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マンションを売却するのには、かなりの時間と手間がかかります。そのため、何も知らないで売却しようとすると、思わぬ出来事に振り回されてうまく売却できなくなってしまう可能性もあります。
そこで、マンション売却の流れを3ステップにわけて解説しますので、それぞれの注意点を理解しておくようにしましょう。
初めてでも分かるマンション売却3ステップ
第1ステップ マンションの売却価格を決める
1-1 不動産業者選び
普通は家を売るという経験は一生に1回あるかないかぐらい。みんな慣れておりません。マンションを売却したいときは、不動産業者選びから始めます。自分だけでは、買い手を見つけるのも大変だし、どの程度の価格で売却できそうかもわかりません。
そこでマンションを売却するときは不動産業者の力を借りることになります。実はこの不動産業者選びが一番重要なステップです。
不動産業者選び方で、納得いく条件・期間でマンションが売却できるかを左右することになるので、慎重に行いましょう。「大手だから」「チラシが入っていたから」ではなく、いくつかの業者にマンションの査定をしてもらい、業者の比較をしてください。
このとき、査定価格が高いことだけを理由に業者を選んではいけません。自分のところで契約してもらいたいと考えて、高めの査定価格を提示してくる業者もあるためです。査定価格に加えて、どのような根拠で査定価格を算出したのか、どのようにして販売しようとするのかなども確認して、業者を選定しましょう。業者を探す際は、一括査定サイトを使うと便利です。
不動産の一括査定サイトは住所等を入力するだけで簡単に複数の会社から査定額を出してもらえ比較検討ができます。おすすめの不動産一括査定サイトは2つあります。
1つは大手不動産会社6社が運営し、業界で最も知名度がある「すまいValue」。三井のリハウスや住友不動産など、大手不動産会社にまとめて査定が依頼できるサービスです。
2つめはLIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約1500社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。
1-2 媒介契約を結ぶ
不動産業者が決まったら、その業者と媒介契約を締結します。
媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類あります。
この中では専任媒介契約にするのがよいでしょう。詳細は省きますが、売主への定期的な報告があり、不動産業者のモチベーションにもつながるため、3種類の中で最もバランスがよいと言えます。
媒介契約を結んだ後、査定価格を元にして売却価格を決定します。
第2ステップ 売却活動をする
2-1 買い手を探し始める
第2ステップの売却活動は、買い手探しからスタートします。
不動産業者が物件情報をウェブ上に掲載したり、広告を出したりして、買い手を探し始めます。
不動産業者から定期的な報告が来るので、その反応を見ながら、場合によっては売却価格を引き下げるかどうかを検討しなければなりません。
2-2 内覧希望者への対応をする
高額な買い物をするとき、購入するかを判断するには、実際に見てみたいと考えるものです。それはマンションでも例外ではなく、購入を考えている人が内覧の申し込みをしてきます。
突然物件を見に来るということはありませんが、内覧の日時が決まったら、そのときに備えて、部屋を片付けてきれいにしておきましょう。
全く同じ部屋であっても、前の所有者がきれいに丁寧に使用していた部屋ほど、買い手がつきやすいものです。内覧に来る人の印象を少しでも良くできるように、玄関やキッチン・ベランダなどを中心に、しっかりと掃除をしておきましょう。
内覧に来た人であっても、購入に至らないことの方が多いでしょう。その場合は、どうして購入に踏み切らなかったのかを不動産業者に聞いてみましょう。理由によっては、次の内覧希望者が現れるまでに準備しておくことがあるかもしれません。
2-3 購入希望者との条件交渉
内覧の結果、購入したいと考えてくれる人が出たとしても、それで終わりではありません。
売主ができるだけ高い金額で売却したいと考えるのと同じように、買主側もできるだけ安く購入したいと考えます。そのため、値下げ交渉が入るケースも少なくありません。
多くのケースで値下げ交渉が入るため、あらかじめ値下げ分を考慮した売却価格を設定しておくという方法もあります。ただ、安易に値下げをしてしまうと、足元を見られてさらなる値下げ要求がくる可能性もあります。
とはいえ、よほどの人気物件でもなければ、買い手候補が次々と現れるということは少ないため、契約がまとまりやすくなるようにある程度の値下げには応じる方がいいかもしれません。
第3ステップ 契約から引き渡し
3-1 売買契約をする
買主との交渉が完了すれば、ようやく最後の第3ステップです。
売買契約を行うことになりますが、事前に売買契約書をチェックしておくことをおすすめします。価格や引き渡しの条件など、最終的に合意した内容通りに作成されているかをじっくりと確認することができるためです。
契約書の内容に問題がなければ契約締結となりますが、この時点ではまだ手付金だけを受け取ります。残りの代金は引き渡しの際に支払われることになります。
なお、売買契約の時点では手付金が支払われるだけですが、「相手方が、取引の履行に着手」するまでは解約をすることができます。
このとき、買主が解約したのであれば手付金を放棄(売主が受け取る)、売主が解約したのであれば受け取った手付金の倍額を支払うことで解約となります。
3-2 決済と引き渡し
契約から1~2か月ほどで、売買代金の決済と引き渡しを行います。
売主側は、引き渡しまでに引っ越して、部屋のクリーニングをしておかなければなりません(クリーニングが必要ない場合もあります)。
決済するときには、代金とカギの引き渡しだけでなく、住宅ローンの返済やそれに伴う登記が必要になることもあります。そのため、決済手続きは銀行で行われるケースが多いでしょう。
売却手続き以外で注意すべきこと
マンションを売却する流れは以上です。
ただ、売却手続き以外でも注意しておかなければならないことがあります。
4-1 引っ越し先の準備
ひとつは、引っ越し先の購入手続きです。
マンションを引き渡す時までに引っ越しを済ませておかなければなりませんが、新しい住まいを探すのにも時間がかかります。売却の手続きをすすめながら、新しい住まいの内覧や価格交渉などを進めなければならないため、スムーズに見つからないこともあるでしょう。
引き渡し日が決まったのに、新しい住まいが決まっていないということがないように注意しましょう。
4-2 瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)で修理費用が必要になることも
マンションを売却したとしても、その後に見つかった不具合で修繕費を支払わなければならないケースもあります。
具体的には「雨漏り」、「シロアリ」や「給排水管の故障」などの目に見えない欠陥で、こういった隠れた瑕疵が見つかった場合には、買主が売主に対して、修理や損害賠償を求めることができます。これを「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と言います。
売主が瑕疵担保責任を負うかどうかは当事者同士で協議して決めることができ、マンションを売却する契約書に記載されます。
まとめ・マンション売却の流れを把握しよう
信頼できる不動産会社を選ぶことが重要
マンション売却は、このような流れについてはご理解いただけましたでしょうか?
高額な取引であるため、失敗は避けたいものです。そこで重要なのが、「信頼できる不動産業者」や「(外部の)アドバイザー」を見つけることです。
信頼できる不動産業者やアドバイザーがいれば、その後のステップでも適切なアドバイスをもらいながら、満足いくマンション売却をすることができるでしょう。