家を買い替える時期はいつ?タイミングを見極めるコツ

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マンション査定の打合せ

目次

家を買い替える時期に関する3つの判断ポイント

住み替えを失敗しないために知っておきたいこと

家の設計、見取り図

家を買ったはよいものの買い替えを検討し始めたという方にとって、ベストのタイミングはいつなのでしょうか。 

ここでは、買い替え時期に関する判断ポイントとして、以下の3つを基準に考えていきたいと思います。

  • 家の劣化状況
  • ライフスタイルの変化
  • ローンの残額家の劣化状況

家の劣化状況

修繕、リフォーム、相続

まずは家の劣化状況を見てみましょう。 一戸建てにせよマンションにせよ、不動産は一定周期ごとに大規模な修繕を実施していく必要があります。 

例えば10~15年ごとに外壁や屋根、雨樋などの補修、塗装や15~20年ごとに給排水管や建物土台の大規模修繕を検討しなければなりません。 

外壁塗装の場合、足場設置の必要等から、一般的な大きさの一戸建てで100万円以上、水道管引き直しにはこれも一般的な大きさの一軒家で40~50万円の費用がかかります。 

将来、住み替えを検討しているのであれば、これらの費用を負担しない方法で進めたいですよね。 

不動産の劣化状況から買い替えタイミングを判断するポイントとしては、症状が現れる2~3年程前を目安にしてみてはいかがでしょうか。

周期 劣化箇所・内容
5~10年 ドアや小型給湯器など住宅設備や、天井、室内の壁などちょっとした汚れが気になり始めます。必ず修繕しないといけないわけではありませんが、早めに対応することで建物の寿命を延ばせます。

10~15年
屋根材や雨樋、外壁等が紫外線や雨風にさらされ、色褪せやコーキングの劣化が見られるようになります。放っておくと、見た目が悪いだけでなく、破損個所から雨水が浸入して建物躯体の劣化につながる可能性もあります。

15~20年
給排水管や建物の土台の他、躯体にシロアリ被害が見られないかなど確認する必要があります。適切な時期に大規模修繕を行うことで住まいの寿命を延ばせます。

20~30年
ここまで補修、修繕をしていないと、一気に複数の箇所で問題が発生する可能性があります。

なお、上記は一戸建ての場合の話で、マンションの場合は入居者全員で積み立てた修繕積立金から修繕費が支払われます。

この修繕積立金は、築年数が古くなるほど高くなることが多いので、お金の面だけみると「できるだけ早いタイミングで売却したほうがよい」ということになります。

中古の家なんて売れるの?と心配される方もいるかもしれませんが、リフォームできるお手軽な値段の家を探している方も多いので、古いから買う人がいないということはありません。

ライフスタイルの変化

次に判断ポイントとなるのが、ライフスタイルの変化です。 

具体的には、転勤やお子さまの進学、お子様が巣立った後の夫婦の住処を探すといったことがあるでしょう。 

転勤による買い替え

転勤が決まり、単身赴任ではなく家族全員で引っ越しするとなると買い換えを検討することもあるでしょう。 ただ、この場合、買い替え以外にも選択肢はいくつかあります。

例えば、元の住宅について、将来帰る可能性があるのであれば賃貸に出すことも検討できます(引っ越し先を賃貸にすることも考えられます)。 また、転勤による買い換えの際には、一時的に引越し先の住宅ローンの支払いと、新しく購入する家の住宅ローンの支払いが重なる可能性(一時、仮住まい費用が必要になる可能性もあります)がある点に注意が必要です。

 終の棲家としての買い替え

2階建4LDKで子供部屋のある家などは、お子様が巣立った後は使わない部屋が増えて掃除するのも大変です。 また、足腰が弱ってくる年齢になると2階にはほとんど行かなくなってしまいます。 

こうしたことから、終の住処として平屋2LDK等へ買い替えするのには、多くのメリットがあります。

住宅ローンの残債

最後に、ローンの残債がどのくらい残っているかで買い替えタイミングを判断してみましょう。 

住宅ローンを完済できないと家は買い替えできない

家を購入して住宅ローンを組む際には、購入する不動産に抵当権を設定する必要があります。抵当権とは、仮に住宅ローンの返済が滞った時、その物件を差し押さえすることのできる権利のことで、抹消するには住宅ローンを一括返済する必要があります。

しかし、家は新築の場合、契約してすぐ1~2割程価格が下がると言われていますし、そうでなくとも、住宅ローンの返済方式で一般的な元利均等返済方式を選んでいれば、最初の内は元金の減りが遅いです。

こうしたことから、家を売却しても、その売買代金で住宅ローンの残債を完済できない可能性があります。この場合は、足りない分について手持ちの資金で負担する必要があります。

例えば、3,000万円の家を3,000万円の住宅ローンを組んで購入し、10年後に2,000万円で売るとして、残債が2,250万円あった場合、差額の250万円を手持ち資金から負担する必要があります。

この250万円を用意できなければ契約自体流れてしまうのはもちろんですが、250万円を負担してまで買い替えするメリットがあるのかまで含めて検討するとよいでしょう(家の買い替えには仲介手数料など別途諸費用もかかります)。

なお、買い替えの場合、買い替え先の(新しく家を購入する)住宅ローンに、元の住宅ローンの完済に足りない額を上乗せするオーバーローンを利用可能なこともあります。金利等不利な条件になることもあるため、あまりおすすめはしませんが何らかの差し迫った理由がある時には利用を検討してみてもよいでしょう。

住宅ローン控除について

家の買い替えタイミングについては住宅ローン控除も判断ポイントとなります。 住宅ローン控除とは、一定の要件を満たした住宅について住宅ローンを組んで購入した場合、最初の10年間、毎年1%ずつ税金の控除を受けられるという制度です。

控除対象の上限額が4,000万円のため、最大限活用すれば4,000万円×1%×10年間=400万円も控除を受けられます。

家の買い替えについて差し迫った理由がない場合には、この住宅ローン控除特例の適用期間が終わってからにすると、お得です。

なお、家を買い替えた後も、購入する住宅が住宅ローン控除特例の適用条件を満たしていれば、新たに10年間(消費税13%になれば13年間)住宅ローン控除を受けられます。

ただし、自宅の売却時に支払う税金(不動産の譲渡所得)について控除を受けられる「3,000万円特別控除」等の特例とは併用できないため、どちらがお得か比較するとよいでしょう。

この辺りの計算については、複雑な計算をしなければならないケースもあるので、必要に応じて税理士に依頼することをおすすめします。

買い替えのタイミングは自分と家の状態を見て決める

住み替え成功を祈っております

家の住み替えタイミングについて、「家の劣化状況」、「ライフスタイルの変化」、「住宅ローンの残債」を見て判断するという3つの基準についてお伝えしました。

それぞれ、どのように判断すればお得になるかについてお伝えしていますので、買い替えの際にはこれらを参考に計画を立ててみてください。