失敗しない!中古マンションの正しい売り方を分かりやすく解説

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マンション

目次

中古マンション売却で間違えてはいけない4つのポイント

不動産関係者が自分の家を売るならここは抑えます!

中古マンションを売りに出すことを検討されるあなたは、「早く売りたい」「高く売りたい」というのが正直な気持ちではないでしょうか。しかし、多くの方は家を売る経験は一生のうちに一度あるかないかでしょう。

その為、多くの情報の中でどこを重要視していいか分からず右往左往してしまいがち。失敗すると安く手放すかもしくは、売れないという事態に陥ってしまいます。

家を売る流れを図で把握しておいてください。この7つの工程の中で全部が重要な訳ではありません。プロがもし自分の家を売るとなった場合に外さないのはこの4つだkです。

  1. 中古マンションを売却する価格と相手を間違ってはいけない
  2. 仲介を依頼する会社を間違ってはいけない
  3. 中古マンションを売りに出す時期を間違ってはいけない
  4. 媒介契約の種類を間違ってはいけない

上記が大事である理由は、あなた自身が検討して決めなければならないことだからです。中古マンションを売却する時の流れを見れば、自分で検討すべき部分が見えてきます。

上図の④以降は、不動産会社が間に入って手続きをリードしてくれます。あなた自身が全てを理解して、極度に思慮深くなる必要はありません。大事なのは①~③のあなた自身が確認と検討、決定を行う部分。

続く解説をお読みいただいて何を注意すべきか覚えておきましょう。

中古マンションの正しい売り方

1、売却価格の相場と購買層を知ろう!

中古マンションを売りに出すなら、まずは「所有するマンションを知る」ことから始めましょう。

  • 建物のブランド力
  • 所在地と地域性
  • マンションの管理状態
  • マンション住人の属性
  • 総合的な資産価値

上記は中古マンションを売却する時だけでなく、マンションを購入する時も必ず確認するポイントでもあります。つまり所有するマンションが、第三者にどう映っているかイメージするのが大事なのです。

治安が良く子育てしやすい街にあるファミリー向け物件なのか、最寄駅が通勤に便利な路線で駅からも近いならば単身者や子どもがいない共稼ぎ夫婦向けにアピールできるでしょう。

価値ある物件なのに「何となく」で売却したくありませんよね。相場観から外れた価格を設定すれば、何か月経っても買い手が現れないなんてことになりかねません。

所有するマンションを知っていれば購買層がイメージでき、売却が自信を持って進めやすくなります。

2、仲介を依頼する不動産会社はしっかり探そう!

不動産会社の担当者

所有する中古マンションを知ることは、仲介を依頼する不動産会社選びにも影響するため大事な作業です。

マンションが「高く売れる!」と思っても、販売力が無い不動産会社に仲介を依頼してしまっては良い結果にはなりません。高く売れる自信がある物件なら、大手の不動産会社に絞る。

逆に自信が無ければ不動産会社を広く探して信頼できる会社を見つけるなど、物件に合わせた売り方を考えましょう。

また担当者の話に信憑性や根拠があるかも大事なポイント。私の経験ですが、以下のようなことがありました。

信用できない不動産会社に遭遇した事例

ある売主様から私の勤めていた会社に売却のご相談にきました。既に数社に相談したものの、いまいち売却に踏み切れないでいるとのこと。

他社は「大体このくらいが相場」「このサイトだと、このくらいで売りに出てる」と言うばかり。当たり障りのない価格を提示されるか、媒介契約欲しさに根拠のない高価格で査定をする会社しかないため困っていらっしゃるようでした。

そこでベテランの担当者が公示地価や原価法、立地、築年数など、多角的な視点でプラスマイナスを繰り返して査定の根拠を提示。結果的に他社の査定とさほど変わりませんでしたが、最終的に「オタクの会社は信用できそうだから」ということで媒介契約をいただけたのでした。


確かに査定価格を細かく算出したところで、大抵は相場どおりの価格になります。ただ相場より高くできる要素、逆に価格を下げるべきマイナス要素は明確でなければいけません。

仲介を依頼する不動産会社選びは、中古マンションの売り方で間違ってはいけない最も大事なポイントです。仲介を依頼するなら、査定の根拠を提示してくれる不動産会社、そして売却までの戦略を一緒に考えてくれる不動産会社がオススメです。

不動産一括査定サイトなどで、複数の不動産会社に見積もりを取ってもらいながら、売主が不動産会社担当者を見比べてみましょう。一括査定サイトは大手6社が登録しているすまいValueや、ライフルホームズが運営して全国の不動産会社1700社が登録しているHOME’Sが有名です。

3、中古マンションを売却する時期を見極めよう!

レインズデータライブラリーより

不動産業界の繁忙期「引っ越しシーズン」をご存知でしょうか?実は不動産売買にもオンシーズン、オフシーズンがあるのをご存知でしょうか。

上図は「不動産流通機構レインズ」が公表しているデータをグラフ化したものです。過去5年における中古マンションの取引状況を見ると、毎年3月にピークを迎え、閑散期が8月であるのが分かります。

「引っ越しシーズンだから当然では?」と思われるかもしれません。 そこで新築マンションの取引動向も見てみましょう。

株式会社 不動産経済研究所 マンション・建売市場動向より

上図のとおり新築マンションは、1年間で12月の取引が最も活発です。翌月には急激に取引が鈍化し、8月に再び閑散期を迎える傾向にあります。理由は色々と考えられますが、固定資産税を始めとした税金対策が背景にあるのでしょう。

ともあれ、中古マンションを売却するにあたって、市場の取引動向は重要なデータになります。

最も取引が活発な時期に売却するのか、敢えて閑散期に販売を開始するかは不動産会社と相談して決められたほうが良いでしょう。

4、媒介契約の種類はよく検討しよう!

媒介契約比較

仲介を依頼する際の「媒介契約の種類」もしっかり検討しなければいけません。
媒介契約とは、不動産会社に仲介を依頼するための契約。「売主と買主の間に入って売買のお手伝いをしますよ」という契約と考えていただければ良いでしょう。

媒介契約には3種類あり、それぞれ特徴があります。

販売活動の報告義務 他社への依頼 売主と買主の直接契約 契約期間
一般媒介契約 なし 可能 可能 なし
専任媒介契約 あり 不可 可能 3か月
専属専任媒介契約 あり 不可 不可 3か月

専任媒介契約と専属専任媒介契約は、制限される内容がほぼ同じ。そのため「一般」と「専任媒介(専媒)」で呼び分けられていたりします。

問題は一般媒介と専任媒介ではどちらを選ぶべきかです。

一般媒介は複数の不動産会社に依頼して、広く買主を探せます。ただ不動産会社にしてみると独占販売ができないため旨みがなく、あまり積極的に販売活動してもらえない可能性があります。

一方の専任媒介では、販売活動を行う不動産会社が1社のみ。積極的に販売活動をしてもらえる可能性があります。ただ依頼した不動産業者が必ずしも優良な会社とは限りません。仮に怠慢な不動産会社だと3か月は契約どおりの販売活動になるため注意が必要です。

※明らかな義務違反があれば契約解除できます

「早く売りたいから一般媒介」「時間をかけてでも高く売りたいから専任媒介」という風に分けて考えても良いでしょう。自身の所有する中古マンションをどう売却したいかによって、媒介契約の種類を検討していきましょう。

媒介契約の詳細は以下記事でも詳しく解説しています。ぜひご参考になさってください。⇒ 専任と一般どちらがお得?媒介契約について鑑定士が徹底解説

中古マンションの売却は今がチャンス!?

レインズデータライブラリー

日本は不動産バブルと言われ始めて久しくなりますが、実際に中古マンション市場はどうなっているのでしょうか。

上図の通り1990年代のバブル崩壊以降、中古マンション市場は右肩上がりを続けてきました。特に2012年の自民党政権発足以来、中古マンション価格は30%以上アップと急激な上昇を見せています。

中古マンションは、まさに今が売り時と捉えることもできますね。

ただ今回解説させていただいた点も踏まえ、中古マンションを売りに出す際には特に注意したいポイントが2つあります。

売り時の見極め1・時間に余裕があるならリフォームは最後に考える

不動産会社によっては、売却を相談するとリフォームを促されることがあります。もちろん早期に高く売りたいなら、リフォームは一つの手段です。

しかし不動産業者とリフォーム会社が提携しており、単なる利益目的というケースがあるのも事実。

そもそもリフォームしたからといって必ず高く売れる、早く売れるという保証はありません。

特に昨今は、中古マンションを自分の好きにリノベーションする方が増えています。リフォームしなくても売れる可能性は十分あるのです。

リフォームにはお金がかかりますから、時間に余裕があるならリフォームは後回しで考えたほうが良いでしょう。

売り時の見極め2・中古マンションの売却で発生する税金を考慮する

所有する中古マンションが高く売れるに越したことはありませんよね。ただ購入した価格より高く売却できる見込みがあるなら、税金面での注意が必要です。

不動産を売却して得た利益は、「譲渡所得」として所得税が課せられます。ただ譲渡所得は、所有期間によって税率が違うのです。

短期譲渡所得 長期譲渡所得
所有期間 5年以下 5年超
税率 30%(+住民税9%) 15%(+住民税5%)

昨今は築年数が古くても価値が落ちない「ヴィンテージマンション」が注目されています。前述のとおり、首都圏の不動産価格は上昇傾向。価値が落ちないどころか買った時より高く売れるケースもあり、ヴィンテージマンションは特に人気です。

ただ所有期間が5年以下で売却すると、売却額の約4割が税金に消えてしまいます。税金面も考慮して、売却のタイミングは見計らったほうが良いでしょう。

信頼できる不動産会社を探すことが重要です

高く早く売るために自分の物件を知る

最初にお伝えした通り、中古マンションの売り方はさほど難しくありません。だからといって、何となく不動産会社に依頼して、何となく売却価格を決めたのでは損する可能性を高めます。

「売却する相手」「売却方法」「売却時期」をしっかり検討し、少しでもお得な売却ができるよう自分の所有する中古マンションを見直してみてはいかがでしょうか。