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マンションにおける空き巣被害を防ぐための防犯ポイントを解説します。
住む地域やマンションに関わらず気を付けたい空き巣被害。実は、3つの防犯ポイントを抑えるだけで随分と空き巣被害に遭う可能性を減らせます。ぜひ参考にしてください。
空き巣はいつ来る?どこから来る?
空き巣の対策をするにあたって、まず知っておきたいのは空き巣被害が多い時間帯と侵入経路です。それぞれについて確認しておきましょう。
空き巣被害が多い時間帯
空き巣被害が多いのは23時から1時の深夜帯というデータがあります。
空き巣は家に誰もいないときを狙った窃盗ですが、実は住人が寝ている際にも起きています。さらにはリビングなどに集まっているときに他の部屋に侵入するというケースもあります。
「家にいるから安心」とは決してならないと、頭に入れておくとよいでしょう。留守のときだけでなく、在宅中であっても空き巣や泥棒への対策が必要です。
空き巣の侵入経路
マンションにおける空き巣の侵入経路は玄関、窓、そしてベランダです。
そして、多くの場合は鍵の閉め忘れが原因。しかし、玄関はピッキングや、ドアについている親指と人差し指でつまんで回す鍵(サムターン)を、ドアの外側からすき間やのぞき穴に針金のような器具を差し込んで開ける「サムターン回し」と呼ばれる手法で鍵を開けられて侵入されるケースもあります。
また、3階以上の場合は、そもそも大丈夫だと思ってベランダにカギをかけていないケースも多いです。
高層階であっても屋上からロープで降りてベランダに侵入する手法もあるので、外出時や就寝時はしっかりと施錠するようにしましょう。
マンションの防犯システムが充実している物件に住もう
空き巣被害を防ぐためには、防犯システムが充実しているマンションに住むことが重要です。
規約にもよりますが……マンションでは多くの場合、ドアや窓、窓枠は共用部扱いになります。そのため、自身で勝手に取り換えができません。
セキュリティを向上するためには、もともと防犯システムが充実しているところに住むのが基本と言えるでしょう。
マンションの防犯システムとして、あると嬉しい設備やサービスについて紹介します。
オートロック
マンションのエントランス部分にあるオートロック。
鍵や番号がないと居室がある廊下まで行けないので有効な防犯システムだと言えます。
しかし、オートロックは出入りする住人の後について行けば、簡単に突破できてしまいます。
住人であればオートロックを自分で開錠して入ってくるはずという考えから不審者を見つけやすいという見方もできますが、住人であってもエレベーターに相乗りするように、出入りする人に合わせて建物に入ることは珍しくありませんよね。
規模の大きなマンションはやや不安
規模の大きなマンションであればあるほどさまざまな人が出入りし、住民同士に面識がないケースが増えていきます。
このことは言い換えると空き巣犯が紛れ込んでいても気づかれにくい環境となります。マンション内では住人同士が挨拶を交わすなどといった工夫をすれば、より空き巣が入りにくいマンションとなります。
また、最近ではエントランスだけではなくエレベーターや玄関ドアにまでオートロックがついているマンションもあります。
マンションによっては、エレベーターホールに入る前、エレベーターに乗る前にそれぞれロックを解除する必要があるトリプルオートロック方式を採用している物件もあります。防犯を考える上では二重・三重のセキュリティがあるほうが安心です。
管理人
常駐している管理人がいるマンションも有効です。
管理人は常駐であっても24時間いるわけではなく、実際の空き巣が行われる時間帯は深夜が多いというデータがあります。
しかし、空き巣はある日突然行われるのではなく、セキュリティや侵入経路を見定める下見のようなことが行われることが珍しくありません。常駐の管理人ならば、ある程度は住人の顔を知っているはずですから、見かけない人物がいれば気づきやすくなります。
管理人がいるだけで、防犯上の効果は高いと言えるでしょう。
防犯カメラ・セキュリティサービス
防犯カメラや駆け付け型のセキュリティサービスがあるマンションは、防犯効果が非常に高いです。
空き巣を防ぐための3つのポイント
空き巣側からすれば一番困るのは、侵入までに時間がかかることです。侵入までに時間がかかればその分発見されたり通報されたりするリスクが上がるからです。
ちなみに、侵入までに5分かかると7割の窃盗犯は諦めると言われています。防犯を考える上では、たとえば「頑丈なカギ」などの設備そのものだけではなく、いかに空き巣にとって面倒なマンションだと思われるかが大事になります。
それでは、空き巣を防ぐためのポイントを紹介していきます。
防犯ポイント①:セキュリティの高いマンションに住む
まず重要なのはセキュリティの高いマンションに住むことです。
防犯カメラやセキュリティ会社、管理人、オートロックの有無などを確認し、なるべくそれらが充実したマンションに住めばそれだけで空き巣に入られにくくなります。
防犯ポイント②:自身でも対策を行う
マンションであればドアや窓は共用部になることが多く、自身でセキュリティの高いものに簡単に交換ができません。
しかし、ドアや窓そのものを交換しなくても後付けでできる防犯グッズもあります。ドアの内側や部屋の中は専有部なので、自由に防犯グッズを付けられます。ホームセキュリティは進歩が著しいので是非こちらも検討してください。
・サムターン回し防止具
ドアのすき間やのぞき穴から器具を差し込んで外から鍵をあけるサムターン回しは、鍵(つまみ)にカバーをつけることで防げます。
また、チェーンロックを外されないように固定する器具なども販売されています。
・窓用補助錠
窓ガラスは、小さく穴を開けてそこから手を入れて鍵を開けるという侵入方法があります。そのため、たとえ鍵を開けられても簡単に窓が開かないようにつっかえをするタイプのものが特に有効です。
つっかえをするタイプのものは取り付けも簡単です。ベランダだけでなく浴室などの窓にも行うのが効果的です。
また、窓ガラスを簡単に割られないように強化する防犯フィルムを貼るとなお良いでしょう。
防犯ポイント③:マンションの立地も考慮
たとえばベランダが大通りに面していれば、それだけベランダから空き巣が浸入する可能性は低くなります。
夜に人通りが少ない地域は住みやすい反面、狙われやすいので注意。マンション自体のセキュリティと同時に、街の治安や立地も考慮するようにしてください。
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まとめ:常に防犯意識を持とう!
この記事では以下の内容を紹介しました。
空き巣被害はマンションと比べると戸建てが圧倒的に多く、4階以上のマンションの10倍近くの被害件数があります。とはいえ、マンションだから絶対安心というわけでもありません。ぜひしっかりと自身でも対策を行ってくださいね。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧