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中古マンションを選ぶ際にどこを見ればいいのか悩んでいる人へ。不動産のプロはどんな部分を見て中古マンションを選んでいるのか。プロの選び方をご紹介します。
プロだからこその選び方!中古マンションはここを見る!
5つのポイントを抑えれば中古マンションの選び方がわかる
- 中古マンションの購入で失敗したくない人
- どこを見ていいのか分からない人
- プロならどういう選び方をするのか興味のある人
間取りや築年数や面積はもちろん重要な要素ですが、プロはどんな部分を重視して選んでいるのでしょうか。
実は、プロが中古マンションを選ぶ時にチェックしているポイントはたったの5つ。そのプロならではの中古マンションの選び方を紹介します。知っておけば、中古マンションの選び方が、随分と変わってくるでしょう。
中古マンションのプロの選び方
プロの中古マンションの選び方1『管理を買え』
昔から『マンションは管理を買え』と言われています。中古マンションの選び方でプロはこれを絶対に外しません。諸説ありますが、二つの意味が込められています。一つは文字通り適正な管理がなされているかどうかという点。中古マンションにおいては、管理状況が確認できることは大きなメリットです。適正な管理がなされることにより、資産価値を維持されやすくなります。管理の状況を見極めるためには、各マンションの長期修繕計画や管理組合総会の議事録などを閲覧するのも一つの手。
議事録の閲覧が出来ない時は、マンションの共用部分を見て歩くだけでも、おおよその確認ができます。見るべき箇所は、自転車置き場・集合ポストの整頓や植栽の手入れの具合。これらの様子から、適正な管理が行われているか確認できます。
管理費の金額にも注目
また、管理費の額も、重要な要素。たとえば、エントランスにカスケードや噴水、コンシェルジュなどに代表されるセレブリティなサービスにかかる経費です。これらの経費が過多であると、管理費の使い方に疑問が出てきます。
逆に、管理費がリーズナブルなのは良いのですが、廉価すぎて日常的な管理や清掃さえままならないことも……。たとえば、集合ポストには折り込みチラシが散乱、駐輪場には埃をかぶった放置自転車が並んでいる。そんな中古マンションは、適正な管理がされているとは言い難いです。
管理組合が適正に機能しているか?
格言のもう一つの意味は、管理組合が適正に機能しているかどうかという点。管理組合は区分所有者で構成するのですから、管理組合が機能していれば、そのマンションの所有者たちは管理に対する意識が高いということです。
多くのマンションは管理会社に管理を委託しており大半を管理会社任せにしていますが、自分たちの住まいを自分たちで管理して行く意識があるかどうかは大きな差になります。
プロの中古マンションの選び方2『修繕積立金の残高チェック』
修繕積立金の残高のチェックもプロの選び方の一つです。これは残高の多寡ではありません。適切ではない管理がされ続けてきたマンションは、建物の状況に対して修繕積立金の残高が不自然であることも多いです。
簡単に言えば、建物がボロボロで修繕を行っていないにもかかわらず残高が少ない。あるいは、非常にきれいに維持管理されているものの過剰な施工のせいで残高が極端に少ない。どちらも非効率的な支出をしている可能性が高いです。
過去の販売手法のしわ寄せ
その昔、修繕積立金の額を最低限(数千円程度)に設定して購入しやすくするという販売手法が流行った時期がありました。そういうマンションの多くは、すでに積立金の増額をしています。しかし、中には反対派との葛藤や積立金の額が少ないことに気づくのが遅れるなどの事情で、本来の適切な額まで積み立てられていないマンションも珍しくはありません。
管理組合が機能していないと、管理会社や一部の管理組合役員による割高な工事、または不要な工事の発注などの不透明な管理運営が原因で、著しく積立金が消費(浪費)されていることもあります。修繕積立金が少ないのには必ず理由があります。マンションの選び方の1つとして「修繕積立金が適切に使用されているか」は重要です。
プロの中古マンションの選び方3『建物の状態』
建物の目視チェックの状態で判断する選び方もあります。前述の管理にも関連しますが、適切に管理されていれば、外壁や床の破損や劣化などは目立たちません。たとえば、ひび割れや錆びた水の跡などがやたらと多い建物は、やはり注意したほうが良いでしょう。
また、地震や沈下による陥没やひび割れや段差などは、建築のプロではなくても気づくもの。実はマンションの場合、室内(専有部分)の不具合は、大したことのないケースも多いです。一方、構造(共用部分)の不具合は致命的となる恐れがあります。マンションは巨大な建造物なので、木造と比べると構造部分を直すのは難しいもの。そのため、中古マンションを選ぶ時に、構造部分の不具合は見逃せません。
プロの中古マンションの選び方4『周辺環境・立地』
マンションの管理規約を改正して管理を適切にすることはできます。修繕が適切ではないマンションも、建て替えることはできるでしょう。しかし、周辺環境や立地は、どう足掻いても変えることはできません。購入時の選び方がとても重要です。
ただし、個人の好みもあるため、立地の選び方はプロでも百人百様。自分に合った立地を選ぶことがベターだと考えられます。マンションは概ね利便性を求めている建物なので、都市部であるとか主要駅であるとか、駅からの距離が近いといった要素が人気になりがちです。人気のある立地のマンションは、将来的に売却をする場合も有利。わざわざ立地の悪い場所のマンションを選ぶ必要はありません。
中古マンションの立地選びは優先順位が大事
ただし、人気面からあまりにも価格が高騰している時は、あまり良い選び方とは言えません。都市部のマンションにこだわらないのであれば、郊外のマンションにも目を向けるのも1つの選び方です。
ライフスタイルによってマンションに求める条件は、一人ひとり異なります。優先したい条件は何なのか、妥協できるところと譲れないところの優先順位をつけて立地選びをすると良いと思います。
プロの中古マンションの選び方5『リフォーム前提の物件』
リノベーションを前提に中古マンションを探している方も多いと思います。リノベーションは理想の住まいをつくる手段の1つではありますが、すべてを自由にできるわけではなく、“できないこと”も多くあります。リノベーションを前提にする時は、構造体で壊せない壁がないか、配管経路はどうなっているか、管理規約での制約はないかなど……希望の間取りが実現できるかどうかも、中古マンションを選ぶ際の重要なチェックポイントです。
たとえば、「広いリビングにしようと思っていたが、構造体の壁が壊せなかった」とか「キッチンをオープンキッチンにしたかったが、配管経路の関係で出来ない」など、理想の住まいを作る手段のはずのリノベーションが思わぬ方向に行ってしまうこともあります。
リフォーム済み物件
あまり建築の知識がない方には、リノベーション済みの中古マンションも選択肢の一つです。すぐに入居できる点や、リフォーム費用込みの住宅ローンが組めるメリットもあります。
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最も大切なのは中古マンションの「管理」
プロが中古マンションを選ぶ際にチェックするポイントを5つ紹介しました。
どれもが大切な要素ではありますが、最も重要なものはやはり「管理」。高級であれば良いというわけでも、質素倹約であれば良いというわけでもありません。そのマンションにとって適切なバランスの良い管理がされていれば、管理組合も管理会社も適切に機能していると思われます。中古マンションを選ぶ時に真っ先に思い出して欲しいのは、「管理を買え」という格言です。
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監修者:玉井 伸樹
経歴:(株)ウィルゲイツ・インベストント勤務。ゼネコン、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、建築に広範な知識を有し、近年は太陽光発電等様々なアセットのソリューションにアプローチ。宅地建物取引士・一級建築士。