ホーム 不動産購入のノウハウ 定年後の住み替え計画:豊かな老後のための4つの注意点

定年後の住み替え計画:豊かな老後のための4つの注意点

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定年後の住み替え計画:豊かな老後のための4つの注意点

目次

子どもの独立や自身の定年をきっかけに住み替えを考える方は多いです。広いマンションから夫婦でちょうどよい広さの家に住み替えたり、移動の大変な戸建てからマンションへの住み替えを検討するのはごく自然なことでしょう。

この記事では、定年後の住み替えをテーマに、住み替え時の注意点を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

定年後の住み替えには綿密な資金計画を立てて

住宅

定年後の住み替えは、自身の「終の住処」となることも多いでしょう。これまでのようにバリバリ働いてしっかりと収入を得ることは難しくなるので、細心の注意を払って行う必要があります。

住み替えのことだけを考えるのではなく、住み替えた後の暮らしのことまでしっかりと計画をした上で住み替えをするようにしてください。住み替えをしたばかりに老後に貧しい生活を強いられるようでは本末転倒ですからね。

定年後に組む住宅ローン:4つの注意点

女性 物件へのアドバイス

住み替えを行う際は、現在の住居を売却して新居の購入資金に充てるのが一般的です。しかし、いくら定年後の暮らしにちょうどよいコンパクトな家を購入するとしても、現在の自宅を売却して得た資金だけでまかなうのは難しいでしょう。

理由は、長年住んだ家の建物部分には資産価値がほとんどなく、実質的には土地の売却金額だけに頼ることになるからです。

売却して得た資金だけで新居が購入できなければ、貯蓄をまわすか新たに住宅ローンを組むことになります。定年後に住宅ローンを組む際の注意点を4つにまとめたので、1つずつ確認していきましょう。

定年後の住宅ローン注意点①:自宅売却の前に住宅ローンの完済

今住んでいる自宅は、住宅ローンを組んで購入しているはずです。もしローンが残っている場合、残債の支払いには自宅を売却して得た収入を充てることもできます。つまり住宅ローンは残っていても売却は可能です。

しかし、これには条件があり、買い手に引き渡す時点で住宅ローンを完済することが必須となります。もし売却してもローンが完済できなければ手持ちの貯金や退職金などから補填しなくてはなりません。

残債が多くて今の自宅を売却しても新居の購入費にほとんど充てられない、売却してもまだローンが完済できず退職金を使わないといけない場合は、無理に住み替えを行うとその後の資金繰りが非常に困難になる恐れが高いです。

定年後の住宅ローン注意点②:年齢制限

ほとんどの住宅ローンには借り入れる際の年齢制限があり、65歳以下か70歳未満が借り入れ可能な上限の年齢であることが多いです。また、完済の条件も80歳までとなっていることが一般的です。

つまり、定年直後の60歳であっても最長で20年間しかローンを組めないわけです。会社の再雇用制度を利用しても65歳までしか働けないわけですから、その点も考慮した上でローンを組む必要があります。言い換えると定年直後でまだ働ける期間がある60歳ごろが、住宅ローンを組むラストチャンスとなるでしょう。

定年後の住宅ローン注意点③:自宅売却の際には複数の不動産会社に査定依頼

スタッフ

長年住んでところどころ傷んできている物件は、買い手がつきづらく基本的には仲介で売却することは困難です。そのため築年数が経った物件は、仲介で一般に売りに出すのではなく不動産の買い取りを行っている業者に直接買い取ってもらう「不動産買取」を行うのがおすすめです。

仲介の場合は、長期間買い手が見つからなければ値下げを余儀なくされます。一方、不動産買取の場合は業者が直接買い取ってくれるため査定価格がそのまま売却価格となります。この際に重要となるのが複数の業者に査定依頼を行うことです。一括で査定依頼ができるサイトを活用してなるべく高く買い取ってくれるところを探すようにしてください。

もしも買取を考慮するのであれば、買取専門の業者に査定を依頼すると良いでしょう。査定はもちろん無料です。

また、あくまで仲介による売却にこだわるのなら、一括査定サービスを利用すると良いです。たとえば、すまいValueなら大手不動産6社からの査定を一括で申し込めます。もちろん査定は無料です。

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定年後の住宅ローン注意点④:退職金を住み替えに使わない

一度に大きな金額が手に入る退職金は、その金額の大きさから「少しくらい使ってもいいか」という気持ちになりがちです。また、仮にコンパクトな住居に住み替えるとしても安い買い物ではないので、多少は退職金から補填することになるでしょう。

しかし、退職金はあくまで老後の資金と考えることをおすすめします。定年直後はまだまだ元気で健康そのものであっても、近い将来大きなケガや病気になるとも限りません。普段生活していく分とは別に、ある程度のまとまったお金として退職金を確保しておいたほうがよいでしょう。

定年後の住み替えはマンションと戸建てどちらが良い?

古いマンション

戸建てにもマンションにもメリットがあればデメリットもあります。定年後の暮らしを想定して住み替えをするならどちらが良いかを考えてみましょう。

定年後の住み替えで重視したいのはやはりバリアフリー性です。近年では老人ホームではないシニア向けの住宅として、バリアフリーの住宅も増えています。希望に応じて介護サービスが受けられる「サービス付き高齢者向け住宅」といったものもあるので、現在まだ介護は必要なくても近い将来のことを見据えた住み替えが求められるでしょう。

買い物のしやすさ、移動のしやすさなど生活の利便性を考えると、戸建ての場合はどうしても駅から離れた住宅地になってしまいやすいので、立地のよいマンションへの住み替えがおすすめです。もしそれでも戸建てをということならば、階段の昇り降りのない平屋がよいでしょう。

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定年後の住み替え:まとめ

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この記事では以下の内容を紹介しました。

住み替えをするにはさまざまな注意点があります。マンションであっても戸建てであっても購入や建て替えには大きな費用がかかることは間違いありません。場合によってはローンを組む必要もあります。リスクを減らすために賃貸マンションで暮らすという選択肢も検討する価値はあるでしょう。自身の希望する生活の仕方に応じて選ぶようにしてください。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧