住み替え入門。プロが教えるスムーズな売却と購入のタイミング

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計算する女性

目次

これからマンションの買い替えを検討したい方や、買い替えの流れがよく分からないという方へ。住み替えをスムーズに行う上で押さえておきたいポイント『引き渡し』や、売却と購入のタイミングについて簡単に説明しました。

住み替えをスムーズに行うためのタイミング

売却と購入のリンク部分をしっかり押さえましょう

「買い替えをしたいけれどまずどうすればいいのか」
「売却と購入をうまく行うためには」
「それぞれ適したタイミングはあるのか」

実際に住み替えを検討した際、売却と購入をどのようにすれば良いのか漠然としていて雲をつかむようなものです。

売却と購入はそれぞれ別の不動産取引ですが、部分的にリンクする部分があります。まずは大まかな流れの中から、最もリンクすべき部分『引き渡し』を中心に。スムーズな住み替えのタイミングについて考えてみましょう。

買い替えをスムーズに行うために押さえたいタイミング

売却と購入の『引き渡し』のタイミングをリンク

マンションを売ることを考えたら

同じ不動産取引でも、売却と購入では売主と買主という立場の違いから流れは異なります。そのような取引を同時に行うため、双方の流れを適切に把握しておく必要があります。

例えば、住み替えの際の売却と購入の流れの中で、できるだけリンクさせたいタイミングの一つに『引き渡し』があります。

引き渡しとは、所有権移転登記を合意し鍵を渡すことです。簡単に言えば不動産を買主へ渡すことです。例えば、自宅マンションが先に売れた場合。買主へ自宅マンションを引き渡す日までに、住み替え先の物件が決まらなければ、引き渡し日以降には住まいがなくなってしまいます。売却不動産と購入不動産の引き渡し日というタイミングはリンクさせておく方がお勧めです。

もちろん、リンクできないケースも珍しくはありません。その際には賃貸やマンスリーマンションなどへ仮住まいすることが一般的です。しかし、仮住まいをすることになれば、費用負担や住み替え先を購入時の住所が仮住まいの場所になってしまうなど懸念すべき点も増えてしまいます。

一方、購入不動産を先に決めた場合には、また違う懸念材料が生まれます。自宅マンションの売却代金を住み替え不動産の購入代金へ充てることが多いため、住み替え不動産の引き渡しまでに売却代金を領収する必要があります。タイミングが合わなければつなぎ融資を利用するか、最悪は契約解除されて違約金を請求される恐れもあります。

住み替えの場合は売却と購入が同時に行うことがベターです。しかし、流れの異なる取引であるために、なかなか想定通りには進展しません。全体的な流れを把握して住み替えをスムーズに行うように心がけておくと良いでしょう。

スムーズに行うためにはスケジュール管理

売れる時期に売却活動

買い替えをスムーズに行うためにはスケジュール管理が重要です。とはいえ、住み替え計画の前半は綿密にスケジュールを組まなくても大丈夫です。自宅マンションの売り出しや住み替え先の物件探しの期間は、月単位で目安程度のスケジュールでも構いません。

例えば、安売りをする気はないので売り出し期間はゆっくり半年くらいかけたい。焦って買って後悔したくないので1年くらいじっくり物件を探したい。こういった希望も特にタイムリミットさえなければ可能です。

しかし、売却と購入のどちらかが決まった場合には、スケジュールをしっかり管理する必要があります。特に引き渡しが決まったら綿密になります。
タイミングを合わせる必要性も高まりますので、買い替えの後半から終盤の予定は1日単位で管理しておいた方が良いでしょう。

前述の『引き渡し』は終盤の予定です。一般的には引き渡しと同じタイミングで売買代金の支払いが行われます。この支払いのことを『決済』と言います。住宅ローンの利用がある場合には『ローン実行』などと言いますが、特に区別せずにひとまとめに『決済』と言うこともあります。

ローン実行をするためには金融機関などの手続きが必要です。本審査やローン契約などです。本審査にかかる期間は金融機関によって異なりますがおおむね1~2週間です。本審査で予想以上に日数がかかってしまうことがあります。

稀に、売却するマンションの引き渡し日までに住み替え先の物件の決済が間に合わないことがあります。住み替え先には入居できないのに自宅マンションを買主へ明け渡さなければならない状態に陥ることもあります。

逆算的な考え方になりますが、前述のような場合、多くのケースでは本審査へ持ち込む日程がずれこんでいることもあります。必要書類の取得に思ったよりも時間がかかったということも多いです。
例えば、抵当権抹消の書類。これは住宅ローンのある自宅マンションを売却する際、抵当権設定登記を消す登記をするために必要になります。

住宅ローンを貸している金融機関から受け取るのですが、窓口で即日発行される訳ではなく、金融機関によっては2~3週間ほどかかります。提出書類の不備や追加などがあれば1ヶ月近く待たされることもあります。事前に金融機関の担当者と打ち合わせを済ませておき、売却が決まったらすぐに抹消の書類を手配できるように準備をしておきましょう。

売却と購入のタイミング

住み替えの場合、通常の売買に比べてスケジュールがより大切な要素の一つとなります。
前述のような自身の買い替えの引き渡しのタイミングだけではなく、買い替え物件が中古の場合には売主側の引き渡し時期や、新築不動産であれば完成時期なども関係してきます。

そういった時期的なタイミングの他にも、自宅マンションの売りやすさや買い替え物件の買いやすさなど、不動産の属性に左右されるタイミングもあります。また、買い替えの場合には、売却代金を購入代金へ充当するケースが多いです。

自宅マンションが売りにくい物件という場合には、売却が決まるまでは購入しない方が無難とも言えます。

売りやすさとタイミング

自宅マンションを売却する際、建物の状態や立地や周辺の環境などの要素は査定額に反映されます。
しかし、それとは若干異なる要素から売りにくい物件もあります。そのようにプロ目線で売りやすいか否かという物件も確実にあります。

例えば、競合の多い物件です。同じマンション内で売りに出ている物件がいくつもあるような大規模マンションでは競合が多くて売りにくい場合あります。買主側も物件が多いことを分かっているので、値下げを待っているのです。

タイミングとしては、春先や秋の異動の時期に合わせて価格をすとんと落とすと良いでしょう。買う気満々で値下げ待ちをしていた買主から買付申込が入りやすいです。

買いやすさとタイミング

人気の新築マンションなどは倍率も高く当選確率は低くなることから買いにくいとも言えます。マンション用地のなかなか出ないエリアで新築分譲マンションを狙っている場合、次々と新築物件が出ないのですから思い切って申込をするのも良いでしょう。

不動産は2つ同じ商品はないからです。申込をして当選したとなれば、これは良きご縁とも言えるでしょう。買い替え先のマンションとして人気物件へ申し込みをしておいて、運良く当選した場合には自宅マンションの売却を急ぐという考えの方も相当数いらっしゃいます。

このような物件の場合、未完成状態で購入することになりますので、引き渡しまである程度の期間があります。その期間で売却できれば良いのです。そういう観点では、完成まで時間のある新築マンションについては、買い替えの場合には買いやすいとも言えます。

もちろん、都市部や再開発エリアなどのように次々と新築マンションの建つようなエリアであれば焦る必要はありません。とは言え、自宅マンションの売却から引き渡しまでスムーズに決まることもあります。あまり悠長に構えておらずに買い替え先の目処はつけておいた方が良いでしょう。

このように売却と購入のポイントは相互作用していると言えます。

住み替えは売却と購入のスケジュール管理から

リンクするポイントとタイミング

住み替えは売却と購入という別々の不動産取引を同時に行います。この流れの中でリンクさせるべきポイントは『引き渡し』です。

また、売却と購入のタイミングも相互作用するポイントですので重要となります。これらをしっかりと押さえ、きちんとスケジュール管理を行うことで、マイホームの買い替えをスムーズに進めることが可能です。