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進学や就職などではじめて1人暮しを始める時は、部屋をどう選べばいいのか迷ってしまうもの。1人暮らし用の部屋にも1Dや1DKなどさまざまな種類がありますが、それらの間取りさえもわからない方が多いのではないでしょうか。本記事ではこれから1人暮らしを始める方に向けて、部屋の間取りの違いや部屋を選ぶポイントを紹介します。
1人暮らしに適した部屋とは?
どんな部屋を選べばいいのか?……その答えは、その人が思い描く理想の暮らし方によって異なります。「1人で住むのだから」と安易に狭い部屋にしてしまうと、希望の家具やインテリアを設置できない可能性もあります。また、部屋の狭さがストレスの原因になってしまうことも。
反対に、不必要に広過ぎる部屋は家賃が割高になりやすく、また掃除や管理の手間が増えてしまうでしょう。部屋を選ぶ際は家賃面だけではなく、ライフスタイルに適した間取りを選ぶことが大切です。
理想的な広さと間取り用語
一般的に一人で暮らすには20~25㎡の広さが理想とされています。まずはこの広さを参考にするとよいでしょう。また、「1K」や「1DK」といった間取りを表す言葉がありますが、部屋を選ぶ際にはこれらの用語の意味を知っておくと選びやすくなります。
- R:ルーム(個室)※「1K」の「1」など一般的には数字で表されます
- L:リビング(居間)
- D:ダイニング(食事室)
- K:キッチン
たとえば1DKなら1つの個室+ダイニング+キッチンで構成されているという意味になります。
1人暮らし向けの部屋の間取りは4種類
間取りにもさまざまな組み合わせがありますが、1人暮らし向けに一般的な間取りは次の4種類です。
- ワンルーム
- 1K
- 1DK
- 1LDK
それぞれの間取りのメリットとデメリットを見ていきましょう。
ワンルーム
1つの部屋だけで構成された間取りです。キッチンと部屋との仕切りがなく、とてもシンプルな作り。玄関を開けると部屋全体を見渡せるのが特徴です。ワンルームのメリットは一般的に家賃が安いこと。また、部屋が一つしかないため全体を見渡せるのも、人によってはメリットです。
一方、デメリットは、狭いため大型家具などを設置すると窮屈になってしまいがち。また、居住空間にキッチンがあるため、生活スペースに料理の匂いが残ってしまうこともあります。
1K
居室とは別にキッチンがついている間取りです。ワンルームとの違いは、キッチンスペースと移住小空間との間に仕切りがあるかどうか。基本的にはワンルームと同じような間取りですが、キッチンスペースが独立していて使い易いというメリットがあります。
1DK
居室とは別にダイニング・キッチンがついている間取りです。DKの部分はひとまとまりとなっているのが一般的で、キッチンで料理したものをそのままダイニングで食べることができます。
ワンルームや1Kと比べて家賃は高めですが、寝る場所と食べる場所を分けられる点はメリットです。1DKは比較的築年数の古いアパート・マンションでよく見られる間取りなので、広さの割には家賃が安いことも少なくありません。築年数が古くても気にしない人・低い家賃で広い部屋に住みたい人・友人知人をよく部屋に招く人におすすめです。
1LDK
居室とは別にリビング・ダイニング・キッチンがついている間取りです。対面キッチンがはやり出した2000年頃からよく見られるようになった間取りで、キッチンは広く、家具を設置しても十分なスペースが確保できます。
また、独立洗面台などの設備やセキュリティーが充実している物件も多く、満足度の高い間取りとなりやすいでしょう。ただし、家賃は高くなってしまう傾向があるので注意です。
1人暮らしの部屋選びに関する3つのポイント
続いて、1人暮らしの部屋選びの際に気を付けておくべき3つのポイントをお伝えします。
バス・トイレ別
お部屋選びをする際には、バス・トイレ別かどうかで人気が変わりますので、家賃も大きく変わることが少なくありません。お風呂と洗面台、トイレがセットになった間取りは不人気ですが、その分家賃は比較的安めに設定されていることが多いです。
ただし、お風呂やメイクの時間を大事にしたい女性は、家賃が多少高くなっても、最初からバス・トイレ別の物件に絞って探したほうが効率的な部屋選びができます。
室内洗濯機置き場
築年数の古い物件の中には、室内洗濯機置き場がなく、ベランダや玄関横などに洗濯機を置くタイプの間取りのものがあります。室外に洗濯機を設置すると、日光や風雨に晒され洗濯機の劣化も早まります。場合によっては洗濯機を置かず、コインランドリーに行く選択肢もあるでしょう。
室内洗濯機置き場のない物件は家賃が安くなる傾向がありますので、室外に洗濯機を置くことやコインランドリー通いに抵抗がない人は、安い家賃で物件を探しやすくなります。
エアコンなど家具家電
エアコンや家具家電が初めから設置されていると初期費用を安く抑えられるのでおすすめです。とくにエアコンはニーズが高いため、築年数に関係なく事前に設置されている物件が増えてきています。自分で購入しなくていい上に、故障した場合は大家さんが修理してくれる場合がほとんど。内見の時はエアコンの設置だけではなく、新しさや汚れ具合も確認すると良いです。
なお、エアコンや家具家電のある物件は初期費用が抑えられる分、家賃が高めに設定されている場合もありますので、総合的に考えて判断するようにしましょう。
間取りごとの家賃相場はどのくらい?
1人暮しをするうえで家賃の値段は、生活そのものを左右するくらい大事なこと。身の丈に合っていない家賃の物件に住んでしまうと、生活がきつくなってしまう恐れもあります。
そのため、家賃は収入の3分の1位まで、と目安にしておいてください。自分がどの程度まで家賃にお金を使えるのかがわかったら、次は相場の確認です。参考までに以下の3つの地域で間取り毎の家賃相場をまとめてみました。
エリア |
ワンルーム |
1K |
1DK |
1LDK |
東京都世田谷区 |
8.56万円 |
8.61万円 |
11.23万円 |
15.03万円 |
東京都港区 |
14.64万円 |
12.29万円 |
16.13万円 |
24.88万円 |
東京都八王子市 |
4.31万円 |
5.23万円 |
6.24万円 |
8.50万円 |
たとえば、予算が85,000円だったら、世田谷区だとワンルームや1kしか選択肢がありません。しかし、八王子市ならば、1LDKに住むことも可能です。このように、地域によって家賃は大きく変わるため、予算と住みたいタイプが決まっているのなら、現実的に住めるエリアも自然と決まるでしょう。
ワンルームマンションを購入するという方法もある
収入に余裕があるのなら、賃貸ではなく物件を購入する選択肢も。とくにここ数年は首都圏においてワンルームマンションの需要が高くなっています。ワンルームマンションの多くは投資用マンションですが、独身の間は自分が住み、同棲や結婚のタイミングで賃貸に出したり売却したりもできるでしょう。一人暮らしの一つの方法に購入という選択肢があることも知っておくと良いです。
まとめ
1人暮らしの部屋の間取りや選び方のポイントをお伝えしました。長く生活する部屋選びはとても大事なので、最低限チェックしておきたい項目をまとめておきます。
- 風呂トイレ別
- 洗濯機室内
- オートロック
- キッチンの口数
- 広さ
- 家賃
- 周辺利便施設
- 駅距離
- 下の階の住人
- 上の階の住人
どんな暮らしをしたいのか、そのためにはどんな広さや設備が必要なのか、本記事の内容を参考にしてください。自分に必要な間取りの部屋が見つかれば、理想の1人暮しをスタートさせやすくなります。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧