家を売却するときはまずは査定から始めることになります。査定というと仲介のイメージがありますが、状況によっては買取も検討することで、家の売却を有利に進められる可能性があります。本記事では、こうした家の売却査定を有利に進めるコツをご紹介していきます。

売却査定は仲介と買取両方を検討してみよう

夫婦に不動産営業

売却査定というと仲介をイメージされる方が多いかと思いますが、仲介だけでなく、買取という方法もあります。

これは、必ずしもどちらがいいというわけではなく、両方のメリット・デメリットを把握したうえで選択することが大切だといえます。

仲介のメリット・デメリット

仲介のメリットはうまく売却を進めることができれば、相場通りか場合によっては相場より高めの金額で売却することもできるということでしょう。とくに、建物の状況がよかったりする場合には、買取より仲介を選んだほうがお得になるケースが多いです。

一方、仲介のデメリットとしてはいつ売れるか分からないということが挙げられます。中には年単位で売れ残っている物件もあり、こうなると時間が経つほどにどんどん物件の価値が下がっていってしまいます。そうした事態に陥ってしまうことのないよう、買取で短期間で売却してしまったほうがお得になるケースもあります。

買取のメリット・デメリット

買取のメリットは売却条件さえ整ってしまえばすぐに買い取って貰えることだといえるでしょう。転勤や離婚、相続など売却を急いでいたり、売却に期限があったりするケースでは買取を選んだほうが安心して売却を進めやすくなります。

先述の通り仲介はいつ売れるか分からず、売れない期間が続く場合にはどんどん家の価値が落ちていってしまうという問題もあり、最初から買取を選んでおけばお得だったという可能性もあります。もちろんこれは結果論であり、売却前にどちらを選べばよいか確実なことはいえませんが、ある程度の傾向はあります。

以下、仲介がおすすめなケースと買取がおすすめなケースについて見ていきたいと思います。

手を加えずに売却できる物件は仲介がおすすめ

綺麗な洗面所

まず、手を加えずに売却できる物件については仲介を検討してみるとよいでしょう。

冒頭でお伝えした通り、建物の状況がよかったりする場合、売却前のリフォームや設備の改良など行うことなく売却出来る状態の物件であれば、仲介の方が高い価格で売却できる可能性が高いからです。そのままの状況で売却できそうと判断できたら、まずは3カ月程度仲介で売却してみるとよいです。

監修者から:そのまま住めるという点は、買主が購入後にリフォームをしたり修繕を希望する様な状態でないこと。つまり、購入後に買主にそれらの支出が発生しないことです。物件が売れるには更にその先の状態である「物件を気に入る」ことも重要です。

室内が経年劣化していて床や壁がきたいないなどの築古の物件は、仲介会社がいくらお客様をご案内しても気に入ってもらえないのですから成約に至りません。自分で住むには何らの支障もないと思いますが、不動産というモノを買い物に来たお客様が気に入って「欲しい!」と感じてもらえる状態かを判断することが重要です。そのため、お客様に気に入ってもらえる状態ではない築古の物件は、買取がおススメになります。

多くの内見の予約が入るようであれば、価格面や外観面で多くの方に魅力を感じて貰えているということで、そのまま仲介で売却してよいでしょう。一方、内見の予約があまり入らないようであれば、価格の見直しを行うか、場合によっては買取に移行することも考えられます。

そのまま住めない物件は買取がおすすめ

汚いキッチン

一方、そのままでは住めない物件の場合は買取を検討してみることをおすすめします。これには、いくつかの理由があります。

売却前のリフォームはあまりおすすめできない

まず、家の状況があまりよくなくそのまま快適に住めないようであれば、リフォームしてから売却することも考えられますが、家の売却では、売却前のリフォームはあまりおすすめできないという問題があります。これは、売却前にリフォームしても、そのリフォーム代金を売却価格に上乗せできる可能性は低いといったことが理由です。

また、家を買いたいと思っている人の中には購入後に自分好みにリフォームしたいと考えている方も多く、売却前にリフォームしてしまうとその費用が無駄になってしまいやすいです。かといって、快適に住めそうにない住宅をリフォームせずにそのまま売却しようとしても、買手がなかなかつきにくいというのが現状です。

このため、売却前にリフォームすることなく買い取ってもらえる買取がおすすめなのです。家を買い取った不動産会社は新築のように家をリフォームしてから再販します。

建物の状況がよくない物件は売却後にトラブルになる可能性がある

また、建物の状況がよくない物件を売却すると、売却後にトラブルになる可能性があります。これは、不動産の売買では契約不適合責任(2020年4月以前は瑕疵担保責任)というものがあり、売買した不動産に、売買後に何らかの問題(契約内容との不一致)があった場合に、売主がその責任を負わなければなりません。物件の状態が悪いほどこうした問題は起きやすくなるでしょう。

不動産の売買では、契約不適合責任を負う期間を「引渡しから3カ月以内」などとつけるのが一般的ですが、買取の場合にはプロの不動産会社が買い取るということもあり、この責任を免責とする条件を付けるのが一般的です。

物件の特性と自分の状況を考えて査定先を決めよう

不動産について説明する女性スタッフ

不動産の売却において査定をおすすめするケースと買取をおすすめするケースについて一例をご紹介しました。全ての物件に当てはまることではありませんが、一つの参考として知っておいていただけたらと思います。上記は、主に物件の特性に応じて仲介か買取かを選ぶポイントをお伝えしていますが、売主の状況によって判断することも求められるでしょう。

例えば、数カ月後に転勤が決まっている場合には、その期日前に売却したいと思うでしょうし、相続の場合には相続開始から10カ月以内に相続税を納税する必要があり、これも期限前に売却する必要があるでしょう。

その他、離婚や相続における相続人同士の話し合いの場などでは、進め方によって売却価格が大きく変わる仲介よりも、プロに査定を受けて条件がまとまればその価格で売却できる買取のほうが、全員の意見をまとめやすくトラブルに発展しづらいというメリットもあります。

このように、家を売却するにあたり、仲介にするか買取にするかという判断は物件の特性や売主の状況に応じて行うのが良いでしょう。

買取保証付仲介という選択もある

買取か仲介かという選択の他に、買取保証仲介という方法もあります。これは、一定期間仲介で販売活動を行ってみて、売れない場合には買取に移行するというものです。いつ売れるか分からないという仲介のデメリットと、築浅でそのまま住める状態の物件に限っては相場より安くなることの多い買取のデメリットを解消できる可能性がある、いいとこ取りの売却方法だと言えます。

ただし、買取保証付仲介は実施している不動産会社が少ない点や、買取することを前提に仲介を一生懸命やらない業者もある点に注意が必要です。

まとめ:家の査定は物件の特性や売主の状況に応じて

家 住宅

家の売却を有利に進めるための知識として仲介と買取それぞれのメリット・デメリットやおすすめのケースをご紹介しました。この記事で紹介した内容は以下のとおりです。

仲介、買取にはそれぞれメリット・デメリットがあり、家の査定は物件の特性や売主の状況に応じて適したほうを選ぶと良いでしょう。まずは両方の査定を取ることも可能なので、少しでも良い条件で売却できるよう、本記事の内容の参考にされることをおすすめします。

監修者から:全ての不動産で買取が相場より安くなるわけではありません。築浅で不動産会社が手を入れる必要のない状態の良い物件に限っては安くなることがあります。築古や状態の悪い部屋はそれを改善する費用がかかるのでマイナスとなりますが……このマイナス部分も物件の価値です。「相場、相場」と言いますが、何らの手も加えずに住める物件(たとえば数年前にリフォームした、など)と手を入れなければならない物件を同じ土俵で比較していけないのです。

監修 鈴木 良紀
(株)ウィルゲイツ・インベストント勤務。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。宅地建物取引士・ビル経営管理士

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地方銀行にてリテール業務に2年間従事後、不動産会社にて6年間新築住宅や不動産売買、土地仕入れに携わる。それらの経験を活かし、金融に強い不動産ライターとして記事を執筆。宅建士/2級FP技能士(AFP)/相続管理士。