親の家や土地を相続したらどうする?まずこれだけは気をつけよう!

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実家 親の家

目次

まずは相続登記

親が亡くなって自動的に相続人名義になるわけではない

親の家を相続したらどうする?と考えるより先に、まずは相続登記をしましょう。相続登記とは、不動産の名義を故人から相続人に変える手続きです。

所有者が亡くなったら自動的に名義が相続人に変わるわけではありませんので、相続人が自身で登記の手続きをする必要があります。

相続登記しないとどうなる?

注意点

相続登記するのに法律上定められた期限はありませんし、相続人は相続登記しなければいけないという義務もありません。しかし名義人が故人のままだと、次のような不都合が生じます。

① 売却できない

売買契約は、その不動産の登記名義人しかすることができません。相続登記しない限り、売却することはできないんです。

② 将来的に相続で揉める可能性も

相続登記をしなければ、その間に相続人が増えることも考えられます。例えば兄と弟で親の家を相続した場合、この時点でしっかり相続登記をしていれば問題はありません。しかし相続登記をしない内に兄弟が亡くなってしまったら、兄弟の配偶者や子、孫などが相続人になります。

そもそも兄弟で共有だったものが、結果として何人もの共有になってしまったり、関係性の薄いもの同士が共有者になってしまったりすることもあるんです。こうなってしまうと分割で揉めたり、登記に時間がかかってしまったりする可能性が高くなります。

③ 不動産を担保に融資を受けることができない

不動産を担保に融資を受ける場合は、その不動産に抵当権を設定しなければなりません。抵当権を設定するには、お金を貸してくれる金融機関などの抵当権者と不動産の名義人が共同申請する必要があります。つまり登記名義人でないと、お金を借りることができないんですね。

家を担保に融資を受けるのは、リフォームしたり増改築したりするときです。このときに相続登記をしていなければ、金利の高い融資しか選択できないことにもなりかねません。

「登記する」というのは、要はその不動産に名札を付けるようなものなんです。しっかりと権利を主張するために、親の家を相続したらまずは相続登記することを忘れないようにしましょう。

相続登記は司法書士に依頼するのがおすすめ

相続登記はご自身でおこなうこともできますが、故人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本を取得したり、遺産分割協議書を作成したりと、けっこう手間と時間がかかるものです。場合によっては法務局や役所などに何度も足を運ぶ必要があるので、平日にお休みを取らなきゃいけないのもまた難点。少し値は張りますが、相続登記は司法書士に依頼するのが最短で確実です。

特に相続したらすぐに売却や活用をしたいのなら、相続登記に時間をかけない方がいいでしょう。相続税の納付期限は、相続開始から10ヶ月以内です。売却金額や活用した収益を相続税に充てようと考えている場合は、速やかに相続登記し、売却や活用をするべきです。

「とりあえず」の活用には注意!

「空き家をとりあえず賃貸に」
「空き地をとりあえず駐車場に」

などは、「とりあえず固定資産税などの維持費用を捻出するため」と多くの方が考えることです。

しかし、「とりあえず」空き家や空き地を活用するのはおすすめできません。

「相続空き家の3,000万円控除」は賃貸に出すと適用されない

1度でも空き家や空き地を第三者に貸し出すと、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」が適用外となってしまいます。この特例は「相続空き家の3,000万円控除」とも呼ばれるもので、相続人が空き家や空き地を売却したときの優遇措置として2016年に新設されています。簡単にいうと、相続した空き家や空き地を売ったときに売却益が出た場合、最大3,000万円控除してくれるというもの。

売却益には最大40%が課税されるので、相続人にとっては売却時の大幅な減税につながります。

この特例の適用要件の1つとして、「相続のときから売却のときまで、事業の用、貸付けの用に供されていたことがない」ということが挙げられています。相続した空き家や空き地で賃貸経営や駐車場経営をしたら有無をいわさず特例の適用外となるので、売却の可能性が少しでもあるなら「とりあえず」の活用はしないべきです。

「相続空き家の3,000万円控除」には適用期限もあり

またこの特例には適用期限が定められており、「相続開始から3年後の12月31日まで」となっています。将来的に売却を考えている空き家・空き地は、売却益が出そうな場合は賃貸には出さず、特例が適用となる期限内に売り切ってしまうのがいいでしょう。「相続空き家の3,000万円控除」のその他の要件等は、国税庁HPをご確認ください。

売却査定と賃料査定をして、今後の方向性を決めよう

家を売る

「とりあえず」の活用はおすすめできないといいましたが、しっかりと収支シミュレーションをした上で賃貸経営や駐車場経営をするとの判断にいたったのなら話は別です。現実問題、空き家や空き地を維持していくには相当なお金が必要ですから、売却しないのならなにかしらの活用をするべきです。

ただし活用するという選択をする前には、「今売ったらいくらになるのか」についても認識するようにしてください。

すぐに目安の値段が知りたい場合はHowMaというAIで不動産を査定してくれるサービスがあります。住所や面積を入力したら2~3分で算出してくれますので目安を知りたい方はどうぞ。

HowMa 不動産AI査定のページ

売ったとき、貸したときの費用シミュレーションを比較するとともに、「売却したらいくらになるか」が分かっていれば、貸して失敗したときの「切り上げ時」についてもあらかじめ決めておくことができるからです。

  • ○ヶ月空室が続いたら売った方がいいだろう
  • 賃料が○円で借り手が付かないなら売ろう

「売ったらいくらになるか」がわかっていれば、このように賃貸の撤退時期を具体的に決めることができ、大幅な赤字が出ることを避けられます。

相続した家を売るのか貸すのかという問題は、しっかりとプロによる査定を受け、シミュレーションとリスクの確認をした上で決めるべきです。

親の家の状態もみて、もっとリアルな売却額を知りたい場合は一括査定サービスを使って不動産会社に家を査定してもらうのもおすすめです。

おすすめの不動産一括査定サイト

おすすめの不動産一括査定サイトは2つあります。どちらも47都道府県全国に契約している不動産会社があります。

1つは大手不動産会社6社が運営し、業界で最も知名度がある「すまいValue」。三井のリハウスや住友不動産など、大手不動産会社にまとめて査定が依頼できるサービスです。

すまいvalue 公式ページ

2つめはLIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約1500社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。

親の家を相続したら、まずは方向性を決めるべき

親の家を相続したらどうする?!と悩む人が多いですが、

  • 自分で住む
  • 貸す
  • 売る
  • そのまま放置

の4つしか選択肢はありません。相続当初は「放置はないでしょ」と思う人が多いんですが、面倒だったり、他人任せにしてしまったりで、結局は放置してしまっているというケースも多くあります。親の家を相続したらまずすべきなのは、「放置」以外の方向性を決めること。そのために、今回挙げた3つのことに注意してみてくださいね。