読んでおきたい!住宅を売買するときの契約書のチェックポイント

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住宅を売買するときの契約書

目次

住宅などの不動産を売買する場合、必ず「不動産売買契約書」を契約の相手方と交わしますが、内容について把握せずにサインをする事が多いです。不動産売買契約書にサインをしてしまえば、自分にとって不利な内容でも同意したとみなされます。そのような失敗をしないためにも重要なポイントをチェックした上でサインをすべきです。

住宅売買における契約書のすべてを理解する必要はない!

自分にとって重要な内容についてだけ見落とさない

住宅の売買契約書を読むと、第○条、○項、見慣れない法律用語が書かれていますので、しっかりと理解しようよせずに「仲介会社が作成しており、問題がないからサインをすればよいだろう。」と安易に考えている方が多いです。そのような気持ちで契約すると、自分に影響するリスクを見落として大きな失敗をする可能性もあります。そうならないためには、契約書の内容で自分にリスクのある部分があるかを知り、対策を講じる必要があります。今回は、売買契約書でチェックする4つのポイントをお伝えします。

住宅の売買契約書、4つのポイントの基礎知識を学ぶ

1)売買契約書にサインする前に重要事項説明書の説明を受ける

住宅や不動産の売買において、不動産売買契約書にサインをする前に「重要事項説明書」について宅地建物取引士から説明を受けます。重要事項説明書とは、名称からもイメージが出来ると思いますが物件に関する重要な内容についての説明です。

しかし、説明を聞いても宅地建物取引士が何を言っているのか意味がわからない事が多いです。そこで重要なのが、次の一言です。

「私が生活する上で問題となるような部分はありますか?」と聞くことです。

このような質問をされた宅建取引士は、色々とヒアリングをして答えてくれます。この一言がなければ、法的にも説明義務を果たしたことになりますので売買契約後にクレームをつけても何の解決にもならないでしょう。

重要事項説明書について説明を受ける際は、自分にとっての問題点があるかをヒアリングしてもらう必要があります。

2)特約事項を確認して、自分が理解できるまで説明してもらう

住宅の売買において契約書を作成する場合、一つ一つの取引があることに内容を作成していると思われている方が多いでしょう。しかし、ほとんどの契約で「雛形」を利用していると考えて間違いありません。

不動産仲介会社は、その雛形に売り主、買い主の情報や物件情報を記入して契約書を完成させます。実務的にはわざわざわざ契約書の言葉を言い換えたりしても面倒なだけですので、売買契約書の隅々まで読む必要はありません。

しかし、特約事項だけは詳しく説明を聞いてください。特約事項とは、売買契約書の最後の方にあり、条文に書いてないような内容や条文の排除など、各取引において個別に記載されます。

雛形とは異なりそれぞれの売買契約で記載内容が違いますので、この部分を見落とすと後で後悔するケースも多いです。

売買契約書を確認する際には、特約事項を確認して契約内容の追加や条文が排除されている場合は、特約条項がそれまでに説明してきた契約書の内容に影響を与えます。自分が理解できるまで、不動産仲介会社の担当者に詳しく説明してもらいましょう。

3)瑕疵担保責任というリスクを背負わないようにする

瑕疵担保責任とは、簡単に言えば「物件に普通の人であれば発見ができない欠陥があった場合は売り主が買い主に負う義務と言えます。ここで言う目に見えない欠陥とはシロアリの被害や給排水設備の故障などがあり、一定の期間を契約書に定めることになります。

このような瑕疵担保責任については、自分が住宅の売り主になる場合は

  • 条文を排除してもらうか
  • 売却物件について問題のありそうな部分を全て告知する
  • 瑕疵担保責任の期間を短くする

自分が住宅の買い主になる場合は

  • 瑕疵担保責任の期間を長くする
  • 数多くの問題が物件にあると告知された場合は、将来の修繕費等をアピールして値下げ交渉をする

というような方法で瑕疵担保責任については対応して下さい。

4)自分が住宅の買い主の場合、ローン条項を必ず入れる

ローン条項とは、買い主のローンが下りなかった場合は何の負担もなく契約を解除できるという内容です。ローン条項がない場合は、買い主の融資が下りなかった時に手付金の没収や違約金などのペナルティがある可能性が高いです。手付金や違約金が数千円程度であれば神経質になる必要もありませんが、不動産の取引では一般的に数百万の手付金や違約金が発生します。

ローンの審査は問題ないだろうと楽観的に考えてしまうと、もしも審査に落ちたときに多大の損害を負担することになります。自分が買い主であるのであれば、ローン条項は必ず入れてもらうべきです。

反対に、売り主であるケースでもローン条項を入れた方が買い主が見つけやすいですので、住宅の売買契約においてローン条項は必要と考えてください。

まとめ:住宅売買の契約書の内容は粘り強く交渉を

自分にとって有利な部分ばかりに目を向けない

住宅の売買契約書の内容で重要な部分を見落とすと、大きなリスクを背負うことがあるという点をご理解してもらえたと思います。

不動産の売買では、「安く買える」、「高く売れる」、「物件を気に入った」、「取引がスムーズに進みそう」など自分に有利な部分ばかりに目を向けがちです。

そのような視点で考えるのではなく、「契約内容で重要な部分が不利ではないか?」という視点を持ち、問題があれば担当者としっかり話して出来るだけ有利な契約書作成をして下さい。