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リアルな疑問、中古マンションの査定サービスはどこも同じ?

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リアルな疑問、中古マンションの査定サービスはどこも同じ?

目次

中古マンションを売却する最初のステップである査定は、どの会社も無料で行ってくれます。だからこそ、どの不動産業者に依頼するかも迷う方が多いのでしょう。

中古マンションは、周辺で同じような物件が売りに出ただけで、査定価格……いわゆる相場が大きく変わってしまうことも少なくはありません。だから、余計にわかりづらいのです。ここでは、マンションを売りたい人、もしくは自分が所有するマンションの価値を知りたい人に向けて、中古マンションの査定サービスについて掘り下げました。大きな買い物だったマンションは、売却の際ももちろん大きなお金になります。マンション所有者ならば、必ず知っておいて欲しいことですよ。

売却のコツ!売却成功を分けるのは売り出し価格!

高く、そして早く売るために必要な事は?

マンション売却の一般的な流れは、

  1. 仲介会社に査定をお願いした後
  2. 売却価格を決めて売却スタート
  3. 広告などを展開して購入者希望者を集めます
  4. 購入希望者の内覧対応。購入者が決まる
  5. 売却できた物件の引き渡し

という流れです。

しかし、マンションを売り出したのに「見学者が来ない」や「検討まで進まない」というケースも多々あります。しかし、購入希望者は他の新築マンションや、他のリフォーム済みの綺麗な中古マンションとも比較しているため、簡単に売却が決まることのほうが少ないでしょう。売却までにはある程度の期間が必要です。

売却したい中古マンションが、当初想定していた価格ではなかなか売れない……こんな時、広告戦略の変更なども有効ですが、それ以上に効果的なのはシンプルに「売却価格」を下げることです。

ただし、一度価格設定した中古マンションの価格が下がるのは、購入希望者の目線でも、あまり良い印象は与えません。「売れない中古マンション」と思われてしまうことも多いからです。

だから、最初の「売り出し価格をいくらにするか」が、中古マンションを売却する際にはとても大切。そして、その売却価格を左右するのは、不動産業者が行う査定です。今回は、そのマンションの売り出し価格を決めるための査定についてお話しましょう。

どんな会社を選ぶのが正解?

中古マンション「机上査定」と「訪問査定」

マンション査定には大きく分けて、「机上査定」と「訪問査定(実査定)」の2つがあります。

(A)机上査定

机上査定は周辺の土地の相場と照らし合わせて「おおよそこの位の値段になります」という簡易的な売却価格をシミュレーションする査定です。不動産会社にもよりますが、通常は1日~2日程度で算出されます。

複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめですが、それが面倒という方は、インターネットを通じた一括査定サイトを使うと良いでしょう。ネット上で簡単に売却したいマンションの査定価格が出るサイトはいくつもあります。その中でもおすすめの1つが、大手不動産6社で運営をしている「すまいvalue」。集客力が高く、すでに獲得している購入希望者の「顧客名簿」も豊富にあります。

すまいvalue 公式ページ

(B)訪問査定(実査定)

訪問査定とは、机上査定を受けた不動産業者が実際にマンションの部屋を見て、正確な中古マンションの査定額を算出します。基本的には電話やネットで訪問査定の依頼を行い、後日に不動産会社の担当者が自宅のマンションに訪れ、査定するという流れです。

訪問査定での注意点は、「眺望」「室内の傷」の2点です。中古マンションの査定において、机上査定から実査定で査定額が大きく変わることは少ないのですが、変わるとしたらこの2点でしょう。

とくに、机上査定をする際、仲介会社も地図でマンションの場所は調べますが、部屋毎の眺望や日当たり、ご近所問題や掃除の行き届き方までは分かりません。たとえば、5階からの眺望は目の前には何もなく遠くまで見渡せるけれども、4階までは嫌悪施設が目の前にある。とすると、同じ中古マンションであっても5階と4階とでは、査定価格が大きく変わってきます。

地図だけでは眺望は確認できないので、もし、そういう眺望の境目の部屋であれば、中古マンションの査定価格が下がることを覚悟しておきましょう。日当たりがいい物件を好む方も多いですし、掃除が行き届いていない部屋は内覧の時に嫌がられてしまい、売却成約に至らないか値下げ交渉が予想されてしまうからです。

また、中古マンションとはいえ、やはり大きな傷は歓迎されません。売却価格が下がる大きな原因となります。どこまでリフォームや補修するべきか、仲介会社と良く話をしましょう。

不動産会社はそのエリアの取引データも豊富に持っているので、「あのマンションなら3,000万円台で売れるな」と分かっていることも多いです。ただし、訪問して実際のマンションを見ると机上査定よりも値段が下がってしまう場合も。どちらがより正確な査定結果なのかは、もちろん訪問査定です。

査定額が高すぎる不動産会社は怪しい

マンション売却の相場よりも高く売る

中古マンションの査定を不動産業者に依頼したら、査定金額が出てくるでしょう。この時に確認すべきポイントがあります。それは、複数の業者から出された査定の価格差。同じ中古マンションの査定を依頼しているのに、当然のように価格差は出てくるものです。では、なぜ価格差が出るのでしょうか?

どのような中古マンションであったとしても、査定された価格には必ず根拠があります。その価格の根拠を各不動産会社に確認してみてください。とくに相場から大きく外れるほど高い査定額を出した不動産会社には、その価格の根拠を確認する必要があります。なぜなら、根拠なく相場よりも高い査定額を出して、媒介契約の話を進めようとする不動産会社もあるからです。

  • 近隣エリアで同じような物件を売却した実績があるから
  • 購入を実際に考えている方から問合せがあり、相手の予算を知っているから

このような理由であれば良いのですが、根拠のない査定額には注意するようにしてください。

「査定額」はその値段で売れる金額ではなく、ただの予想額です。売り出し価格の目安程度に考えてください。

不動産売却が初めての方は「高い査定額を出してくれた。この会社が家を一番高く評価してくれた」と喜んで売却の契約をしてしまうかもしれません。しかし、その不動産会社の本当の狙いは仲介契約をとることだけ。中古マンションの売却のためのまともな活動はしません。当然、売れないので相場より価格を下げることになってしまうでしょう。結果的に、売却主は安い価格で中古マンションを手放し、自分達の会社はしっかり仲介手数料だけはもらうという方法です。不動産会社もたくさんありますから、このような方法で自分達の利益を確保しようとする不動産業者も実在します。

「不動産 高査定」「不動産 囲い込み」で検索してみると詳細が出てきますので、興味がある方は調べてみてください。1つでも良くない口コミがある不動産業者は要注意でしょう。

中古マンション売却時の「媒介契約」について

住宅を売買するときの契約書

中古マンションの査定が終わり、仲介会社を決める時には「媒介契約」を締結します。

中古マンション売却時に、不動産業者と契約をする媒介契約には3種類あり、それぞれ「専属専任媒介契約(以下、専属専任)」「専任媒介契約(以下、専任)」「一般媒介契約(以下、一般)」と言います。

  • 「専属専任」
    簡単に言うと「あなたの会社だけに売却を依頼します。他の会社には売却を依頼しません」というもので、不動産会社も「1週間に1度状況を報告する義務」があります。また、自分で中古マンションの買主を探すことはできません。
  • 「専任」
    上記の「専属専任」と似ていますが、違う点は、不動産会社は「2週間に1度の報告で良い」という点。そして、もう1つ異なる点は、自分でも中古マンションの買主を探すことも可能ということ。ただし、売買契約が決まったら不動産会社に営業にかかった費用を支払わなければならないこともあります。
  • 「一般」
    「あなたの会社以外にもこの中古マンションの売却を任せます」という内容のものです。また、仲介会社が「不動産指定流通機構(レインズ)」へ物件情報を登録する義務はありません。

ここまで聞くと「複数の会社に頼めるから一般の方が良いのでは?」と思う方もいると思いますが、立地が良い(東京23区や都心の主要駅徒歩5分以内)などの売れ筋物件ではない限り、「専属専任」か「専任」の方が良いでしょう。理由は、専属専任もしく専任の方が「売却に人員とお金をかけられるから」です。

「一般」だと、自分の会社で成約をするか分かりません。つまり、よほど条件の良い売れ筋の中古マンションでないかぎり、売却のための営業に力は入れません。手数料が会社に入るかが分からない中で、広告費用などのお金をかけられないからです。ほとんどの不動産会社で「一般契約の物件は後回し」になってしまいがちです。

売主は仲介会社の選び方を間違えてはいけません

さて、査定の流れと契約の種類が分かった所で、いよいよ仲介会社を選ぶポイントです。

地域に根差しているか

不動産業者を選ぶ最初のポイントは、地域に根差しているかです。大手の不動産会社の担当者は転勤もあったりして、あまり地域のことを詳しく知らないことも多いため、中古マンションの売却には不向きのケースもあります。

物件を売却する場合、そのエリアの特徴や学区、スーパーマーケットの位置まで把握している業者がベストです。「地域」の売れ筋はいくら位で、人気のタイプ、顧客層、予算などの「トレンド」を日々の営業活動を通して把握していれば、適切な査定額=売り出し価格を知っていると言えるでしょう。

その不動産会社の得意分野と自分のマンションが合っているか

ビフォー

不動産会社はそれぞれ得意分野があります。たとえば、ファミリー向けマンションが得意、戸建てが得意、ワンルームが得意、築年数の古い家もリノベーションして売り出すから古いマンションが得意など……。

あなたの売りたい中古マンションと不動産会社の得意分野が合っているかも確認しましょう。

もし、中古マンションが苦手な不動産会社なら「これだとリノベーションしないと住む人が見つからない」と言ってかなり安い査定額を出すかもしれません。リノベーションする予定で古い家を探しているお客様を多く抱えている不動産会社もありますから、そこはもう得意分野か否かの違いでしかないのです。

間取りを変えるなどのリノベーションプランもシミュレーションして提案してくれるパナソニックのリアリエというサービスもありますので、現状の中古マンションで売却できなかったら、このようなリノベーションを検討する方法もあります。

営業担当者

2つ目のポイントは営業担当者です。大手業者を選んでも担当者との相性が悪いと、話が通じずにコミュニケーションが円滑にいかないこともあります。最悪のケースは、担当者の交代をお願いするしかありませんが、新人の場合ですと、支店長クラスか次席クラスの上司が一緒に来訪して「私が一緒に担当させて頂きます」と担当者が2人になるケースもあります。

査定額に根拠があるか

3つ目のポイントは、先ほども触れた「査定額に根拠があるか否か」です。会社によって中古マンションの査定額は多少ばらつきが出ます。その中で「査定額が高いからこの会社!」と金額だけで決めてしまうと、先述したように価格を下げざるを得ない状況になるかもしれません。従って「その査定された金額の根拠」をキチンと聞くことが大切です。

中古マンションの査定額は周辺相場に大きく左右されますが、たとえば「今ちょうどその周辺を探している顧客をたくさん抱えている」という会社であれば強気の価格設定で行くかもしれません。他にも「このエリアは眺望を重視するから、景色が良ければ売り易い」など、今までのノウハウを活かした情報を持っていたり、「ちょうどこの周辺は今売り物件が少ないから高く売れる可能性がある」のような形で相場よりも高い価格の査定金額が出されることもあります。

そのような根拠が明確にあれば、たとえ相場よりも査定金額が高くでも、その会社の査定額を信頼できるでしょう。たとえば、5社から見積もりをお願いして「金額的には3番目だが金額の根拠が一番信頼できる」という会社を選べば、早く売却できる可能性は高まります。

中古マンションの査定も自ら考えて相談しよう!

マンションを高く売るために……!

どこの会社の中古マンションの査定価格を信用するのか……。

仲介会社を決定する上で一番大切なことは「仲介会社の言い分を鵜呑みにせず、自身で考えること」です。不動産はどうしても身近ではないので「プロに任せる」と思ってしまいがちですが、相手の出した数字の根拠は必ず聞いて、信頼に値するか確かめてください。

金額だけではなく担当者の受け答えの丁寧さ、速さ、なども加味して仲介会社は選べばより確実です。ご自身の大切なお家ですので、高く、早く売却するために、最初のステップである「査定」は一番納得できる形で行いましょう。