新築と中古マンションのどちらを購入するかお悩みの方のため。
中古マンションの購入時に注意すべきローンのポイントを分かりやすくご説明しました。
物件価格や金利だけ精査するだけでは足りません。諸費用やリフォーム、ローン控除などの参考にして下さい。

新築と中古マンションのローンの違い

思わぬマイナスが生じることも

新築と中古マンションで住宅ローンは違うのでしょうか。結論から言えば同じ住宅ローンを利用します。

しかし新築と中古マンションではローンの借入額や年数、諸経費、控除の要件などに違いがあります
一つ一つの要素は大きくはありませんが、重複することで思わぬマイナスにつながることもあります。
そういったポイントをまずは簡単にでも把握しておくことで、物件探しの際の参考にできると思います。

下記では具体例を挙げながら分かりやすく説明致します。

中古マンションを買う時に注意したいローンのポイント

中古も新築も同じ住宅ローンながら・・・

マンション

住宅ローンには新築と中古の区別はありません。
どちらを購入しても基本的には同じローンを組みます。
ただ、返済期間に関しては少々扱いに違いがあります。
まず、返済期間については金融機関ごとに下記のような規定があります。

『60年 - 築年数 ≦ 返済期間』

例えば、築20年の中古マンションでは返済期間は最長40年となります。「60年」という数字は国税庁発表のマンションの耐用年数です。

現実の耐用年数ではなく、あくまで税法上、便宜上の年数です。これにより築年数が古くなれば返済期間も短くなるため、毎月の返済の負担が大きくなる傾向にあります。

金融機関ごとに差もありますので、住宅ローンを申し込む予定の金融機関に問い合わせると良いでしょう。

金利については新築マンションほどの上昇リスクはありません。完成前に売買(いわゆる青田売り)することの多い新築マンションの場合は引き渡しまでの期間が長くなるため、契約の時点では完成時の金利が分かりません。

ここに金利上昇のリスクがあります。
しかし、中古マンションの場合は完成していますし、契約から引き渡しまで1~3ヶ月程度と比較的短いです。金利上昇のリスクは少ないでしょう。

住宅ローンの借り過ぎに注意

借り過ぎに注意する点では新築でも中古でも同じです。

「借りられる額」が返済できる額ではなく、ご自身が毎月きちんと「返せる額」が返済可能額です。住宅ローンを組む場合には、ご自身の返済能力の上限まで借りるのではなく、ある程度のゆとりを持たせましょう。

中古マンションでは民間の住宅ローンに限らず、「フラット35」も利用可能です。繰り上げ返済の可否やその手数料もあります。借入先はいくつか候補を挙げて精査すると良いでしょう。

特に新築よりも中古マンションの方が購入時にかかる費用が多くなります。

例えば、仲介手数料。中古マンションの売買では仲介業者を介することが多いために、業者への報酬(仲介手数料)がかかるからです。
多くの場合は売却額の3%+6万円+消費税です。(400万円以下の場合は別計算)

また、登記費用のうち登録免許税についても中古では異なる場合があります。耐火建築物や築年数などの要件によって軽減税率が適用されないなど。軽減税率が適用にならなければその分だけ諸費用が高くなることになります。

その他の諸費用も新築とは少し差があるもののあります。

このように新築に比べて諸費用が多くかかる傾向にあります。中古マンションの諸費用は新築よりも少し高めの10%くらいかかると考えておくと良いでしょう。

大規模修繕や建て替えの際に修繕積立金では足りなければ一時負担金として資金を用意しなければならない場合もあります。室内の設備が壊れた際の修繕費、リフォーム・リノベーション費用(後述)もかかる場合もあるでしょう。

購入時に借入を頑張りすぎたせいで身動きが取れないという苦境に陥らないように注意が必要と言えます。

リフォーム・リノベーションも考慮

リフォーム

中古マンションを購入後にリフォームやリノベーションを行うケースが増えています。売主目線のリフォーム済みの物件よりも自分好みにリフォームできることが魅力です。

また、新築と異なり中古マンションには前の居住者の使用感が残っています。壁紙や床は張り替えれば済みますが、キッチン・バス・トイレなど水回りはどうしても気になるという方も多いです。

水回りまでどうせ替えるなら最新の設備を導入したくなるものです。リフォーム等の費用も高くなりがちですので、住宅ローンとは別にリフォームローンを組むというケースも増えています。

一方、新築マンションでも購入後にリフォーム等を行う方が増えています。
部分的に自分好みの設備に入れ替えるという多いので、中古マンションのリノベーションに比べれば工事費用は少なめです。

このようなイノベーションを行う考えがある場合には、購入時の住宅ローンの借入額を抑えておいた方が良いでしょう。

なお、リノベーションを行う場合には、購入前に工事見積もりを作成して、念のため管理組合や管理会社に工事可能かどうか問い合わせることをお勧めします。管理規約によって工事の日時や内容など事前に届出書面を提出して承認を得なければならない場合もあり、内容次第では思い通りの工事ができないことがあります。

レアケースですが、過去に工事業者とトラブルのあった管理組合等では、登録済みの施工業者以外の施工を認めないと管理規約で定めていることもあります。購入後にこれらの事情が分かったとしても後の祭り。

売主や仲介会社の責任を問えない可能性もあるため、希望通りのイノベーションが行えずに不満足なマイホームとなってしまう恐れがあります。

住宅ローン控除が使えるか確認する

中古マンション(耐火建築物)の場合は築25年以下、登記簿面積50平米以上、他の一定の特例等の適用を受けていないことなどの条件があります。築25年を超えていた場合でも、耐震面で適合している証明書を取得できる中古マンションであれば適用可能です。

1981(昭和56)年6月1日以降に建築確認がおりた中古マンションはいわゆる「新耐震基準」ですので、レアケースを除いて証明書が取得できます。
一方、同年5月31日以前の建築確認(いわゆる旧耐震基準)では、一定の耐震補強工事を行っていなければ、ローン控除の要件を満たすことはできないでしょう。

ローン控除の要件を満たしていれば、所得税額から最大で10年間・20万円が控除できます。これは大きいです。中古マンションを探す際には、こういった要件を満たす物件を探すと良いでしょう。

とはいえ、ローン控除を使えない適用外の中古マンションという理由だけで一律で除外しなくとも良いです。適用物件の相場は高めになりますが、そういった適用外の物件の相場は割安感のある価格帯です。

ローン控除は使えなくても、その分だけ購入価格や諸費用を抑えられるならメリットはあります。
例えば、控除の使えない築35~40年超の古めの中古マンションであっても、なかなか売り物の出ない好立地でさらに割安感のある価格なら魅力を感じます。

税制などは毎年のように変更があります。
特に新年度に合わせて適用条件に「3月31日まで」なども多いです。
ローン控除の適用要件に関しては最寄りの税務署や国税庁タックスアンサーなどで必ずご確認下さい。

ローンだけではない新築と中古マンションの違い

思わぬマイナスにならないように前もって把握を

新築と中古マンションにはそれぞれ一長一短あります。

中古マンションでは価格が魅力的ですが、築年数などの要件によって返済期間に制限やコスト面でやや高くついてしまうことがあるのはご説明した通りです。

新築との価格差ばかり重視してしまうと思わぬマイナスを負担してしまうこともあるので、中古マンションの場合では借り過ぎに注意することと、諸経費・リフォーム費用・ローン控除の適用などをしっかり把握するように心がけましょう。

マンション売却を考えているものの、何から始めて良いのか分からない方へ
マンション売却の査定をする前に

マンションの売却は一生に一回あるかないかの事です。非常に大きな金額になりますので「なるべく高く早く売りたい」という方は多いと思います。

そのために一番大切な事は「査定」で売却を依頼する不動産会社を見極める事です。ここからはその査定をする前に必ず読んでおいて頂きたいマンション売却20ヶ条をお話します。

マンションを売却する前に必ず読みたい20ヶ条
鈴木 志安
宅建取引士。不動産会社取締役。業歴20年余。他社の業務支援や助言、一般人の賃貸・売買・相続等の不動産相談を引き受ける。法務や税務の知識に加え、人の気持ちも踏まえたアドバイスには定評がある。ライターとしては主に不動産関連のコラム等を執筆。