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不動産売却を検討していると「買取」というワードをよく耳にします。不動産の買取に関してぱっとイメージがつく方は少ないと思いますが、具体的には不動産業者に買い取ってもらう売却方法です。
読み終わった漫画本と同じようにエンドユーザーに直接売るのではなく、一旦専門業者に買い取って不動産買取。本記事では不動産買取の具体的な流れについて詳しく解説していきます。
不動産買取の流れ
不動産業者に買い取ってもらうにしても、仲介・買取、その他ビル管理会社・賃貸管理会社・投資用不動産専門等々さまざまな会社があるので、どこに連絡すべきなのかすぐに判断がつかないかもしれません。そんなときのおすすめは「一括査定サイト」。こちらを活用しましょう。
一括査定サイトを利用すれば、状況にあわせた的確なアドバイスがもらえます。また、一度の申し込みで複数の企業に売りたい物件の情報が伝わるため、手間も最小限です。
業者と連絡が取れたら、あとは以下の4ステップで売却は完了します。
- 室内内見(掃除片付けは不要)
- 業者から金額提示
- 契約
- 引き渡し
おすすめの一括査定サイト
不動産一括査定サイトもたくさんあります。「どの査定サイトに申し込みをすればいいのかわからない」と思うのであれば、すまいValueがおすすめです。大手不動産6社からの査定を一括で申し込めます。査定は、もちろん無料なので安心して利用できるでしょう。
不動産買取:主な4つのメリット
続いて、前項の流れに沿って買取のメリットをみていきましょう。不動産を買取してもらうメリットは主に4つあります。
不動産買取のメリット①:内見の手間
エンドユーザー相手の内見とはまったく違います。不動産買取業者の内見は、プロがリフォームを前提にして室内を見にくると考えて置いてください。そのため、部屋に多少の汚れや傷があっても問題ありません。買取後にリフォームやクリーニングを行うからです。もちろん不動産業者は、リフォームやクリーニングにどのくらいの費用がかかるかを想定しながら、査定金額を出します。
さて、よく気を遣って自費で物件の補修などを行う方もいますが、売却確定前の物件にコストをかけるのはリスクになることが多いので賢明とは言えません。補修や掃除は一切不要です。
また、物件の見た目や第一印象が悪くて売れないケースも有り得ません。つまり、掃除や片付けが査定に響くことはほとんどないのです。もちろん、仲介を通じた売却のように、何人ものお客さんの内見対応をする手間もかからず、たった1回の内見でで済んでしまいます。
不動産買取のメリット②:金額提示のスピード・確実性
内見が済むと、遅くても数日以内に査定金額を提示してもらえます。エンドユーザー相手の「買うか買わないか」の2択ではなく、「いくらであれば買取できるか」という点に集約されるので、直前でのキャンセルもありません。
この時点で室内の不要な残置物の引き取り対応もお願い出来ます。業者によりますが、対応してくれることが多いです。
買取会社は実際に住むわけではなく、リフォーム前提で買取をするため、内覧をしなくても金額の提示をしてくれる場合が多いです。最終的には中をみて、眺望やリフォームの障害などのお部屋とは別の部分をチェックして価格を確定させますが、スピード重視で内覧前に出された価格とそれ程大きくは変わりません。
ただし、1階のお部屋のように眺望や部屋位置によって価値が大きく変わる物件は注意が必要です。
不動産買取のメリット③:契約の心理的負担も軽減
宅建免許を持っている業者相手に売るので、基本的には売主責任が免責になることが多いです。つまり、分厚い契約書類の条項を隅から隅まで理解しておく必要性は低くなり負担も減ります。また、新所有者がすぐに住むわけではないので、引渡し期日のセッティングにも柔軟に対応してくれます。
不動産のプロに仲介を頼まずに素人同士で不動産売買するケースもありますが、その場合どうしてもトラブルがつきものです。しかし、不動産買取は買主が不動産のプロのため、トラブルが起こる可能性は極めて低いでしょう。契約書の作成なども安心して任せられます。
不動産買取のメリット④:引き渡しスケジュールの柔軟性
不動産を売却する主な理由は、住み替え、相続、離婚などです。これらのケースにおいていちばん面倒なのは、引き渡し日のセッティングでしょう。「この日に引渡したい」とピンポイントの要望がある方も少なくありません。
不動産買取なら、引渡し日のセッティングにかなり柔軟に対応してくれます。新所有者の不動産業者が自分で住むわけではないので、売主の事情に合わせてくれることが大半だからです。
一般的な買い替えでは、先に自分の家を売ってしまうと住む場所がなくなってしまいます。しかし業者買取の場合は、売却してお金をもらった後の引き渡し猶予に融通が利くことが多いです。新居への引っ越しまで猶予をもらえば、スムーズな買い替えになるでしょう
不動産買取の注意事項
このように買取にはさまざまなメリットがあります。しかし、それでも「買取のほうが安くなるんでしょう?」とのイメージから、仲介による売却にこだわってしまう方が多いのが現状です。
ただし、「買取のほうが安い」の認識は正しい認識ではありません。正確にいえば「買取だと物件によっては安くなることもある」です。買取で安くなってしまうのは、築浅物件(新築購入後間も無く何らかの事情で換金が必要なった方)です。
そもそも業者は、リフォームをして価値を上げる加工手間によってフィーを受領します。そのために買取を行うのです。リノベーションなどの付加価値を大量発注し、あまりコストをかけずに商品化をして不動産を再販売します。
しかし、築浅物件の場合は、このスキームから外れてしまいます。すると加工手間が無いのに加工手間のフィーがかかってしまうので、そのフィ―分安くみえてしまうという理屈です。
不動産買取の注意事項①:自分でリフォームするのはリスクが高い
築年数の経過した古い物件は、エンドユーザー相手にそのまま売却するのが難しくなってきます。売却活動しているのに、長期間売れない……。そのようなケースも珍しくないでしょう。買取を選択すれば、手にする金額も高く手間もかからないので「メリットしかない」のです。
また、古い物件をなるべく高く売却しようとして自身でリフォームをする方もいますが、おすすめできません。個人でリフォームを行うと、不動産業者がリフォームするよりも高くついてしまいます。
結論として、古い物件を売りたいのであれば、大事なのは自分で行動を起こすことではなく、不動産業者に相談することです。
不動産買取の注意事項②:おすすめの買取業者
不動産買取を相談するのであれば、やはり買取専門の業者が良いです。この記事では買取博士をお勧めします。
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不動産買取の注意事項③:不動産業者に仲介による売却を勧められることも
「仲介であればもっともっと高く売れます」と不動産業者に言われてしまうケースもあるでしょう。これは、不動産業者が売主との媒介契約締結が仕事であるためがゆえです。もちろん、仲介によってより高い金額で売却できるときもありますが、ここまで述べたように内見対応や換金期限のスケジュールなどに関しては、買取に軍配が上がります。
これらも踏まえて、最後は周辺相場から自分なりの査定をしてみると買取という方法が適正かどうかが見えてくるでしょう。
築古の物件を想像してください。自分が期待をもって家を内覧する時に、汚れがひどくリフォームが必要な状態だったら「いいな!」「ここに住みたい!」とは感じないでしょう。そのあまり良くない第一印象からその物件を「買おう!」とまで気持ちを上げていくのは非常に困難です。
住宅を探しているお客様の内覧で良い印象を与えられない物件は、買取のほうが上手に売却出来ます。
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まとめ:不動産処理は売却だけではない。買取の選択肢も考慮しよう。
この記事では以下の内容を紹介しました。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧