保証人不要の賃貸物件:本当に保証人なしで借りても大丈夫?

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パソコンで調べ物をする女性

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引っ越しで新たに物件を探す時に頼れる家族がいない、家族に迷惑をかけたくないなどの理由から保証人不要の物件を選ぶ人は多いです。この記事では、保証人不要の賃貸物件を借りることに問題はないのかについて詳しく解説しています。ぜひお部屋探しの際の参考にしてください。

保証人不要の賃貸物件がある理由

マンション エントランス

保証人がつけられない方にとって、保証人不要の賃貸物件は非常にありがたいものです。しかし、あえて貸主が保証人不要とするには必ず理由がありますので少し確認しておきましょう。

一番の理由は入居者確保のため

超高齢社会である日本ではすでに人口の減少が始まっています。人口が減少すれば賃貸物件に住む人の総数も減るわけです。少しでも入居希望者が集まりやすいように、保証人不要としている賃貸物件は多いです。

保証人不要としなければ入居者が来ないような物件かも

貸主が保証人不要とする理由は、少しでも間口を広げたいという理由だけではなく、そもそもなかなか入居希望者が現れない不人気物件だから、という場合もあります。

不人気の理由はさまざまですが、たとえば、駅から遠い、周りにスーパーやコンビニがないなどの立地条件。または、数年後に取り壊しが決まっているがそれまでの短い期間でも入居してほしい。はたまた、事故物件である……。このようなないわくつきの物件だから保証人不要としている物件もあります。

そもそも保証人必須にしても入居希望者が現れる人気の物件であれば、あえて保証人不要とする必要はないわけです。

物件情報としては問題が見当たらなくても、保証人不要の物件には場合は何かしらの欠点があると考えた方が良いでしょう。保証人不要の物件にする際は入居後のトラブルがないよう、しっかりと内見をするようにしてください。後述しますが、保証人不要とする代わりに家賃保証会社への加入が必須としている賃貸物件があります。その場合は、一概に不人気物件とは言えなくなります。

保証人不要の賃貸物件の借り方・探し方

パソコンを眺める女性

保証人不要の賃貸物件の探し方は、とてもシンプルです。物件探しはほとんどの方がネットから始めるでしょう。賃貸物件探しのポータルサイトなどで検索条件として「保証人不要」を選択するだけで保証人不要の賃貸物件が一覧となって表示されます。

直接不動産業者を訪問して賃貸物件を紹介してもらう場合でも、保証人不要の物件を探していると伝えれば問題ありません。

保証人不要でも家賃保証会社に加入必須となっていることも

保証人とは、借主が家賃の滞納をした場合に代わりに支払いを保証する人のことです。これを人ではなく企業単位で行っているのが家賃保証会社です。入居者が家賃保証会社に加入していれば、家賃の滞納があった場合、家賃保証会社が肩代わりします。

家賃を滞納した入居者への督促も行ってくれますので、貸主としては非常に便利なものです。貸主にとっては家賃がきちんと支払われることは最重要と言っても良いこと。保証人を不要としても家賃保証会社への加入を入居者に義務づけることで、安定した収入が得られるのです。

家賃保証会社について

家賃保証会社へは、保険料のようなかたちで入居者が保証料を入居の際に支払います。また、更新料も必要です。入居者側からすれば金銭的負担が増えるというデメリットはありますが、家賃保証会社のおかげで保証人なしでさまざまな物件が借りやすくなるメリットも。家賃保証会社は、保証人がつけられないという方にとっては有意義な仕組みでしょう。

注意点としては、家賃保証会社への加入を決めるのは入居者ではなく貸主や管理会社だということ。たとえ保証人がいても家賃保証会社への加入が必須となっていれば、加入するしかありません。また物件によっては保証人と家賃保証会社への加入の両方を義務づけていることもあります。

家賃保証会社は貸す側のための仕組み

また、家賃保証会社の加入には審査があります。家賃保証会社も、家賃の滞納にはデメリットしかありません。そのため、きちんと支払い能力があるかを審査されます。

支払い能力が認められて家を借りるのにも関わらず、入居時に家賃保証会社にお金を支払うのは正直不思議な感じがしますが、家賃保証会社は借りる側より貸す側のための仕組みであるため、これはどうしようもありません。

家賃保証会社を必須とする物件は近年急増しています。筆者は半年前に4年間住んだ賃貸物件から引っ越したのですが、4年前とは異なり新たに物件探しをする際はほとんどが家賃保証会社への加入が必須でした。

貸主としても家賃の滞納があった場合に「保証人に自分から連絡や請求をするより、家賃保証会社が自動的に肩代わりしてくれるほうが効率的で安心」と考える方が増えているのだと考えられます。

保証人不要の賃貸物件のメリット

女性 パソコン

保証人不要で家賃保証会社への加入も不要の場合は、入居希望者が集まらないようなデメリットがある可能性に注意しなくてはなりません。

一方で、保証人不要にはメリットもあります。もちろん最大のメリットは保証人が不要であることですが、保証人が不要であることに付随して、契約がスムーズであることが挙げられます。

保証人が必要な物件の場合は、保証人の直筆のサインや押印、印鑑証明書などが必要になりますが、保証人が不要であれば本人確認書類などの自分で用意できる書類だけで契約が可能ですので、手続きがスムーズです。

まとめ:契約前に金銭的な負担もきちんとチェック!

リフォーム打ち合わせ

この記事では以下の内容を紹介しました。

保証人不要の物件は一見メリットだけのように思えますが、物件としての魅力があまり感じられない場合や、家賃保証会社への加入が義務づけられていて結果として金銭的負担が大きくなることもあります。失敗しない物件選びのためには、きちんと不動産業者に条件の提示を行い内見もしっかり行った上で、後悔のない契約をしてください。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧