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売却するつもりはなくても、自分の住んでいるマンションの評価額を知りたい!そんな人に向けてマンションの評価額の調べ方を紹介します。この記事を最後まで読めば、自分のマンション評価額がわかるでしょう。
インターネットと手元の情報で行うマンション評価額の調べ方
複数の情報活用がマンション評価額を知るポイント
精度の高い評価額を知りたければ、不動産鑑定士などに依頼しなければなりません。しかし、素人の方でもインターネットと手元にある情報を活用すれば、おおまかなマンション評価額を知ることができます。
ただし、土地の評価額……いわゆる地価についての基本を学び、適切な情報を選択しなければ現実とはかけ離れた評価額となりますので、そうならないための調べ方やポイントを理解しましょう。
マンション評価額と相場は異なるもの
不動産の専門家が言う「評価額」というのは売値ではありません。さまざまなケースで使われる言葉ですが、多いのは固定資産税などの税金がいくら課税されるかを調べる基準となる値です。評価額が高いエリアの物件は、高く売れる可能性はありますが、あくまで可能性です。
土地の評価額ランキング1位は、銀座4丁目の和光のあたり。しかし、ここの物件が売りに出されることはないでしょう。このような売りに出されない土地にも、逆に誰も買わないようなボロボロの空き家にも、評価額はあります。
不動産の相場を調べるのは簡単
不動産の相場を調べたいとき、とくにおすすめなのは一括査定。すまいValueなら、大手不動産6社からの査定を一括で申し込めます。もちろん査定は無料です。
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評価額と相場の調べ方について詳しく知りたい方は以下を読んでみてください。
マンション評価額を知るための基本知識
基本:土地の評価額の調べ方
土地の評価額には目安となる基準が4つあります。
- 時価(実勢価格)
- 公示価格
- 相続税路線価
- 固定資産税評価額
1)時価(実勢価格)
実際に取引される価格です。一般的には、公示価格と同じ程度から2割増しとなるケースが多いですね。不動産市場が活発に動いている時は、大きく変動することも珍しくありません。
2)公示価格
毎年1月1日の時点で不動産鑑定士が公示価格を決めます。一般的な取引の目安になるほか、公共用地買収、補償の基準となる価格です。
3)相続税路線価
相続税の基準となる価格。目安としては、公示価格の約8割程度の価格です。
4)固定資産税評価額
公示価格の約7割の価格。手元に固定資産税の明細書があれば、前年の評価額を簡単に知ることができます。本来であれば、この4つの価格を比較しながら土地の評価額を考えれば良いのですが、実際に取り組むと難しいです。
誰にでもできる、マンション評価額の調べ方
そこでおすすめなのが、固定資産税の明細書に記載されている土地評価額を用いて公示価格を導き出すやり方です。式は簡単で、「固定資産税評価額×1.4=大まかな土地の評価額」となります。これで大まかなマンションの土地部分の評価額がわかります。マンションは土地を共有で所有していますので、資産価値を把握していない場合が多いです。まずは、マンションの土地部分の評価額を把握しましょう。
また、マンションの建物部分の評価額の記載もありますが、現実とは大きく異なるケースが多いので、ここでは考慮しなくてよいです。
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マンション自体の価値は自分で詳しく計算しようとしない
マンションに限らず、建物の詳しい評価額を算出するのは難しいです。実際に専門家がマンションの評価額を算出する場合は、下の3つの数字を用いて考えます。
- 積算価格
- 比準価格
- 収益価格
大まかな建物評価額
素人がこのような計算に取り組もうとしても無理ですので、まずは手元にある資料を用いて大まかな建物評価額を考えましょう。
- 売買契約書などのマンションの売買代金の詳細がわかるものを用意する
- 建物代金の消費税を確認する(消費税が5%、8%、10%かの確認もする)
- 「消費税÷(5% 、 8%、10%)=建物価格」と計算する
(事例)消費税:50万円、消費税率:5% の場合
50万円÷5%=1,000万円
建物価格が1,000万円で購入していることがわかります。後は購入してからの経過年数や部屋の傷み具合などで評価額は異なりますが、
- 購入後5年以内でしたら、購入時の建物価格から2割減~3割減
- 購入後5年超~10年以内になると、購入時の建物価格から4割減~5割減
という数字が目安です。固定資産税評価証明書を調べれば建物の評価額の記載もありますので、こちらも参考になります。
☆建物評価額のポイントまとめ
- 消費税から購入時の建物価格を計算する
- 自分が住んでからの経過年数を考慮して、現在のおおまかな評価額を計算する
これで手元にある情報で土地、建物のおおまかな評価額が5分もかからずに出来たと思います。
築浅なら近隣の新築マンションの販売価格が評価額の参考に
築年数が5年以内の築浅マンションの場合、近隣のマンションの販売価格が参考になります。
参考にするのは、近隣の間取りが似ているタイプの新築マンション。新築マンションの販売価格の7割程度が、自分のマンション評価額と近いです。あくまで参考程度ですが、参考にはなります。
取引事例は貴重な情報!自分のマンション評価額の参考になる
最後に、現在はインターネットを利用して、無料で不動産の取引事例を確認できます。このような取引事例が非常に役に立ちますので、ぜひ利用すべきです。
やり方は簡単。「不動産 取引事例」と検索するとさまざまなサイトがあります。いくつか閲覧してみて、自分が見やすいと感じたサイトや情報量が多いサイトを選ぶと良いでしょう。ここでは代表的な使いやすいサイトを紹介しておきます。
REINS(レインズ)の使い方
一番有名なものは、不動産流通機構が運営するREINS(レインズ)です。エリア、最寄り駅、間取り、広さ等を指定して、自分のマンションと似ている物件の取引価格を探します。
グラフで表示されますので、一目瞭然でわかりやすいのがメリット。この価格は最初にお話しした時価(実勢価格)となりますので、とても参考になる数字です。坪単価がわかれば、自分のマンションの坪数をかけて評価額の参考にできます。
不動産査定のサイトも活用
マンションを一括して複数社に査定できるサービスもあります。いくつか種類がありますが、大切な個人情報を提供しますので、信頼できるサービスを選ぶのが良いでしょう。
たとえば、LIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約2,800社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。
土地とマンションの評価額は計算&インターネットを参考に
この記事では以下の内容を紹介しました。
簡単にマンション評価額を計算する方法をまとめると、以下のような流れでした。
- 固定資産税を利用して土地の評価額を出す
- 建物の消費税を利用して建物の評価額を出す
- 土地+建物の評価額を合計してマンション評価額を出す
- 新築マンション販売価格や取引事例を調べて、自分の出したマンション評価額と比較する
しかし、今回は簡易計算ですので、自分で計算した評価額とインターネット上の情報に大きな開きがある場合もあります。
そのような時は、次の2点を参考に価格を調整してください。
- マンションの築年数が10年以内で近隣エリアの発展が目に見える場合は高い方の評価額を参考にする。
- マンションの築年数が10年超で近隣エリアに人口現象や商業施設撤退などが見られる場合は、低い方の評価額を参考にする。
ここまでの作業なら、30分もあれば十分に可能。もう少し精度を高めたい方は、取引事例を閲覧する時間を増やして、類似した取引の売買価格を複数見つけるとより正確なマンションの評価額を導き出せます。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧