中古マンション購入までの流れ:5つの重要ポイント

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マンション

目次

住宅の購入は一生で一番大きな買い物と言われています。そのため、多くの方は住宅の購入が初めてです。住宅ローンをはじめ、マンション購入には複雑に思える点も多いです。

この記事では中古マンションの購入を検討されている方向けに、マンション購入を成功させるポイントや、住宅ローンの申し込みについて説明していきます。マンション購入をする際の実際の流れにそって順番に説明していきますので、自分がそれぞれの段階で何をすればよいかを確認しながら読みすすめてください。

中古マンション購入までの大まかな流れ

綺麗なマンションに喜ぶ女性

ひとつずつの工程について具体的に説明する前に、まずは中古マンション購入までの全体像について確認します。中古マンションの購入は以下の5つのステップで成立しています。

  1. 物件探し
  2. 購入申し込み
  3. 売買契約
  4. 住宅ローン契約
  5. 決済・引き渡し

もし水回りや間取りを変更するのなら、引き渡し後に「リノベーション」が追加されます。

「購入申し込み」と「売買契約」の違いは分かりづらく思えるかもしれません。購入申し込みとは売主に対して購入意思があることを示すものになります。マンションとは基本的には一点物で早いもの勝ちです。購入の気持ちが固まった段階で提出して、他の人への売却を止めてもらうのが申し込みであり、その後書類作成などを経て契約に移行します。

中古マンション購入の流れ①:物件探し

マンション 家族

ここからは中古マンション購入に至るまでの各ステップについて詳細に説明していきます。物件探しのステップは細かくみると以下の3つから成り立っています。

  • どんな物件を探すかの購入計画を立てる
  • 不動産仲介会社選び
  • 物件探し

家を買うことを決めたらさっそく物件探しをしたくなるものですが、はじめにどんな物件を探すかを計画することが重要です。

マンションの購入計画

購入計画では、予算・立地・広さを決めます。

マンション購入は大きい買い物であるからこそ、ついわがままになってしまいがちです。数千万円という購入金額の中では、数十万円が誤差に見えてしまうでしょう。「せっかく購入するのだから」と予算という財布のひもをゆるめてしまうと、結局は借入するローン金額が大きくなり、日々の生活を圧迫してしまいます。予算を第一に考え、次に立地と広さを決めていきましょう。

立地については会社まで何分圏内という考えでもよいのですが、子育てしやすい場所、生活がしやすい場所といった条件の中から最寄り駅がどこの物件と決めておくとスムーズです。家は生活の基本ですから、仕事関係の要素だけではなく住みやすさや楽しさも考慮した立地選びをしましょう。広さに関しては現在の住まいを基準にして広くするかもう少しコンパクトでも良いかを考えるとよいです。

仲介不動産会社探し

購入計画が出来たら次は仲介不動産会社探しです。世に出ている物件は、基本的にどの不動産会社からでも仲介してもらえます。大手不動産会社だからといって、多くの物件情報を持っているわけではありません。

中古マンションを購入する際には会社の規模ではなく、担当者が信頼できそうか、親身になって話にのってくれそうかといったところを重視して業者を選ぶのがおすすめです。

物件探し

どこの不動産でも基本的にあらゆる物件を仲介できるのですから、仲介業者を一度決めたら、他の業者と比較せずに物件探しをすすめていきましょう。もしリフォームを行うのなら、仲介もリフォームも行える業者に依頼すると手間が少なく、契約もスムーズなのでおすすめです。

中古マンション購入のポイント1

まずは予算・立地・広さを決めてから業者探し・物件探しをする。

中古マンション購入の流れ②:購入申し込み

契約

内見時にはマンションの共用部や管理体制、修繕積立金の状況を中心にチェックしましょう。古くなった水回りの設備などはリフォームで変えられますが、自分で変えられるのは専有部だけです。マンションは一種の共同生活ですので、たとえばゴミ捨て場が汚れていたり、粗大ごみが放置されていたりしないか、廊下部分に個人のものが置かれていないかなどを見ておくとよいです。内見時には、部屋だけでなく周りの状況もしっかりと確認するようにしましょう。

また、マンションは基本的に20、30年に一度大規模な改修を行います。改修のためのお金はそれぞれの住民が毎月積み立てていくのですが、マンションによっては修繕積立金がきちんと貯まっていないことも。修繕積立金が貯まっていない状況で改修を行うと、大きな負担が求められる恐れがあります。

購入したい物件が決まったら

内見の結果、購入の意思が固まったら購入申し込みを行います。不動産はそれぞれ1つしかないため早いもの勝ち。他の人に先を越されてしまっては、後悔が大きいですよね。購入の意思が固まったら、なるべく早く売主に購入の意思を書面で示しましょう。

契約に必要な書類を揃えるためには時間も必要です。あなたが書類を揃えている間に他の購入者が物件を買ってしまうかもしれません。そうならないように、まず購入申し込みを行い、売主に他の人への売却を止めてもらいます。

中古マンション購入のポイント2

専有部だけでなくマンションの管理状況や周辺環境を含めて内見をする。

中古マンション購入の流れ③:売買契約

住宅ローン

購入申し込み後、契約に必要な書類が整ったら売買契約を売主と結びます。必要書類に関しては、仲介業者にアドバイスをもらいながら用意するとよいでしょう。

売買にあたっては仲介手数料をはじめとしてさまざまな初期費用がかかるのですが、初期費用は売買契約の段階で現金で用意しておく必要があります。そのため住宅ローンとして借り入れるのではなく、貯蓄から捻出するのが基本です。

売買契約に必要なものと住宅ローン契約に必要なものを合わせると「物件価格の5%~8%程度」が初期費用の目安です。2,000万円のマンションであれば100万円から160万円程度かかる計算になります。

では、具体的に初期費用にはどのようなお金がかかるのかを見ていきましょう。

頭金(物件価格の自己資金でまかなう部分)

頭金の金額は買主側で決められ、頭金が増えればマンション購入のための借り入れ金額が少なくなるメリットがあります。ただし、借入金額を減らそうして無理に多くの頭金を払おうとすると、その後の生活が苦しくなる可能性もあるので注意してください。資金計画はきっちり相談しておきましょう。

申込証拠金

申込証拠金とは、購入申し込みの際に不動産業者に支払うお金のこと。金額は数万円であることが多いです。これは「この物件を買う気があります」という確定的な意思表示のために支払うものと捉えてください。

申込証拠金を支払うことで自分の決意をより固める意味もありますが、同時に売主に固い購入意思を示して他の購入希望者に売られてしまわないようにする狙いもあります。

申込証拠金は基本的に新築物件のみに必要です。また、キャンセルをせず契約に至った場合、支払った金額は後述する「手付金」に充当されます。物件の購入に至らなかった場合は、全額返金されます。

手付金

手付金は売買契約を結ぶ際に支払うもの。金額は購入代金の5%~10%程度であるのが一般的です。

不動産の購入は、売買契約が結んだ瞬間に終わるのではありません。売買契約のあとに住宅ローン審査を経て、最終的に決済が行われます。契約締結から決済までは2週間から1か月ほどかかります。手付金は、この期間に買主都合で契約を解除する場合の解約金の役割を果たすものです。

手付金には解約金の役割があるので、契約を解除するのなら手付金は返金されません。契約から決済まで滞りなく完了した場合、手付金は物件価格に充てられます。

買主都合で契約をキャンセルするのは、たとえば住宅ローンが組めなかった場合があります。住宅ローンの審査に落ちた場合に限り、初期費用として支払った手付金が全額返ってくる「住宅ローン特約」というものがあります。これがなければ大きな損失となりますので、保険の意味で売買契約には「住宅ローン特約」があるかを必ず確認してください。

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仲介手数料

仲介手数料は、物件を紹介してくれた不動産業者に支払う手数料です。金額は物件価格によって異なり「(物件価格(税抜)×3%+6万円)+消費税」が上限となっています。上限とはいえ、ほとんどの不動産会社でこの金額が必要となります。

印紙税

売買契約時に貼る印紙代は、売買契約書の記載金額により決まります。金額は1,000万円超から5,000万円以下の場合は1万円の印紙代がかかります。

登記関係費用

不動産は所有者が誰なのかは法務局に申請する必要があります。これは専門性が高い書類を扱うので司法書士に報酬を支払います。登記をすること自体に対してかかる「登録免許税」と、司法書士に支払う手数料を合計するとだいたい5万円~10万円です。

中古マンション購入のポイント3

売買契約には「住宅ローン特約」の記載があるか必ず確認する。

中古マンション購入の流れ④:住宅ローン契約

住宅 不動産

住宅ローンは、審査さえ通れば無条件でお金が借りられるわけではなく、ローンを組むために必要な費用があります。これも現金で用意する必要があります。

火災保険料

住宅ローンを組む際は火災保険を組むことが必須になります。年払いや5年・10年の前払いなどがあり、また、金額は補償内容によって異なります。おおよその目安としては年間2~3万円ほどとなるでしょう。ちなみに地震保険は任意加入です。

ローン保証料

ローン保証料は、住宅ローンの連帯保証人を立てる代わりに保証会社へ支払う費用のことです。万が一契約者がローンの返済をできなくなれば、お金は貸した金融機関は損をしてしまいます。そのようなリスクを避けるために金融機関がローンを組む条件としているものになります。金額は借入金額1,000万円あたり20万円ほどであることが多いです。

金融機関によってはローン保証料を設けていないところもありますが、その分審査が厳しかったり、金利が高かったりします。

お金を貸す金融機関がリスクを避けるための費用ですので、仮に支払いができなくなったとしても契約者にとっては、残債を返済する相手が金融機関から保証会社に変更されるだけで引き続き返済の義務は継続します。

ローン手数料

ローン手数料は、単純に住宅ローンを組むために金融機関に支払う事務手数料です。3万円から5万円であるのが通常ですが、金融機関によっては「融資額の2%」などと設定しているところもあるのでご注意ください。

印紙税

不動産取得と同様に、ローン契約を結ぶ際にも印紙税がかかります。こちらは不動産取得のときは金額が異なり、1,000万円超~5,000万円以下の契約の場合は2万円です。

団体信用生命保険料

住宅ローンの返済中に契約者が亡くなってしまった場合などに、ローンの残債をすべて弁済してくれる生命保険のために支払う費用です。基本的には住宅ローンの金利に組み込まれているので別途で支払うケースは多くありません。

中古マンション購入のポイント4

住宅ローンを組むために、金融機関に支払わなければならない費用がある。

中古マンション購入の流れ⑤:決済・引き渡し

住宅 売却

金融機関で住宅ローン契約を結べば、自分の口座に入金されます。そして購入金額から既に支払い済の手付金を差し引いて買主に振り込みます。リノベーションを行うのなら、あらかじめ決めておいた業者に工事を開始してもらい、工事が完了したら入居となります。

ただ、リノベーションをする場合、費用面で考えると自分でリノベーションを行うよりはリノベーション済のマンションのほうが安くなることは知っておいてください。

リノベ済のマンションのメリット

リノベーション済のマンションは、不動産会社がプロとして売れる間取り、売れる仕様を考えてプロデュースしているので非常に出来栄えが良いです。また、大量発注、リモート打ち合わせなどの工夫もされているため、コスト面のメリットもあります。

更に言えば、すぐに入居できる。これもリノベ済みマンションのメリットでしょう。

中古マンション購入のポイント5

リノベーションを自分で行うよりも、リノベーション済の物件を購入する方が合計金額は安くなる。

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中古マンション購入までの流れ:まとめ

女性 住宅

この記事では以下の内容を紹介しました。

マンション購入は大きな買い物です。だからこそ後悔のないようにしっかりと情報を仕入れ、計画を立てて行うようにしてください。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧