伴い、所有しているマンションを売却することとなりました。
「新居への引越しもあるので可能な限り早く売却したい」
高い金額で売却したいというよりも、早期売却を希望していたAさんご夫妻。

売却活動開始後3ヶ月で売買契約が成立、契約2か月後に物件の引渡しが完了し、大きな問題もなく無事に売却活動を完了させることが出来ました。

売却したい中古マンションのプロフィール

  • 住 所:東京都目黒区
  • 駅距離:最寄り駅徒歩12分
  • 築年数:築後42年
  • 間取り:50㎡台/2LDK

都内でも人気の高いエリアで、駅徒歩15分圏内とで物件の諸条件は悪くありません。
マンションの管理体制は非常によく、外観、共用部分共に築年数を感じさせないほどキレイに維持管理されていました。

フルリノベーション済みの物件を購入したとあって室内のコンディションは良く、設備機器の故障もなく、物件自体に大きな問題は見つかりませんでした。

物件以外の懸念点

しかし、全く懸念事項が無かったというわけではありませんでした。
以下3点が具体的な内容です。

  1. 住宅ローンの償却期間が短い(残債金額が多く残っている)
  2. 売買対象マンションの目の前に新築マンションが建築される(眺望が遮られる)
  3. 同じタイミングでマンション内に売却物件があった(上層階でコンディションが良くそちらの方が人気がありそう)

各項目別に解説していきます。

問題点1、住宅ローンの償却期間が短い

銀行の融資を利用してマンションを購入していたので、第3者に売却するためには『住宅ローンを全額返済』する必要があります。

Aさんご夫妻の場合、住宅ローンの償却期間が2年と非常に短いため、残債金額が減っていません。
売却資金を充当してローンの返済を考えていたので、購入時と同額程度の金額で売却しなければマンション売却自体が出来ないという状況です。

『可能な限り高い金額で早期売却をすること』
Aさん夫妻のマンション売却では、このことが求められていました。

問題点2、売買対象マンションの目の前に新築マンションが建築される(眺望が遮られる)

売買対象マンションは東向きで、売却当時の前面は空き地となっていました。
日当たりは良く、眺望が抜けているため、開放的な室内という印象です。
ですが、空き地には4階建ての新築マンションが建築される予定となっており、1年後には完成するという状況です。
マンション建築後、どの様な日当たり・眺望になるのか分からないので、これは大きな不確定要素となります。
不確定要素は物件の大きなマイナスポイントとなるので、建物の詳細資料を用意するなどの対策を講じる必要がありました。

問題点3、同じタイミングでマンション内に売却物件があった(上層階でコンディションが良い)

マンション

売買対象不動産の所在階は3階、同マンション内のその他物件の所在階は6階、マンション建築の影響を受けないということもあり物件の諸条件では劣っていました。
同マンション内の物件ということで、当然最大のライバル物件となります。

条件が劣っている以上、同じ価格で販売することは出来ないので、ライバル物件との差別化を行い売却活動を行わなければいけませんでした。

マンションの査定価格・当初販売価格

  • 査 定 価 格 :3千万円台前半
  • 当初販売価格:3千万円台中盤

購入価格とほぼ同額の金額だったので、住宅ローンの返済は問題ありません。
上層階の物件は3千万円台後半の価格だったため、販売価格は3千万円台中盤に設定、比較された場合であっても、価格差を設けているため大きな問題にならないと判断しました。

どのような売却スケジュールを立てたのか

カレンダー

先述した通りAさん夫妻に求められていたことは『可能な限り高い金額で早期売却をすること』です。
これを実現するために行った具体的な売却スケジュールを説明していきます。
今回のケースでは、以下の3項目を明確にしておく必要があります。

  1. いつまでにマンションの引渡しを完了させたいか(マンションを現金に変えたいか)
  2. 売却活動期間
  3. 具体的な販売スケジュール

まず、Aさん夫妻とは期限についてより具体的なお話をしました。
最初は、引渡しの時期です。
明確な希望時期を持っていないと販売活動が無駄に長くなってしまうだけなので、引渡し時期に期限を設けてもらいました。

次に売却活動期間です。
引渡し期限から逆算していくと、最長で4カ月の売却活動期間を設けることが出来ました。
最後は最も大切な具体的な販売スケジュールです。

先ほど決めた、4カ月の売却活動期間中にどのような売却活動を行うのか、1ヶ月単位でより具体的に決めていきました。

具体的な売却活動とはどのようなことかというとこういう内容を話し合いました。

  • どのような広告活動を行うか
  • ポスティング・新聞折り込み、どのエリアに対して何千部行うのか。
  • インターネット広告は、どのサイトに、いつから行うのか。

広告の効果が無かった場合はどうするか(市場から内見希望の問い合わせが無かった場合)

広告活動をおこなえば必ず問合せが獲得できるというわけではありません。

市場のニーズから外れていれば、どんな広告活動を行おうと問い合わせを獲得することは出来ません。
Aさんご夫婦には、2週間に1回、売却活動の進捗と合わせ、問い合わせ状況の詳細を報告するよう取り決めを行いました。

広告の効果が無い場合は、価格改定を行うことを事前に了承して頂きました。

売れなかった時は?

不動産の仲介手数料

どのタイミングで価格改定を行うか。
価格改定をするなら、いくらにするのか。
売却活動を開始する前に、Aさんご夫妻と具体的な価格改定の打ち合わせを行いました。

実際のマンション売却結果

先述しましたが、当初販売価格は査定価格よりも高めの『3千万円台中盤』でした。
1か月間の問い合わせ件数が少ない状況が続いたので、販売活動開始1カ月後に価格改定を行い、3千万円台前半で成約することが出来ました。

今回のケースでは、Aさんご夫妻のご希望を全て叶えるマンション売却を実現させることが出来ました。

成功のカギは、事前に具体的な売却スケジュールを立てておいたことです。
行き当たりばったりの売却活動を行っていては、無意味な価格改定や期限内に売却出来ないなどのリスクが高くなってしまいます。
期限をも向けてマンション売却を行う場合は、事前に具体的な売却スケジュールを立ててから行うことをお勧めします。