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分譲マンションを少しでも高く売りたいと考えている方に向けて、中古マンション市場の現状から分譲マンションを高く売るためのポイントを紹介します。
マンションは、売り方次第で売却価格が変わるものです。是非、ポイントを抑えておいてください。
分譲マンションの中古市場は過熱している
マンション売却を検討されている方が気になる中古マンション市場の状況。
中古マンションは現在売り物件が増え、価格も上昇しており売り時ともいえるでしょう。
公益財団法人東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向データ(2020)」によると、成約物件の㎡単価と物件価格は首都圏では8年連続で上昇し、この8年で単価は44.5%上昇、物件価格も前年比4.6%アップの3,599万円まで上昇しています。
とくに5,000万円以上の価格帯での成約件数が増加と価格・単価ともに「高く売れる」状況であり、マンション市場は活況といえるでしょう。
活況でも売り出し価格を間違えれば売却できない?
中古マンション市場が活況でも、必ずしもマンションが高く売れるわけではありません。
マンションは販売価格の設定を間違えると売却できない恐れがあるものです。
マンションを売るとき、利益を得るためには高値を設定する必要がありますが、あまりにも相場とかけ離れた高い金額を設定すると、売れ残ってしまう可能性が高くなるでしょう。
たとえば、2,000万円が相場のマンションをローンの残高分を考慮して2,500万円で販売しようとしても、相場よりも500万円高いためなかなか売れずに、最終的には相場よりも低い1,800万円でようやく売れるということは多いです。
最初に高く売り出しても相場の2,000万円に戻せば、2,000万円で売れると感じている方が多いと思いますが、ここに落とし穴があります。高値売却を意識しすぎると当然売却するハードルは上がっているので、販売期間が長期化します。すると、「売れ残り」の印象がついてしまうのです。
不動産は数千万の高価な買い物なので買い手の警戒心は強いもの。売れ残り物件には「なにかある」と思われてしまうのも当然です。
売れ残った原因を「高値を狙いすぎた」と後で説明しても、言い訳にしか聞こえず、何か隠しているのではないかと勘繰られ、物件購入に至らないケースが大多数でしょう。
価格を相場より下げると、「売れ残り感」と価格のバランスが取れて、やっと売却出来るようになります。
このように、高値を狙いすぎると相場より安い金額でしか売れないことが多くなってしまうのです。
買い手側も価格には敏感
当たり前ですが、買い手側もマンション購入する際に販売価格を強く意識しています。
インターネットなどで物件を比較し、相場をチェックした上でマンションを選ぶ傾向です。
そのため、相場よりも高い金額を設定していれば、買い手側も見抜き敬遠するでしょう。そもそも物件の検索時の金額設定ではじかれてしまう可能性も高いです。
分譲マンションを高く売りたいのなら根拠が必要
販売金額を高く設定するのであれば、高く設定した理由を客観的に説明できることが大事です。
たとえば、角部屋である、眺望がいい、駅から近く利便性がいい、便利な施設があるなど、です。
自分でも近隣の売り物件の調査を行い、相場を確認したうえで適正な価格を設定しましょう。
分譲マンションを高く売るために押さえておきたい3つのポイント
少しでもマンションを高く売るためにはどのようにすればいいのでしょうか?
ここでは、マンションを高く売るためのポイントとして次の3つをご紹介します。
- 売れやすい時期を押さえておく
- 売却前に物件を徹底的に清掃する
- 信頼できる不動産会社を見つける
分譲マンションを高く売るポイント①:売却しやすい時期を押さえておく
マンションにも売れやすい時期があります。需要が高いタイミングで売り出せば、マンションが高い値段で売れる可能性も上がるでしょう。
マンションの需要が高まる時期は、一般的に新生活が始まり人の動きが多くなる4月にあわせた2~3月頃です。
また、同様に9月にも動きが多くなるので7~8月頃も需要が高まる傾向にあります。
マンション売却の流れ
マンションを売却するまでの基本的な流れや期間は「計画→査定→媒介契約→販売活動→売買契約→引渡し」となり、引渡しまでにスムーズに進んでも3ヶ月から~半年はかかります。
いつから売却をスタートさせればいいのか事前に計画をしっかりたて、タイミングをあわせて販売できるようにすることが大切です。
買い手が4月から生活をスタートさせるためには、2月下旬に売買契約を結び3月下旬には引渡しと引越しを完了できるのがベストです。
少なくとも1月初旬や年末よりも前に販売活動を始めておく必要があります。
築年数で見る分譲マンションの売りやすい時期
マンションの築年数で売りやすい時期を考えるなら、やはり築年数の浅い物件ほど高く売れる可能性が高いといえるでしょう。
一般的に築5年以下のマンションは買い手がつきやすいものです。
5年以下であれば設備の劣化も少なく新築とほぼ変わらないという印象があり高い値段でも売れる傾向にあります。
また、築10~15年のマンションであっても、まだ劣化は進んでおらず比較的新しいうえに築5年以下のものよりも安い価格で購入できるため人気があり、売りやすいといえるでしょう。
築10~15年でマンション自体の大規模な修繕工事を行うところも多いため、そのタイミングにあわせて売りにだすと売れる可能性が高まります。
築20年以上の分譲マンションは……
築20年以上になってしまうと、設備の古さや劣化が目立つようになり、売却にはリフォームや値下げが必要になってきます。
築年数が上がれば需要が下がり、そのままで売ることが難しいため、高く売れることは期待できないものです。
築年数で売りやすい時期を考えるなら「少しでも早く売る」ことをおすすめします。
売り時を知るもう一つ大きな要素は住宅ローンの残債です。想定売却金額が住宅ローンの残債を下回ると、自己資金で返済をしなければならないのでおススメしません。
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関連記事:住宅ローンからのマンションの売り時を解説した記事はコチラ
分譲マンションを高く売るポイント②:売却前に物件を徹底的に清掃する
高く売るためには「内覧」に備えて徹底的に清掃しきれいにすることが大事です。
内覧とは購入を希望する買い手が、実際にマンションの中を見学することをいいます。
内覧するときに部屋が荷物だらけで汚れていては買い手の購入意欲も削がれてしまうものです。
できるだけ綺麗な状態の物件を見てもらい、買い手の印象を良くしておくことでより売りやすくなるでしょう。
物件の印象をよくするポイントには次のようなことがあります。
- 玄関、水回り、リビングの掃除は念入りにする
- 荷物を減らす
- 毎日綺麗な状態をキープ
- 明るさや臭いに注意する
玄関・水回り・リビングはとくに意識したい
内覧の際に特に印象を左右するのは「玄関・水回り・リビング」です。
とくにキッチンは奥様が気にするポイントでもあるため念入りに掃除をするようにしましょう。
荷物が多いと散らかっている印象を受けるものです。いずれ引っ越す予定でもあるので、これを機に整理整頓をすすめなるべく荷物は少なくするようにしましょう。
荷物が少なくすっきりした物件であれば、掃除もしやすくなりイメージアップにつながるでしょう。
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分譲マンションの内覧:購入希望者はいつくるかわからない
内覧が開始されるといつ見学者がくるのかわからないものです。常に綺麗な状態をキープできるようにしておくようにしましょう。
また、意外と見落としがちなのが明るさと臭いの対策です。他人の家に行った時に明るさや臭いが気になることはないでしょうか?
毎日暮らしていると自分の家の明るさや臭いに慣れてしまいわかりにくいものです。
照明の確認や内覧前の換気などで対策を行うと、マンションの印象がよくなり買い手に気に入ってもらえる可能性も高くなります。
分譲マンションを高く売るポイント③:信頼できる不動産会社を見つける
マンション売却は基本的に不動産会社に依頼をして進める形になります。
少しでも高くマンションを売るには、信頼できる不動産会社をみつけ依頼することが一番大事なことになります。
不動産会社を選ぶポイントは以下のとおりです。
- マンション販売が得意な不動産会社
- 査定価格の根拠がしっかりしている
分譲マンション販売が得意な不動産会社
「マンションの販売」「戸建て住宅の販売」「賃貸」など不動産会社ごとに得意分野があります。
分譲マンションの販売を依頼するのであれば、やはり分譲マンションの販売を得意とする不動産会社を選ぶようにしましょう。
直近の販売実績が豊富・取り扱い件数が多いなどマンション販売に力を入れているような会社であれば、安心してマンションを任せることが出来るものです。
査定価格の根拠がしっかりしている
不動産会社により得意分野の違いや参照データの違いにより、査定価格は異なるのが一般的です。
そのため、基本的には複数の不動産会社に査定依頼を出して比較することをおすすめします。
ただし、査定価格が高すぎる不動産会社は注意が必要です。契約欲しさに相場よりも高い査定額をだす可能性があり、そのような不動産会社と契約をすると結局売れ残ってしまいます。
査定額だけでなく、その額の根拠までしっかり説明できる不動産会社を見つけることが大事です。
一括査定を賢く利用しよう
分譲マンションを売る際には、まず一括査定を活用することをおすすめします。
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分譲マンションの状態によっては買取も選択肢に
築年数の古い中古マンションは、自らリフォームする等の商品化をしないと、個人に売却するのは厳しくなります。
住みながらリフォームするのも困難だし、数百万円のリフォーム費用をいくらで売却出来るか分からないのに支払うのも抵抗があると思います。そんな時は「買取博士」がおススメです。
買取を軸にして、その他お客様への最適な売却戦略を提案してくれるサイトなのでこちらも利用してみてください。
ダンラク
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まとめ:分譲マンションの売却のために
マンションを高く売るためのポイントについてお伝えしました。
マンションを少しでも高く売るためには、売り時や物件の清掃など押さえておきたいポイントは多々あります。
また、複数の不動産会社に査定依頼を行い販売価格や不動産会社を比較することも大切です。
一括査定サイトを活用するなどし、査定内容を比較した上で信頼できる不動産会社を選びマンション売却を進めるようにするとよいでしょう。
関連記事:査定サイトの利用のコツはコチラ
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧